2001年12月19日《No.76》
労働基本権を制約したままの「大綱原案」を正式提示
大綱決定を断念し、交渉協議をつくせ!
 国公労連は、本日12月19日13時30分から、推進事務局交渉を行い、「公務員制度改革の大綱原案」の提示を受けました。
 春田行革推進事務局公務員制度室長は、「懸案になっていた労働基本権について、現状の制約を維持することを固めた。これは、政府部内でも検討したが、与党3党とも良い一致した結論だ」「新しい公務員制度でも労働基本権制約を維持することが固まったので、それを受けた大綱原案を提示する」「労働組合の意見も聞いて全体を取りまとめたい」としました。
 また、労働基本権制約維持の結論にいたった経緯について、「できるだけ早く結論を出すよう努力してきたが、結果的に今日までずれ込んだことは申し訳ない。新たな制度で、勤務条件にかかわる事項をどう整理できるか、各省、内閣、第3者機関相互の機能整理もふくめて検討してきた。関係方面との協議も経て結論にいたったが、新人事制度のつまり具合もあり書き込めるものは最大限書き込んだ」「制約を前提に、各制度で必要な措置は盛りこんでいる」「制約のもとでも職員の処遇は確保できる」などと述べました。
 これに対して、国公労連は、「労働基本権については、与党との密室協議の結果を書き込んだだけで、国公労連の申し入れ等はまともに検討していない」とし、人事院が関与する勤務条件事項の中味は何か、勤務条件の基準への人事院の関与の具体的な内容は何か、各省が定める職務遂行基準への人事院、労働組合の関与は、給与にかかわる勧告の内容は、業績手当の分布率の各省設定と労働基本権とのかかわりは、などこの間労働基本権との関係で明らかにするよう求めてきた点での検討結果を質しました。これに対し、「人事院が関与する勤務条件関連事項の代表例として給与勧告、人員枠設定などを列記。個別制度毎の詳細はこれから検討」「給与配分まで代償措置ととらえた検討はしていない」「給与勧告やそれをふまえた人事院の関与の内容まで詰め切っていない」などとする曖昧な回答をくり返しました。
 また、「大綱原案」にも盛りこまれた「本省勤務手当の新設」など労働条件変更にかかわる事項を政府が一方的決定すべきでない、とする主張に対し、公務部内の配分問題としての検討や制度の内容は全く検討していないことも明らかにしました。
 国公労連は、これらのやりとりをふまえ、「この間の交渉協議が全く反映していない」「大綱決定直前になって議論をしていないものを盛りこむなど、進め方が乱暴で不誠実」と指摘し、「25日の大綱決定は断念し、協議をつくす立場での『しきり直し』」を強く主張し、検討の上回答するよう迫りました。
 推進事務局は、「提案が遅れたことはお詫びするが、25日の大綱決定はけじめとしてやらしてもらいたい」と固執したため、「『見切り発車しない』としてきた交渉経過にもとる」「要求、申し入れに対する回答もせずに、交渉をうち切るのか」などと重ねて追求しました。これを受け、推進事務局は「要求の趣旨をふまえて検討する」と回答。本日の交渉を終えました。(※交渉の詳細は別途闘争NEWSに掲載します)

以上


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