国公労連が5月から取り組みを進めている「国民のための公務員制度確立を求める請願署名」は、6月21日現在で18万4506筆を集約しています。この間、国公労連は、全国の仲間の集めた署名を携えて、各単組・県国公の協力のもと、すべての国会議員へ要請を行い、現時点で、共産党の全議員43名をはじめ、民主・社民・自民・公明など各政党から120名を超える紹介議員の約束をとりつけています。
★厚生労働本省共闘が学習交流会ひらく
厚生労働本省で活動する3つの組合(全労働本省支部、全厚生本省支部および全厚生統計情報支部)で組織される厚生労働本省労働組合共闘会議(厚生労働本省共闘)は、5月31日の昼休み、「公務員制度改革」についての学習交流会を開催しました。
「公務員制度改革」については、「基本設計」が出されようとしていますが、残念ながら職場の組合員・職員にその具体的な内容が浸透しておらず、導入された場合の弊害等を危惧する声があまり聞かれないというのが現状です。このことから、この「改革」が私たちの労働条件にどのような弊害をもたらすのか、組合員・職員の理解を深めるため、今回の学習交流会を開催することになりました。なお、この学習交流会が今年2月に結成された厚生労働本省共闘のはじめてのイベントとなりました。
約20人が参加した当日の学習交流会では、最初に全労働本部・森崎書記長から、3月に出された「大枠」について、その概要と問題点について説明があり、その後、参加者全員でフリートークでの意見交換を行いました。
意見交換では、本省職場の第一線で働いている経験から、成果主義が持ち込まれることによる行政サービスの低下を危惧する声、また、このような理不尽な内容が、私たち公務労働者の意見をまったく聞かず、労使対等の原則を無視した形で、上から一方的に押しつけられることについての怒りの声、これをはねかえすためにどのように運動していったらいいのかなど活発な議論が行われました。
残念ながら昼休みという限られた時間のため、まだまだ話し足りないという中で終了せざるを得ませんでしたが、本省共闘では今後とも学習交流会の第二弾など、「公務員制度改革」についての学習教宣活動に力を入れていくこととしています。(全労働本省支部・原和義書記長発)
★官民一体で学習決起集会〈国公近畿ブロック〉
〜民間の仲間から300筆超える署名協力
国公近畿ブロックは、「新たな人事制度(検討案)」が出されて以降、大阪公務共闘・大阪労連とともに、「公務員制度改悪阻止学習決起集会」を6月14日夕刻、200人の仲間の結集で成功させました。参加者の中には、6月12日に行った早朝呼び込み宣伝ビラを見て、結集した仲間もいました。
本集会では、「国民のための公務員制度とは」をテーマとした行財政総合研究所・川村祐三理事の講演を聴き、公務労働者の労働基本権はどのように剥奪されたのか、現在の公務員制度ができた歴史的背景、公務員制度改革の「大枠」の問題点、公務員制度の本来のあり方について(「民主的かつ能率的」の理念、官僚的な運営を改めるためには、公務員の初心を活かす職場に)など国公労働者だけでなく、地方公務員・教職員そして民間労働者も含めて現在進めている自民党政府の改悪内容を学習しました。
また、大阪労連民間部会長の全大阪金属労組委員長から「公務労働者も労働基本権を高く掲げてたたかって欲しい」と憲法28条の権利を守るために、日本の世論を動かせるぐらいの大きな取り組みをして欲しいと激励的な発言を受けました。
次に、通信労組から、成果主義賃金が導入されたら職場の民主主義や企業としての社会的責任がなくなってしまうことが報告され、とくに昨年度は7200億円の経常利益、8兆円にも及ぶ内部留保をため込んだNTTを社会的に追求していくことの報告がありました。公務の職場から、大阪府に導入されている人事評価制度の問題についての報告があり、大阪府自体も政府がすすめる「公務員制度改革」を注視し、それに基づいて自らの機関も改悪を進めようとしているとの報告がありました。
報告・訴えの最後として、全教で取り組んだ春闘アンケートに教職員の雇用不安が50%もあるという報告がありました。「不適格教員」問題を受けて、公務員にも雇用の心配が増大しているという報告ののち、金融業界で不当な解雇とたたかう「不動信金従組からの支援する会への入会」の訴えも行いました。
そして、宣伝行動や懇談会の取り組みを大きく広げ、政党も含めて多くの国民へ公務員制度改革の本質を宣伝していくことなどを行動提起として確認しました。
最後は、大阪労連植田事務局長の団結がんばろうで本集会を終えました。
なお、国公近ブロ・大阪国公書記局で4月末以降の独自の取り組みにおいて署名を631筆集約し、18日に速達で国公労連へ郵送しました。また、メーデーや各種行動で取り組んだもの以外に、全国一般やJMIUなど民間の仲間などから300筆を越える署名用紙が届きました。
(国公近畿ブロック事務局長・伊藤英敏メール通信員発)
以上
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