2002年5月7日《No.93》
推進事務局が国公労連主催シンポへの出席を拒否
 国公労連は、4月26日、行革推進事務局に対して、公務員制度改革課題でのシンポジウムへの担当者の派遣を要請しました。
 ムネオ疑惑などで、政と官との関係があらためて国民的関心となっているこの時期、進められている公務員制度改革が、国民的批判にこたえるものか否かを討論することは重要です。すでに、「公務員制度改革大綱」が閣議決定されていることを考えれば、その具体化作業を進めている推進事務局には、国公労働者はもとより広く国民にも「大綱」内容を説明する責任があるはずです。そのことから、開催準備をすすめている5月31日のシンポジウムでのパネリスト派遣を求めたものです(別添要請書参照)。
 しかし、推進事務局は「政と官との関係については政治的な関心も強い」、「様々な論議があり、この時期官僚が発言することでいらぬ論議をわきおこす可能性がある」、「自民党からも過日ヒアリングの申し入れがあったが、内閣官房としての判断で出席を断った経過がある」、「『大綱』の枠内といっても、それらの経緯からして慎重にならざるを得ない」などとして、出席を拒否してきました。


★「政官ゆ着根絶」など国民的批判に応える改革になっているか、開かれた場での討論が求められているのに…
 今回の公務員制度改革が、一部の政治家と官僚の「密室の論議」で進められてきたことは、周知のところです。閣議決定後も、既成事実の積み重ねを最重視し、労働組合などとの開かれた交渉・協議を忌避している姿勢が伺えなくもありません。そのような状況を打開する意味でも、国公労連の要請には大義があると思います。
 天下りの自由化やキャリア特権制度の合法化など、政官癒着をさらに深刻にし、民主化に逆行する改革内容が、「大綱」には含まれていることから、口実はともかく、開かれた場での討論を忌避する姿勢を推進事務局がとったものとも考えられます。そのことは、「公務員制度改革大綱」の弱点をはからずも露呈したものと言えなくもありません。


〈※別添・要請書〉
2002年4月26日
行革推進事務局長 
西村正紀 殿
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 小田川義和
シンポジウムにおけるパネリスト派遣のお願い
 前略
 外務省におけるいくつかの疑惑などともかかわって、政治家と公務員の関係があらためて問われています。そのことは、貴事務局で検討作業が進められている公務員制度改革とも直接的な関係のある課題だと考えます。
 国公労連は、公務員制度改革について、多くの意見を持っていますが、とりわけ公務員制度の民主的改革については、公務員労働者の労働条件と働きがいにかかわる課題と受けとめ、重大な関心を寄せ、いくつかの改革提言もおこなっているところです。
 そのような立場から、下記内容でのシンポジウムを開催し、公務員制度改革についての国公労連の主張を検証し、国民的な関心を高める一助になることをめざしたいと考えています。先に決定されている「公務員制度改革大綱」でも公務員の中立・公正性の確保は重要な課題であったと承知します。そこで、貴事務局の担当者を派遣いただき、「大綱」をもとにした発言をいただければ幸いに存じます。突然の要請で恐縮ですが、すでに1月段階で申し入れていますように、行政のあり方とかかわる公務員制度改革は、専門家をはじめ、幅広い方々のご意見いただき、関係者が「有益な議論」を深めていくことが重要だと考えます。その点もご理解いただき、ご高配いただきますよう重ねて要請します。

1 開催予定日時 2002年5月31日(金)14時から
         (※集会そのものは13時から開催する予定です)
2 開催予定場所 東京都内
3 パネルディスカッションで深めたい内容
 1)社会的な問題ともなっている「政と官」の関係について、適切な状態を保つためには公務員制度の改革が必要か
 2)改革が必要だとすれば、どのような点の改革が必要か
 3)その他関連する事項
4 予定するパネラー 3名(貴事務局以外に、マスコミ関係者、学者に出席を打診しています)
5 パネルディスカッションの進行 当連合会の役員が担当する予定です。

以  上



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