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国公労新聞 2008年8月11日付 号外 2008年人事院勧告特集号
     
 

 

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◆8時間労働制を突破 職場からの運動の成果
 ベア、一時金とも改定せず
 

 

<声明>時短の早期実施と「本府省手当」の撤回を求める

声明本文は⇒こちら

 
 

 

2008年勧告の主な内容

◎本年の給与勧告のポイント
  月例給、ボーナスともに水準改定なし

(1)民間給与との較差(0.04%)が極めて小さく、月例給の改定を見送り。医師の給与は特別に改善
(2)期末・勤勉手当(ボーナス)も民間の支給割合と概ね均衡
(3)給与構造改革の着実な実施―本府省業務調整手当を新設

◎官民給与の比較
  約11,000民間事業所の約44万人の個人別給与を実地調査(完了率89.0%)
  ※調査対象事業所数を約900事業所増加させ、企業規模100人未満の事業所もより綿密に調査

〈月例給〉官民の4月分給与を調査し、主な給与決定要素である役職段階、年齢、学歴、勤務地域の同じ者同士を比較
※官民較差が極めて小さく俸給表改定は困難なこと、諸手当についても改定する特段の必要性が認められないこと等を勘案して、月例給の水準改定を見送り

○官民較差
  136円0.04%〔行政職(一)・・現行給与387,506円 平均年齢41.1歳〕

○医師の給与の特別改善(2009年4月1日実施)
  国の医師の給与は、民間病院等の給与を大きく下回っており、若手・中堅医師の人材確保のため初任給調整手当を改定(年間給与を独立行政法人国立病院機構並みに平均で11%引き上げ)

〈ボーナス〉昨年8月から本年7月までの1年間の民間の支給実績(支給割合)と公務の年間支給月数を比較

○民間の支給割合
  公務の支給月数(4.50月)と概ね均衡

◎その他の課題
 (1)住居手当
 ・自宅に係る住居手当は来年の勧告に向けて廃止を検討
 ・借家・借間に係る住居手当は高額家賃負担職員の実情を踏まえ、引き続き検討
 (2)単身赴任手当
 ・経済的負担の実情、民間の同種手当の支給状況を考慮して改善を検討
 (3)非常勤職員の給与
 ・各庁の長が給与を決定する際に考慮すべき事項を示す指針を策定
 ・非常勤職員の問題は、今後は政府全体としてその在り方を幅広く検討していく必要

◎勤務時間に関する勧告のポイント
  職員の勤務時間を1日7時間45分、1週38時間45分に改定(2009年4月1日実施)
 ・職員の勤務時間は民間と均衡させるべきもの。民間の労働時間は職員の勤務時間より1日15分程度、1週1時間15分程度短い水準で安定
 ・勤務時間の短縮にあたっては、これまでの行政サービスを維持し、かつ、行政コスト増加を招かないことが基本。公務能率の一層の向上に努める必要
 ・勤務時間の短縮は、仕事と生活の調和にも寄与

 
 

 

<解説>
給与改定 生活と労働実態に目を向けず


水準と配分

 今年4月時点の官民給与水準を比較した結果である官民較差は136円、0・04%と、予想に反し極めて微少なものでした。
 今年の春闘の賃上げ交渉の結果は、各種調査によれば図表のとおりであり、昨年をわずかに上回る水準でした。当然、今年も最低でも昨年並の較差(1352円・0・35%)があるというのが大方の見方でした。
 136円という官民較差はこの予想を大幅に裏切るものです。こうした結果になった理由として、人事院は、(1)公務員の賃金水準が昨年より伸びたこと、(2)春闘後半の中小企業の賃上げ状況が良くなかったことを挙げています。
 確かに、今年4月の行政職(一)の給与水準は387、506円(平均年齢41・1歳)であり昨年の水準383、541円(平均年齢40・7歳)と比べ1%以上伸びています。これは定員削減下の新規採用抑制や退職年齢の伸びによる平均年齢の上昇傾向によるものと説明されています。
 しかし、石油や食料品価格の高騰で近年にない諸物価上昇が続いている(本年4月で0・5%増)情勢の中でも、あくまで民間準拠に固執する姿勢は、本来の情勢適応の原則からいっても、職員の生活改善や年々厳しさを増す職場環境・労働実態に眼をむけた給与改善という点からも、その不十分さは否めません。
 いずれにせよ、官民比較結果によって官民の給与水準はほぼ均衡がとれているとして、俸給表、諸手当を含めた比較給与のすべてについて今回改定が見送られたことは、極めて不満といわざるをえません。

