社会保険庁の廃止で525人が不当解雇されて2年8月が経過しました。全労連社保庁職員不当解雇撤回闘争対策会議は、このたたかいへの理解と支援をひろげるために7月〜9月を全国闘争強化期間として、全厚生闘争団を中心にした全国オルグを提起しています。全国の先頭を切って8月下旬に北陸3県と徳島県でのオルグを行いました。
不当解雇撤回めざす全国オルグが北陸からスタート
一日目は富山での行動!
8月28日の富山での行動は、JR富山駅近くマリエ前での朝8時からの早朝宣伝で始まりました。宣伝行動には富山県労連から3名、富山県国公7名、全厚生闘争団2名、国公労連1名の計13名が参加。富山県労連の村上事務局長が宣伝行動の主旨を述べ、全厚生闘争団の國枝事務局次長が社保庁の不当解雇の不当性を訴えました。また、中部ブロック国公の中田事務局長が公務員の賃下げ違憲訴訟とあわせて理解を訴えました。約30分の宣伝行動でビラ1,000枚を配布しました。
富山県下の民主団体等に要請行動を実施
宣伝行動終了後には、県労連から3名、国公・全厚生から4名が参加して県下の民主団体等13カ所への要請行動を実施しました。要請では、分限免職を取り消す判定を早期に求める人事院総裁宛の新しい署名や全厚生闘争団を支える会への加入、間違った処分にもとづき解雇された北久保さんの身分と権利の回復を求める厚労大臣あて要請ハガキへの協力を要請しました。またあわせて、賃下げ違憲訴訟の公正な判決を求める署名への協力も要請しました。
福祉法人とやま虹の会では、法人の友椙理事長ととやま虹の会労働組合の井田書記長に要請。友椙理事長は「介護保険の制度では、サービスを向上させると保険料が上がってしまう。特養はいらない、社会福祉法人はなぜ免税なのか等と言われている中、社会保障の関係では組合とも共闘している。不当解雇撤回で頑張ってください」と述べ、井田書記長は「我々も公務員の仕事をしているつもりですが、扱いは寮母さん。公的制度が民間化され、金儲けの対象にされている。社保庁の不祥事は幹部の責任。首になった人には責任がない。国民にはそこを訴えていただきたい」と話しました。
学習支援集会で訴え〜不当解雇撤回の世論をひろげよう!
富山県民共生センターで18時半から開催した学習支援集会には、国公関係で22名、県労連加盟組織などで9名の計31名が参加。富山県労連の増川議長は開会あいさつで「525人は国家的な不当解雇だ。高校の現場では将来のエリートになるためにいかに勝ち残るかという教育がされている。そんな教育されて解雇された方のことを親身に考えられるのか危惧している。不安定な雇用が蔓延している。官民ともにたたかう必要があり、その象徴的なものとして社保のたたかいは負けられない」と述べました。
全厚生闘争団の國枝事務局次長は、社保庁へのバッシングが強まり分限免職されたまでの経過や、人事院の口頭審理であきらかにされた解雇の人選の不当性、分限免職回避努力がまったくなされなかった実態などについて詳しく報告。また、中部社会保険支部の佐藤副支部長が、経験者が不足して混乱する年金機構の職場の実態について報告しました。さらに中部ブロック国公の中田事務局長が、公務をとりまく情勢報告と賃下げ違憲訴訟の訴えを行いました。
閉会あいさつで富山県国公の粟山議長は、出先機関廃止反対での地方議会から意見書をあげてもらうとりくみの経験も踏まえて、公務員バッシングをはね返し、不当解雇撤回の世論を広めるとりくみを強めるよう訴えました。
集会では、支える会の加入が2団体・個人7名、北久保さんはがきへの署名が3枚ありました。
二日目は金沢駅前での早朝宣伝行動から!
