2001年7月26日《No.33》
政府・行革推進事務局と交渉実施
「基本設計」全体が協議の対象
本格交渉は体制が整う9月以降

 国公労連は、本日11時、政府・行革推進事務局との交渉を行いました。交渉は、6月29日に政府・行革推進本部が「基本設計」を決定した以降初めてのもので、今後の「交渉・協議」にあたって、その対象となる課題等の正式提案、「交渉ルール」などの確認を求めることを中心課題として行われました。
 交渉には、国公労連は堀口委員長、小田川書記長ほか2名が参加。事務局側は、春田室長ほか高原、堀江両参事官ほかが対応しました。

 冒頭、堀口委員長は、「『基本設計』後はぼ1カ月が経過した。ILOにおける公約に沿い、今後労働組合、職員団体との誠実な交渉をどう進めるのか。6月26日の交渉の際、交渉課題、進め方、スケジュール、合意と納得の取り方等検討の上、正式に提案する必要があると我々は主張してきた。その後の検討はどうなっているのか」と発言し、その後の事務局の検討状況をただしました。

 これに対し、春田室長は「本部で了解された『基本設計』に沿って具体的制度化に向け検討を進める。検討の進捗に応じ皆さんとは相談することとなる。もちろんILOで発言したとおり誠意をもって交渉・協議する。なお、『基本設計』でもふれているが、現在事務局の検討体制の強化を図っており、それが整った後12月に向け検討が本格化することとなる。8月にならないと事務局の人数がそろわないので、9月に実際の相談となる」と現段階の検討状況について回答しました。

 この回答を受け、以下概略次のようなやり取りが行われました。
 【国公労連】 体制は政府としての対応の問題で、12月の「大綱」の出口が先にありきは極めて問題である。協議すべき事項の提示があって初めて協議が始まる。課題がいくつもあり、それが整理されないまま9月から協議では納得できない。
 【事務局】 「基本設計」において政府としての検討の骨格と課題を示した。これをベースに12月に向かって作業を進める。「基本設計」に示した課題をこれからどうこなすか話をしていきたい。また、どういう形で相談するか意見交換した上で決めていきたい。9月まで何もしないわけではない。職員団体との相談の体制についても我々としてキチンとした体制をとりたい。そのため9月以降となるということだ。
 【国公労連】 誠意をもった協議に入るための体制整備であることを確認する。であれば、政府使用者として正式に提案し、協議に入るのが労使関係の入り口である。「基本設計」が政府としての正式提案となるのか。
 【事務局】 「基本設計」は、内閣官房の立場で政府の共通認識として固めた。内閣官房の機能として調整していくこととなる。その関係で組合との交渉・協議となる。事務局が交渉の場に立つ。内閣官房として政府の改革の中味をどうまとめるか責任をもって対応していく。
 【国公労連】 当事者についてはわかった。「基本設計」全体が交渉の対象となり、「基本設計」をもとにして議論を始めるということで、本日正式な提案があったということで確認したい。また、9月以降に向け、今日を契機に課題整理等を国公労連と進めることを確認したい。なお、「基本設計」には労働条件決定システムを大きく変更する内容が含まれている。しかし、労働基本権の問題が当然必要となるにもかかわらず、それが先送りとなっている。それは許されないことである。基本権を検討課題として早急に議論する場を設けるべきである。
 【事務局】 前段については、その理解で構わない。基本権については、制度検討と併行して考える。先送りを意識的にしていることはない。制度の中身の検討が進まないと具体的な話はむずかしいということだ。中心的な課題の検討を進め、基本権の問題もキチンと結論を出したいと考えている。
 【国公労連】 改革にあたっては、国民的批判のある天下り問題やキャリア制度の問題もある。労働基本権の問題は最大のキーポイントである。このことを抜きにした検討は画竜点睛を欠く。キチンとした対応を求める。また、政治的スケジュールが先にあり、そのための帳尻合わせは許されない。歴史的改革であればあるほど当該労働組合との合意と納得が必要で、これが近代的労使関係の基本である。
 【事務局】 はじめにスケジュールありきではない。平成17年度までの集中改革期間の中でどう進めるかを考えていくこととなる。12月まで何が何でもというわけではない。

 最後に堀口委員長は「公務員制度改革について、改善すべきもの、守らなければならないもの、それらについて我々なりに哲学をもっている。双方の信頼にもとづく協議が必要だ。9月からの本格議論を大いにやっていきたい」と発言し、交渉を終えました。

以上


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