俸給表

 国公労連は、交渉の中でわずかでも官民較差があるとすれば、その配分は俸給表改善に回し、とりわけ官民較差が大きい初任給周辺の改善を重視するよう求めてきました。
 昨年は官民較差の一部の387円を初任給周辺の俸給表改善にあて、行(一)1、2級を中心に3級の一部にまで及ぶ改善がはかられました。しかし、今回は全体較差で136円と配分できる原資が足りないことから、初任給を含めた俸給表の改善は断念されました。

一時金

 一時金(特別給)についても官民の支給月数はおおむね均衡しているとし、今回支給割合の改定は見送られました。
 人事院によると、昨年8月から本年7月までの民間特別給の支給割合は所定内給与の4・50月分で、公務の年間支給月数4・5月とおおむね均衡しているとしています。
 半期ごとに支給割合の対前年変化をみると、冬季分の下半期は2・24→2・28月分でしたが、夏季分の上半期2・28→2・23月分(事務・技術等の場合)と、景気減速の影響か、今年夏がかなり落ち込んでいることがわかります。これが年間支給月数が思ったほど伸びなかった原因といえます。

諸手当

 自宅に係る住居手当は、昨年報告で廃止を含めて見直す旨の言及がされ、今年の手当の重点課題の一つでした。しかし、官民較差がほとんどないことから、今回廃止は見送られ、報告で来年の勧告に向けて「自宅に係る住居手当の廃止の検討を進めるとともに、借家・借間に係る住居手当については、高額家賃負担者の実情を踏まえた手当の在り方について引き続き検討を進める」旨を言及しています。
 燃料費高騰を受け、強い要求のあった交通用具通勤手当については、民間の支給状況と現行の手当額がさほど離れてはいない、過去においてもガソリン価格の上下動に直接連動した改定は行っていないことなどから改定が見送られました。
 なお、国立病院等の医師確保の必要性等を踏まえ、較差外手当である医師の初任給調整手当が大幅に見直されます(年間給与で11%改善)。

非常勤職員の給与に関する指針(案)

 俸給に相当する給与については、当該非常勤職員の職務と類似する職務の常勤職員に適用されている俸給表の1級の初号俸の俸給月額を基礎として、職務内容、在勤する地域及び職務経験等の要素を考慮して決定すること。
 通勤手当に相当する給与を支給すること。
 相当長期にわたって勤務する職員に対し、期末手当に相当する給与について、勤務期間等を考慮の上、支給するよう努めること。
 各府省においては、非常勤職員の給与に関し、上記1から3までの趣旨を実施するよう、規程を整備すること。
(6月19日に国公労連に示された内容)
非常勤の給与

 非常勤職員の処遇に関しては、各庁の長が非常勤職員の給与を決定する際に考慮すべき事項を示す「指針」(右記)を策定するとしています。
 指針は昨年来の「同様の職務に従事しながら、所属する府省によって必ずしも均衡が取れていない事例も見受けられる」という問題意識に基づく検討結果であり、不十分さはありますが、現段階では貴重な到達点といえます。
 今回はさらに休暇及び健康診断のあり方について検討を行うとともに、任用形態・勤務形態の在り方についても問題意識をもって考える旨を報告で言及しています。

 
 

 

給与構造見直し(4年目) 「本府省手当」の新設を強行

地域手当

 地域手当の支給割合について、級地の区分毎に09年度の暫定支給割合を示しました。地域手当は、05年の給与構造見直しに関する報告で述べているとおり、俸給表を4・8%引き下げた原資で新設された手当です。このため制度完成時の支給割合は、既に給与法で決められていますが、09年度の暫定支給割合を人事院規則で別途定めます(別表「地域手当支給一覧」参照)。

