2001年6月26日《No.27》
「大枠」に基づく「基本設計」には反対、
労使の直接交渉・協議のルールづくりを要求
「基本設計」に向け政府・行革推進事務局と交渉

 国公労連は、本日夕、政府・行革推進事務局と交渉を行いました。交渉は、6月中の「基本設計」にむけた検討が最終局面にあることから、これまでの交渉経過や状況の推移をふまえ、今次の「公務員制度改革」に対する国公労連としての主張を行うとともに、「基本設計」後の「交渉の場」の確約を迫るものとなりました。
 交渉には、堀口委員長、小田川書記長、黒田書記次長ほか闘争本部事務局メンバーが参加。推進事務局からは西村事務局長ほか5名が対応しました。

 交渉冒頭、堀口委員長は以下のように主張。現段階での事務局の見解を求めました。
 ○ 今回の改革は、抜本的改革と言いつついわゆる「政官財」癒着の構造とされる「天下り」やキャリア特権制度を温存する一方、信賞必罰の人事管理という公務員制度の民間化に重点を置くもので、現場の公務員の期待からみれば「逆立ち」の改革と言わざるを得ない。また、各省の人事管理権を強化する一方、労働基本権の問題が先送りされている。さらには、これまで当該する労働組合との事前協議もなしに物事が進み、今日に至るもこれまでの国公労連の申し入れ等に納得できる説明がなされていない。このようなことから、国公労連としては「大枠」に基づく「基本設計」には反対である。
 ○ 示されている検討案では、中央人事行政機関のあり方、それとの関連で労働基本権にかかわる内容が欠落しているが、今日段階ではどうなっているのか。また、ILOでの政府見解は、閣議決定や「大枠」は今後の労使の交渉・協議を制約しない、そして「基本設計」後も職員団体と誠実に交渉・協議するということだが、この考えは推進事務局も同様の立場と考えていいのか。その場合、「基本設計」にむけたスケジュール、そしてその性格を含め見解を求める。

 これらの主張に対し、西村事務局長は概ね次のように回答しました。
 ● 国公労連の考えは前から聞いている。私どもはそういう趣旨ではない改革が必要との観点から検討している。「大枠」を調整する機能から方針として出し、各省の意見を聞いている。「基本設計」については、29日には推進本部決定としたいとして努力している。推進本部は各省大臣で構成されていることから、大臣の承認を得ることで検討課題を含め政府の方針として、整理したものとしてまとめたいと考えている。
 ● ILOでの政府見解については、事務局も同じ考えである。とりあえず29日を目指し努力している。その後は、その具体化に向け、各省、組合とも協議するし、国民の意見も広く聞きたい。
 ● 「基本設計」については、29日までに整理できるものを示すものである。中央人事行政機関や労働基本権の問題についても努力はしている。

 以上の回答を受け小田川書記長は、「(1)29日の「基本設計」は政府の基本認識として本部がとりまとめたものとするならば、ILOで政府が表明した見解の立場からも、労働組合と使用者としての政府との関係でいえば「基本設計」は使用者としての政府からの提案であり、その後の交渉の当事者は推進事務局と国公労連との間で引き続くものと理解する。(2)12月中にも公務員制度改革の大綱としてまとめようとしていることは承知しているが、「大枠」等が今後の交渉を制約しないとすれば、「基本設計」を超えた交渉もあり得ることになり、協議と合意の努力が必要となる。(3)議論の場が必要となれば、交渉・協議の進め方等を含めたルールが必要となる。そのための議論を進める必要がある」などと主張。

 この小田川書記長の主張に対し、西村事務局長は「引き続き事務局が具体化の作業を進める。その任務とかかわることについては当事者となる。できるだけ組合との合意を得るのが望ましいと考える。12月をひとつの目標として努力したい、その間に組合との協議の努力をする。見切りとまでは今から言えないが、区切りとして理解をお願いしたい。今までも話し合いはしてきた、今後も変わらない」と回答しました。

 最後に、堀口委員長は「ILOの場での国際的公約である誠実に交渉・協議の重みは大きい。改革にあたっては、現場を支えている公務員の意見を踏まえた協議が必要である。はじめにスケジュールありきではなく、合意と納得が重要である。いろいろ立場や意見の違いもあるが、要求政策をとりまとめ意見をぶつけたい。誠意ある対応を求める」と発言し交渉を終えました。

以上


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