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 国公労連速報 2012年8月3日《No.2804》
 独法の運営費交付金拡充求め財務省交渉
     
 

 

 本日、国公労連は学研労協と特殊法人労連とともに、独立行政法人の運営費交付金拡充等を求める財務省交渉を実施しました。国公労連からは、岩崎副委員長ほか単組代表ら5人、学研労協からは池長議長と川中事務局長、特殊法人労連からは篠原副議長が参加し、財務省側は地方課の高橋課長補佐らが対応しました。
 冒頭、岩崎副委員長が要請書(別添)を手交し、「連年に渡る運営費交付金削減により、国民生活を支える行政サービスを担う独法の業務が立ちゆかなくなってきている。運営費交付金拡充の予算措置を強く求める」と述べました。
 つづいて、九後書記次長が要請書の説明を行い、とりわけ、この間の運営費交付金削減をタテにとっての政府・財務省による賃下げ圧力は、労働基本権を有し自律的・自主的な労使対等の交渉で決定される独法のルールを破るものであると批判し、こうした対応をあらためることを強調しました。
 学研労協の池長議長は、「運営費交付金の削減とともに、そもそも渡しきりであるはずなのに、事業費と人件費の削減が機械的に連年行われ、その結果、研究機関ではパーマネントの職員の採用が十分にできない事態となっている。これでは国立研究機関の大きな役割である長期的ビジョンの基礎研究が困難になる。研究機関の役割を発揮するために運営費交付金の拡充を求める」と発言し、学研労協の川中事務局長は、「毎年削減されている産総研の運営費交付金は、2001年の約700億円から現在約600億円にまで減っている。この間、研究費は大震災の影響などもあり2割カットされるなど、日々の研究自体が立ちゆかなくなってきている。運営費交付金も減らし、人も減らしでは、科学技術立国の衰退は避けられない。若手研究者は不安定雇用であるポスドクで、そこからパーマネント採用されたとしても給与が上がらないシステムも導入されようとしている。将来展望のない状況を改善すべきだ」と述べ、全通信の大高中執も連年の運営費交付金と人件費の削減が情報通信研究機構における長期研究の継続に支障を来していることを訴えました。
 特殊法人労連の篠原副議長は、「リーマンショック以降、貧困が広がるなか誰もがお金の心配なく学べるよう返済の必要のない給付制奨学金の確立が求められている。特殊法人労連、日本学生支援機構労組は、奨学金の会をつくって学ぶ権利を保障するために給付制奨学金の実現を求め、文部科学省も概算要求で給付制奨学金を求めたが実現していない。財務省は独法への賃下げ圧力や、運営費交付金の削減をやめ、国民生活のための拡充をはかるべきだ」と述べました。
 これに対して、財務省側は、「きょういただいた要請書と要望については、主計局の担当部署に伝える」と答えるにとどまり交渉を終えました。


(別添)

2012年8月3日

財務大臣 安住 淳 殿

日本国家公務員労働組合連合会      委員長 宮垣 忠
筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会 議 長 池長裕史
特殊法人等労働組合連絡協議会      議 長 岩井 孝

独立行政法人の運営費交付金拡充等を求める要請書

 日頃から、国民生活の安定と向上のためご尽力されていることに敬意を表します。
 さて、独立行政法人や国立大学法人および大学共同利用機関法人(以下「国立大学法人等」という)の財政を支える運営費交付金が、毎年削減され続けています。そのことによって、国民の安心・安全を守り産業活動の基盤を支える独立行政法人の業務遂行に支障をきたし、国立大学法人等では教育や研究の質の低下を招いています。
 また、独立行政法人や国立大学法人等の人件費についても、行革推進法による削減もかさなって慢性的な人員不足が生じ、各法人の業務遂行にも大きな足かせとなっています。正規職員が採用されず、任期付研究員が増え、研究所によっては過半数に及ぶなど研究の継続性が阻害される法人もあります。また、不安定で劣悪な研究労働条件に置かれているポスドク問題を解消するものではありません。
 他方、2月29日に「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」(以下、「賃下げ特例法」)が成立したことをうけ、政府は「国家公務員の給与見直しの動向を見つつ、各独立行政法人の役職員の給与について必要な措置を講ずるよう要請されたい」とする事務連絡を3月6日に各府省に発出しました。その後5月11日の閣議で、東日本大震災の復興財源を捻出することを名目に、独立行政法人・国立大学法人などの公的機関に対して、国家公務員の給与見直しを踏まえた「適切な対応」を要請するとともに、来年度予算では人件費削減に相当する運営費交付金を削減するという申し合わせが行われました。そうした状況の下で、すでに労使の自主交渉によって賃金水準等が決定されている独法に対して、財務省が来年度の運営費交付金の削減をちらつかせながらいっそうの削減を迫っているとの指摘もあります。
 独立行政法人通則法では、「業務運営における自主性は、十分配慮されなければならない」と謳われており、独立行政法人職員の賃金水準を「自律的・自主的な労使関係の中で」決めることは当然であり、労働条件が労使の自主交渉によってのみ決定されることが労働関係法で保障されていることからしても、政府による事実上の賃下げ強制は認められるものではありません。
 現在、「独立行政法人通則法の一部改正」法案も国会に提出されていますが、独立行政法人通則法の目的に掲げられている「国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資すること」を実現するためにも、運営費交付金の拡充こそが求められます。
 ついては、貴職に対し下記事項が実現されるようご尽力いただくことを要請します。

  1. 独立行政法人が行う行政サービスの維持・拡充や、国立大学法人等の教育や研究の質の維持・向上を図るために必要な運営費交付金を確保する予算措置を図ること。
  2. 業務運営の実態に応じた必要な増員を含め総人件費の増額を認めること。
  3. 「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」が施行されていることを理由に、2013年度予算における運営費交付金など独立行政法人関連部分の減額補正を行わないこと。

以上 


 
 
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