本府省業務調整手当

 05年の給与構造改革において、新設・再編する手当のうち、10年度までに実施時期も含めて検討するとしていた手当です。
 手当新設の理由として、「本省固有業務」という業務の特殊性や複雑、困難性を理由とする一方、近年、本府省で必要な人材の確保が困難となっている事情を考慮したとしています。
 厳しい定員削減政策が続いている中にあっては、限られた要員で多様化する行政需要に地方・本省一体で業務を遂行せざるを得ません。「本省固有業務」を対象に措置されるとしても、その範囲は何か、手当で措置しなければならない業務なのかなど、検討の余地があるところであり、さらに本省は、級別定数の配分や昇格運用で相当の高評価を受けていることから、手当新設の意義を再検討すべきです。
 手当新設は、長時間過密労働や不払い残業の現状をとりつくろうとするものと言わざるを得ず、本府省の働き方の見直しを求める職員の要求や中央と地方の格差拡大に反対する地方に勤務する職員の要求を無視したものであり容認できません。

本府省業務調整手当の概要

 国家行政施策の企画・立案、諸外国との折衝、関係府省との調整、国会対応等の本府省の業務に従事する職員の業務の特殊性・困難性及び本府省に必要な人材を確保することが困難になっている事情を考慮し、本府省業務調整手当を新設する。

支給対象とする業務
  本府省内部部局又はこれに相当する組織の業務に従事する職員
  内部部局と一体となって行う、調査研究、重要事項の調査審議に従事する職員
支給対象とする職員
  適用俸給表
行(一)、専行、税務、公(一)、公(二)、研究の各俸給表の適用を受ける職員
手当額
    役職段階別・職務の級別の定額制
   
課長補佐 俸給月額×9.44%(8%+8%×0.18)相当額
係  長 俸給月額×4%相当額
係  員 俸給月額×2%相当額
  ※ 職務の級における最高の号俸の俸給月額の10%を上限とする
    (8%は現行の俸給の特別調整額)
諸手当の算定基礎
  諸手当(地域手当、超過勤務手当、期末・勤勉手当等)の算定基礎としない。
実施時期等
    2009年4月1日から実施
ただし、2009年度における支給額は、
  係長及び係員にあっては、制度完成時の1/2の割合を基に算出した額
  課長補佐にあっては、2009年度の地域手当1級地の支給割合を基に算出した額

 
 

 

勤務時間等労働条件 1日15分の時短を勧告

勤務時間

 所定勤務時間について、1日当たり7時間45分、1週間当たり38時間45分に短縮する勧告を行いました。今年の民調で民間企業の所定労働時間が公務と比較して、1日当たり15分程度、1週間当たり1時間15分程度短くなっており、2004年から本年までの調査結果によっても、その水準で安定していることや、時短によって行政サービス等に影響が及ばないことを理由としています。公務員バッシングが続き、公務員の労働条件に厳しい視線が注がれているなかで勧告に踏み切らせ、「8時間労働制」の壁をうち破ったことは、休憩・休息時間見直し以降職場に生じた問題を粘り強く訴え、全国の職場が一丸となって取り組みをすすめてきた成果です。
 今後、勧告の早期実施と関連制度を含む必要な環境整備について政府・人事院を追及します。また、交替制職場の特殊性をふまえた勤務時間のあり方について追及します。

超勤削減

 超過勤務縮減については、現在本府省における在庁時間削減の取り組みの徹底を図ることに加えて、国会関係業務など他律的業務における超過勤務の上限目安等の検討や早出遅出勤務の活用促進のための取り組みを進めることを報告しています。しかし、ここでも上限目安にとどまり、上限規制を含む実効ある対策まで踏み込んだ言及はされていません。
 なお、超過勤務手当について、昨年と同様に、各府省内での配分のあり方も含めた予算確保の必要性がふれられています。

心の健康づくり

 心の健康づくりでは、予防や早期発見の取り組みの重要性が高まっていることにふれ、セルフケア(早期に対処すること)及びラインによるケア(管理監督者が部下に対して適切な対応をとること)に資する心の健康づくりに関する情報の提供、管理監督者向け研修の充実に努めることや、気軽に相談できる体制整備等の検討について報告しています。
 なお、今回の報告では、「パワーハラスメント」にふれられていない点は怠慢であり、早急な検討を求めます。

