6月29日、会期末の終盤国会で、国公労連が提出した19万筆の「国民のための公務員制度確立を求める請願署名」の取り扱いをめぐる攻防が行われました。
○衆議院では
衆議院では、共産党が「請願件名を変えずに内閣委員会で審議すべきだ」と主張しました。このため、請願課では取り扱いが一時「預かり」になっていましたが、署名の請願項目と前文に「内閣官房における公務員制度改革〜」という文言を付け加え、21日から22日にかけて全紹介議員の訂正印をもらい、正式な受理がなされました。
取り扱いが協議された、衆院内閣委員会の理事懇談会では、自民党が他に付託された8件の請願も含め「全部保留(審査しないという意味)にしたい」と主張しました。民主党は「全部保留で異議なし」、社民党は「賛成する請願もあるが、全部保留でやむなし」、共産党は「公務員制度確立の請願は採択すべき」とそれぞれ主張しました。
与党側は「公務員制度改革は現在政府部内で検討中」という理由を持ち出し、結論を出させない対応をしました。共産党を除く野党は「自民党が保留というなら保留もやむない」という態度をとり、慣例で採択は全会一致のため、審査未了扱い(いわゆる廃案のようなもの)となりました。
○参議院では
参議院では、総務委員会に「防衛庁の省への昇格に関する請願」と同時に付託されました。委員会理事懇談会の協議の席で、自民党は「公務員制度確立は反対、防衛省への昇格は賛成」、共産党は「公務員制度確立は賛成、防衛省への昇格は反対」との態度を表明したところ、請願採択は全会一致が慣例となっているため、他党は態度を表明ぜず、まともな審議もされないまま保留扱い(次の国会へは送らない)となりました。
○紹介議員は最終で133名に
紹介議員は、衆議院74名、参議院59名、合計133名となりました。6月22日の国公労連の要請で、145名から紹介議員になる約束をとりつけていましたが、最終的には12名減少しました。原因は、「間に合わなかった」「与党の圧力」などが考えられますが、最終的な政党別の紹介議員は以下のとおりです。
国会請願政党別紹介議員数一覧表
|
衆 議 院 |
参 議 院 |
合 計 |
議員数 |
紹介議員数 |
率 |
議員数 |
紹介議員数 |
率 |
共 産 党 |
20 |
20 |
100.0% |
23 |
23 |
100.0% |
43 |
社 民 党 |
19 |
11 |
57.9% |
12 |
10 |
83.3% |
21 |
民 主 党 |
125 |
40 |
32.0% |
54 |
17 |
31.5% |
57 |
自 由 党 |
22 |
1 |
4.5% |
5 |
1 |
20.0% |
2 |
自 民 党 |
239 |
0 |
0.0% |
107 |
2 |
1.9% |
2 |
公 明 党 |
31 |
0 |
0.0% |
23 |
2 |
8.7% |
2 |
保 守 党 |
7 |
0 |
0.0% |
6 |
0 |
0.0% |
0 |
諸派無所属 |
17 |
2 |
11.8% |
22 |
4 |
18.2% |
6 |
合 計 |
480 |
74 |
15.4% |
252 |
59 |
23.4% |
133 |
|
以上
|