2001年9月12日《No.35》
政府・行革推進事務局と交渉
「大綱」に向けた交渉ルール、議題、
スケジュールについて追及

 国公労連は、本日午前、政府・行革推進事務局公務員制度等改革推進室長と交渉を行いました。交渉は、前回7月26日の交渉で、「事務局体制の整備をまって国公労連と交渉・協議」とし、9月1日付で関係府省等からの人員補充も行われ体制が整ったことを受けて、「基本設計」がしめした12月の「公務員制度改革の大綱」に向けた交渉議題、スケジュールなどの確認を迫るものとなりました。
 交渉には、堀口委員長、小田川書記長、岸田書記次長ほか闘争本部事務局メンバーが参加。推進事務局からは春田室長ほか4名が対応しました。

 交渉冒頭、堀口委員長は「前回7月26日の交渉で、(1)交渉・協議のための体制の整備を図る。(2)『基本設計』が労働組合への正式提案。(3)スケジュールありきではない。(4)労働基本権は先送りするものではないなど大きく4つのことを確認した。これらを踏まえ、どのような体制をとったのか、今後のスケジュールや議題整理などの検討はどうなったのか、基本論をまず伺いたい」と事務局の検討結果を質しました。

 これに対して、春田室長は以下のように回答しました。

 ● 体制は9月1日付、実際には3日からの勤務で整えた。6月時点では、17名体制だったが、30名増やして47名の体制になった。一つは、公務員制度改革について、具体的内容を検討していく陣容は整った。各省及び組合と相談するという体制は今まで掛け持ちだったが、組合との窓口を整備する陣容もできた。
 これから、「基本設計」に基づいて詳細設計を進め「大綱」にまとめる。その「大綱」の中で、制度化の具体的内容や2005年までのスケジュールを明確にすることになる。私たちがいろいろな検討を進める上で、その過程についても段階に応じて内容を明らかにし、交渉・協議を進めていきたい。
 9月中に人事管理制度、能力等級や評価などを中心に新しい人事管理制度の中核部分について基本的考え方をまとめ、各省や国公労連に示し、それを交渉の出発点にしたいと今作業をしている。与党側、特に自民党の行革推進本部との関係もあるが、近々に出したい。

 ● 労働基本権の問題は、ことさら先送りするつもりはなく、人事管理制度の検討と同時に進めていきたい。より制度内容を具体的に詰める中で、どのように整理したら良いか考えていきたい。重要な問題なので具体的に詰めていく。しかし、まだ具体的にいつ頃までにとは決めていない。

 この回答を受けて、小田川書記長から以下の点について更に質しました。

 ○ 9月中に示すという「基本的な考え方」の性格について、「基本設計」が正式な提案であり、その骨格と検討課題を示すとしていることとの関係を明らかにしてもらいたい。

 ● 「基本設計」の内容を変えることは考えていない。「基本的な考え方」は、「基本設計」の骨格として、検討課題としてそれぞれ設計したものを、正に具体化する考え方となる。内容を差し替えるというようなものではない。

 ○ 「基本設計」の土俵の上で、我々と交渉・協議するものと理解するが、それもふまえた政府の提案が「基本設計」だと思う。この間何が能力給の物差しになり得るのかの話もした。その前提をふまえずに2カ月間の一方的な検討結果が押し付けられるのかという懸念は払拭できない。

 ● 「基本設計」も中身のイメージが分かりづらいという声もあるし、具体的にどういう肉付けをするのか、能力等級とか任用・給与など人事管理をどのようにするのか広い意味で表現しているので、基本構造的なものをと考えている。より具体的イメージを持ってもらうために、何かまとめてみたい。その具体的なイメージを持っているわけではないので、協議する上で参考になる、理解の助けになるものと思っている。

 ○ 人事行政に関わっては、任命権者としての各省の位置づけが重要だが、行革推進事務局とこれとの関係を明らかにしてほしい。

 ● 内閣官房に置かれている意味で、私どもが全体の改革を進める訳だが、各省が制度運用するときの権能は変わった訳ではない。我々は、ベースとなる制度の枠組みを改革する、制度の枠組みを検討するための組織と理解している。各省の機能を集約して、それに取って変わるようなものではない。任命権者の権能を変えるものではない。各省も自分たちの権能をどう発揮したらよいか、現在の制度はどこに矛盾があるのかなど意見を持っているので、各省とどういう制度にしたらよいか相談しながら作っていく。我々は制度作りの推進役として、その意味で皆さんともやっていく。どういう新しい制度を作ったら良いか、各省とどうしたら良いか十分相談しながらやっていく。

 ○ 我々も、(1)人事管理システム、(2)労働基本権、(3)勤務時間などの働くルール、(4)退職管理の4つの検討プロジェクトを設置し、事務局との交渉対応をはかることとしている。いずれの課題も関連する課題だが、労働基本権は重要である。並行して議論していきたい。労働基本権については、10月末までに一定の結論が出せるよう、集中した論議を求めたい。

 ● 正に、そこのところをどう考えるのかだ。10月末までに示してほしいということだが、労働基本権は人事管理制度を考えていく際に同時に詰めていくべきと考えている。置き去りにして検討を進めるものではない。人事管理制度の中身も詰めながら基本権も詰めていく。単純に左だ右だではない。それだけの手順を積み、与党サイドの関心も強いので、そちらの理解も得ながら、人事管理と・労働基本権の両方が相まったようにしていきたい。10月末までという期限については、簡単にはいかない。先延ばしする気はないが、10月末までというのは相当難しいと思う。この場で安易なことは申し上げられない。

 ○ 10月末とは、12月の「大綱」をいうからだ。代償措置が十分に働いていないので、交渉・協議がその役割を果たすとの位置づけで内容に関わってできる限り議論して行きたい。。その上で、合意を目指す努力をどう積み重ねるかが重要だ。時期とか結論ありきではない対応を求める。課題や整理すべきものが残っているので、今月中に一定の議論ができるよう整理してほしい。

 ● 組合の皆さんと十分話をしてどういう内容にするか調整が必要だと思っている。働いている皆さんの立場は重要だと考えているので、固めたものでなく、段階的に協議を進めていきたい。早めに相談できるものは、カチッとしたものでなくても、皆さんに相談してから、整理しながら進めていきたい。いろんなテーマを有機的に結びつけて議論できるように努めていきたい。

 最後に、堀口委員長から「我々も重大な決意を持っている。公務員制度改革に際しては、合意と納得を得ながら進めていくべきだ」と改めて強調し交渉を終えました。

以上


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