非常勤職員

 非常勤職員の処遇に関して、休暇及び健康診断の在り方について検討を行うことと、任用形態・勤務形態のあり方についても問題意識をもって検討をすすめる旨が表明されています。また、非常勤職員の問題について、政府全体として、必要に応じて職務の実態把握を行いながら、その在り方の検討の必要性について言及しています。
 これまで放置されてきた非常勤問題について、その「位置付け」を含め検討の必要性に言及させたことは、「官製ワーキングプア」を社会問題化してたたかってきた労働組合運動の貴重な到達点といえます。

 
 

 

公務員人事管理 評価「試行」結果を制度反映へ 定年延長の方向を明確化

人事評価制度

 現在、政府と人事院が検討を進めている新たな人事評価制度に関して、「評価制度の基本的枠組み」と「評価結果の活用に関する基本的枠組み」を明らかにしてきました。その概要は別表のとおりです。
 その上で「報告」は、内閣官房が中心となって検討を進めている「評価制度」に関しては、今後、試行で得られた知見なども活用し、人事院として必要な意見を述べていくとしています。また、評価制度の適切な運営のためには評価者訓練が重要であるとし、そのために人事院として研修を開発し、今秋から各府省の人事担当者等を対象とした研修を実施することを表明しています。
 また、人事院自らが担当している「評価結果の活用に関する基本的な枠組み」についても、試行の結果も踏まえて必要な制度整備をはかるとしています。
 それぞれ基本的枠組みが今回明らかにされたわけですが、これから行われるリハーサル試行において出される職員からの意見が重要な要素となってきます。試行において、大いに問題点を指摘し、意見を集約する必要があります。

人事評価制度についての報告(概要)

1 人事評価制度
(1)評価方法等 ・評価期間=10月1日〜9月30日。「能力評価」は年1回、「業績評価」は年2回(4月1日〜9月30日、10月1日〜3月31日)実施。評価段階は5段階
(2)評価結果の開示等 ・期末面談で、評価者が被評価者に対して評価結果を開示し、指導・助言
(3)苦情への対応 ・評価結果など人事評価に関する職員の苦情に対応する仕組みを各府省に設置
2 評価結果の活用
(1)昇任 (1)昇任候補者の要件 ・前2年の能力評価の全体評価に下位評価がなく、かつ、直近の業績評価の全体評価が下位でないこと。制度施行3年後からは、前2年の能力評価の全体評価が平均して標準を超えるものであること (2)昇任者の決定 ・昇任候補者の中から、昇任前の複数年の評価結果を活用し、人事計画、人材育成、将来性等を考慮して決定
(2)免職・降任・降格・降給 ・能力評価又は業績評価の全体評価が最下位となった者について、職務の見直し、配置換等を行い改善されない場合に警告書を交付し、最終的に処分
(3)昇格 ・昇任を伴わない昇格の場合は、原則、前2年の能力評価及び業績評価の結果を活用し、昇格日までの勤務実績等も考慮して総合判断
・この場合、直近の能力評価及び業績評価の全体評価のいずれかに下位評価がなく、施行3年後からは、前2年の能力評価及び業績評価の全体評価を平均して標準を超えるものであること
(4)昇給 ・上位の昇給区分は、能力評価及び業績評価の双方の全体評価が標準以上であり、かつ、いずれかが上位である者について、原則として評価結果が上位の者から順に高い昇給区分に決定 ・能力評価及び業績評価の全体評価が下位である者については、全体評価の内容や所見、項目別の評価結果等を踏まえつつ、下位の昇給区分に決定
・遠隔地への異動や転居を伴う頻繁な異動、公務に対する貢献が顕著である場合には、これらの事情を昇給区分の決定で考慮できる
(5)勤勉手当 ・「特に優秀」、「優秀」の区分は、業績評価の全体評価が上位である者で、評価結果が上位の者から順に高い成績率・成績区分に決定 ・「良好でない」の区分は、業績評価の全体評価が下位である者
(6)実施時期 ・評価制度の施行に併せて実施。本府省から実施し、本府省以外の機関は本府省の1年後