社保庁職員不当解雇撤回全国オルグの2日目は石川で行われ、8月29日の早朝7時15分からJR金沢駅東口での宣伝行動でスタートしました。早朝宣伝には長曽事務局長をはじめ石川県労連から長4名、石川県国公1名、全厚生闘争団2名、中部ブロック国公1名の計8名が参加。また、昼休み時間帯にも市内中心街の南町で宣伝行動を行い、小倉議長をはじめ石川県労連から4名、石川県国公2名、全厚生闘争団2名、中部ブロック国公1名の計9名が参加しました。早朝も昼休みも約45分の宣伝行動でしたが、宣伝チラシは早朝に300枚、昼休みは150枚を配布しました。
早朝宣伝行動終了後には、県労連2名、国公・全厚生5名が参加して県下の民主団体等15カ所への要請行動を実施しました。
公務員賃下げの悪循環阻止〜支援集会に35名が参加
石川県労連会館ホールで18時半から開催した学習支援集会には、国公関係28名、県労連加盟組織など7名の計35名が参加。開会あいさつで、石川県労連の小倉議長は「社保庁だけでなく民間も首切りを平気でやっている状況にある。多くの若者労働者は非正規で将来も希望が持てない。公務員の賃金などが悪くなれば民間にも移っていく。社会的に包囲して悪循環を阻止していかなければならない」と述べました。
全厚生闘争団の國枝事務局次長と中部社会保険支部の宮田書記長、中部ブロック国公の中田事務局長がそれぞれ訴えを行いました。
県労連の長曽事務局長は閉会あいさつで、「社保庁職員の解雇は見せしめの解雇であり、狙いは悪政に対してNOと言わない公務員作りにある。公務員賃下げは悪いサイクルだ。一歩二歩でも訴えかけることが大事だ」と述べました。
集会では、支える会の加入が個人2名、個人カンパ1,000円、北久保さんの職場復帰を求める要請はがき25枚ありました。
3日目は福井の早朝宣伝でビラ900枚配布
全国オルグの3日目は福井で行われ、8月30日の朝7時45分よりJR福井駅前の早朝宣伝からスタートしました。宣伝には、平澤議長をはじめ福井県労連から8名、福井県国公6名、全厚生闘争団2名、中部ブロック国公1名の計17名が参加。社保庁職員の不当解雇撤回のビラと公務員の賃下げ違憲訴訟のビラをあわせて約30分の宣伝行動で約900枚を配布しました。
宣伝行動終了後、県労連から3名、国公・全厚生から7名が参加して県下の労組・民主団体等へ15カ所の要請行動を実施しました。
当事者責任は棚上げの回答〜福井年金事務所へ要請
また、福井では福井年金事務所に対する要請を行い、「年金業務に関する国民の信頼を回復するために、専門的安定的な業務運営体制を確立すること。またそのためにも2009年12月末に行われた分限免職を取り消し、希望する全ての旧社保庁職員を採用できるよう政府・厚労省に働きかけること」を申し入れました。対応した年金事務所の副所長は、「申し入れの内容は上部機関に伝える」「年金記録解明についてのこちらからのアクションは終了しつつあり、年金ネットで情報を提供していくので、新たな情報があれば調査をしていくというスタンス」、「年金機構は厚労省から委託を受けて業務を行っているだけで、過去の年金記録の問題の責任などについて説明できない」など、当事者責任を棚上げする回答に終始しました。県労連の平澤議長は非正規職員や外部委託を増やしている実態を改善することを訴え、また、県国公の中矢議長は過去の問題の教訓を生かした業務運営を行うことを申し入れ、要請を終えました。
官と民の共闘をひろげよう〜支援集会で意思統一
福井県教育センターで18時半から開催された学習支援集会には、国公関係で15名、県労連加盟組織などで10名の計25名が参加。開会あいさつで、平澤福井県労連議長は「不当解雇撤回のたたかいはきびしい。私も国鉄で24年間闘争したが大変きびしいたたかいだった。相手も必死になっている。共感をひろげ仲間を増やせば勝利の条件もある。勝利への展望を持ち官民共に共闘をひろげがんばっていきましょう」と述べました。
全厚生闘争団の國枝事務局次長と中部社会保険支部の蒲事務局次長、中部ブロック国公の中田事務局長がそれぞれ訴えを行いました。
閉会あいさつで福井県国公の中矢議長は、「本日の行動で終わりにしてはいけない。認識を新たに職場・地域でたたかいをひろげていこう。公務と民間が分断されては勝てない。署名はあらゆるところに働きかけることができる武器になる。要請行動では自治労の労組にも要請を行った。首切りや賃下げで連帯できる可能性が見えた。本日を起爆剤にしてがんばろう」と述べました。
オルグ当日に、支える会の加入が1団体・個人2名、建交労福井農村労組よりカンパが5,000円、北久保さんはがきが11枚集まりました。ご協力ありがとうございました。
四国・徳島県でも労組・団体への要請行動を実施
8月30日に全労連四国地協の会議が徳島県労連で行われ、全厚生闘争団の児島事務局次長(愛媛当事者)が四国4県でのオルグと集会等の実施についての協力を要請しました。
8月31日には、徳島県労連の森口事務局長と全厚生闘争団の児島事務局次長の2名で徳島県内の8カ所に要請行動を行いました。公務の単組には昨年も要請に行っており、自分たちの身近な問題と捉えて協力を約束してくれました。また、民間の単組についても不当解雇は許さないとの立場で協力を約束してくれました。JMIU光洋シーリングテクノ支部ではカンパもいただきました。
当日17時から徳島県医労連の定期大会があり、大会開会前の時間を借りて訴えを行いました。参加者の中には社保庁が廃止されたことや分限免職がおこなわれたことを知らない人もいましたが、大会全体として不当解雇は許さないとの立場で支援を約束してくれました。
以上
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