公務員制度改革及び公務員人事管理に関する報告の骨子

T 公務員制度改革に関する基本認識

第1 公務及び公務員に対する国民の信頼の回復が急務(人事管理システム全体の総点検により早急な信頼回復に着手)
第2 時代の変化に適合する有効な人事管理システムの再構築(政官、官民の役割分担等を前提に、採用から退職までの人事管理諸制度を総合的に検討)
第3 高い専門性をもって職務を遂行するとの職業公務員制度の基本を生かした改革の推進(※制度及び運用の一体的改革が不可欠。運用改善・意識改革には直ちに着手。※幹部職員等を対象とした新たな制度や労働基本権の検討の際の着眼点について論及)
第4 公務員が使命感を持って全力で職務に取り組めるよう意識改革を徹底

U 公務員人事管理に関する報告

1 人材の確保・育成
 (1) 採用試験の基本的な見直し――高い資質と使命感を有する人材の確保が引き続き重要
  ・基本法の制定、人材供給構造の変化を踏まえ、採用試験の基本的見直しに向け、専門家会合を開催し、各試験の意義、検証すべき能力・手法等について、検討に着手
  ・今後の中途採用試験の在り方も念頭に、「経験者採用システム」の一層の活用
 (2) 幹部要員の確保・育成
  ・幹部要員をはじめとする職業公務員の人材育成の在り方について、研究会を開催し、高い使命感を持つ行政官の確保・育成に向けて検討に着手
  ・基本法による新制度発足前においても、思い切った能力実績に応じた人事運用への転換が必要。課長補佐級への昇任から適格性を厳正に判断、課長級への昇任時には従来以上に厳しく適任者を選抜。併せて、U・V種等採用職員の一層の登用推進
 (3) 人事交流の推進
   官民人事交流法に基づく交流基準等について必要な見直し
 (4) その他
   女性の採用・登用の拡大。昨年の国公法改正を踏まえた任免規則の整備。
   分限について、新たな人事評価の導入に伴い、規則・指針の整備 等

2 能力及び実績に基づく人事管理の推進――新たな人事評価制度の活用
  評価結果の人事管理への活用の基本的な枠組みを提示(昇任、昇格、昇給、ボーナスに加え、免職・降任・降格・降給処分や人材育成にも活用)。試行結果も踏まえ、評価制度の施行までに制度整備

3 仕事と生活の調和に向けた勤務環境の整備
 ・本府省の超過勤務縮減のため、政府全体として計画的な在庁時間削減に取り組むことが必要。他律的業務に係る超過勤務について、業務の改善・合理化の徹底及び縮減策等の検討
 ・育児休業等の制度の周知や利用モデルの提示など職員のニーズに合わせた両立支援を推進
 ・心の疾病の予防や早期発見のための情報の提供、気軽に相談できる体制の整備等を検討

4 退職管理 〜高齢期の雇用問題〜
  65歳までの段階的定年延長を中心に検討。その際、再任用との組合せ、役職定年制の併用、外部との人事交流、高齢期の職員の職域の開発、給与総額増大の回避の方策等も検討

高齢職員対策

 退職管理(高齢期の雇用の在り方)に関しては、昨年の報告にもとづいて人事院の下に「公務員の高齢期雇用問題に関する研究会」が、設置されました。研究会は、最終的目標を65歳までの定年延長とする旨の「中間取りまとめ」を出しました。「基本法」において、政府は定年を段階的に65歳に引き上げることについて検討することとされました。これらを受けて、今後、人事院としては、平成25年度から段階的に65歳までに延長することを中心に検討を進めることを明らかにしました。
 昨年までは不透明であった高齢期雇用の方向性が、いよいよ定年延長の方向ですすめられることになりますが、その際、再任用との組合せや高齢期の職員のための職域の開発、給与総額増大の回避の方策の検討などにも触れてきており、とりわけ、職域の開発や給与総額増大の回避への対応についての要求の構築を急ぐ必要があります。

 
 
 
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