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行政改革推進事務局は6月25日、「行政職に関する新人事制度の原案(2次)」の説明会を行いました。説明会は原案や大綱からの主な変更内容を中心に行われました。 説明会には、国公労連闘争本部賃金評価プロジェクト、労働基本権プロジェクト10名が参加、事務局側は、森永企画官、谷内企画官等が対応しました。 以下、2次原案のページ数にもとづいた説明の概要です。 (新人事制度の主旨 P1) 新人事制度の主旨のところは、原案に書いたことを簡単に要約したもの。 (2次原案の位置づけ P1) 昨年11月、大綱の前に「行政職に関する新人事制度の原案」を示し、各府省から意見も頂いた。その中の合意できた最小限を閣議決定した。原案にあって大綱に載らなかったものは、合意にいたらなかったもの。この間、積み残した課題を検討してきた。 原案は行政職に関するもので、他職種などの検討を所管省庁で行ってもらっているが、検討を進めるに当たって大綱に肉付けしたものをある程度示しておかないと検討が進められないだろうから、今回2次原案を作った。大綱以外の部分は、事務局の責任で書いたもので、これからブラッシュアップしていくものであり、変更もあり得る。 03年度中に国公法改正を行うようになっており、行政職以外の他職種はこれで良いのか、特別法で別途措置しないといけないのか決めないと国公法の改正ができない。そのためにも、検討する際のある程度の土台がないと所管省庁との協議もできない。 5月に各省庁からヒヤリングを行った。他職種についても各府省から実態をヒヤリングして、関係の深い省庁とどうしたら良いか協議している。ヒヤリングの中で、この新人事制度は絶対にダメだと言ったところはなかった。それは、この案の検討が進んでいないということもあると思う。あらかじめ定められた基準を誰がどう決めるのかとか人員枠などの中身が決まっていないので意見を保留したという感じが大まかな全省庁の意見だった。 2次原案についても、できるだけ詰めたかったが、能力の無さと調整の困難さで、ここまでしかできなかった。 もう既に、何箇所か直すところあるが、もう少し各省の意見や他職種の検討結果も踏まえて変更しようと考えている。 労働組合や職員の納得しないと新人事制度も進まないと思っている。だから真摯に労働組合とも対応したいと思っている。 (能力等級制度 P2) 原案では9等級で示しているが、8等級に変更している。職務、職位との関係や地方出先機関との関係も精査して8級で良いのではとなった。制度全体として簡素で大括りの制度にしたいので、等級も8にした。ただ、まだイメージなので、法律で書くのか規則なのかはこれからでありこれで確定ではない。 我々はこれでいけると思っているが、個別にできるかどうかは、今、各省に点検するようにお願いしていて、いくつかは検討結果も頂いていて、それらを8等級制で飲み込めるのか現在検討している。 (組織区分 P3) 組織区分ではA、B、C、Dと振って機関名にしていない。府県単位しかないからCだとか、地方出先だからDとか単純にはしない。業務内容、組織体制の実態をみて格付け したい。 (基本職位 P5) 基本職位についても重複分類の考えを取り入れている。地方の課長とか管区の補佐とか1つの等級に納まりきれない、職責によって幅を持っている。そういったものは分類上、一定の職位も認めようと重複分類(P11)を認めた。 (人員枠 P9) 人員枠については、大綱前に考え方(人件費予算の決定の枠組みについて)を示した。今回は、現在時点で書きうる最大限を書いたが、これで級別定数の関係がクリアーになったとか、予算と人員がはっきりしたとかにはなっていない。労働組合がどこで意見を言ったらよいのかも、今の段階でははっきり言えない。これが能力等級制度の中心で大きなカギになることは分かっているが、これ以上は書けなかった。 (昇格 P10) 昇格・降格のところは、原案より書き込んでいる。誰を昇格させるかは、職務遂行能力が優れた人、また実績でどうだったか、候補者を決めるまでは評価制度でやって、その候補者の中から総合判断して誰がよいか決めていただく。 (異動 P10) 能力等級表を異にする異動については、他職種間の異動はそんなにないが、研究職と行政職などいくつかあるので書き込んだ。降格の基準は、別途「免職・降格の基準・手続」で支えられているので、能力等級表を異にする異動についても一定のルール設定が必要と書いた。研究職と行政職のように、1対1の等級設定は難しいので、一定検討する必要があると書き込んだ。 (重複分類 P11) 基本職位で説明したように、職務分類は重複分類を設定したことで、各府省は一定の当てはめができるのではないかと考えている。 (任用制度の概要 P13) 任用の概要については、任用と能力等級との関係についてもう一度キチンと整理した。基本的には、大綱のときに示したものと同じものだ。現在は、職務分類を基礎に、ポストの上下を整理し、上のポストは競争試験か選考により、横のポストは各省自由に、下のポストは基準に合致してということから、昇任、降任、転任の概念も定まっている。 今回は、能力等級を基準に、そのポストにどれくらいの能力がいるかに応じて職員を能力等級に格付けして、それに対応する基本職位にある職に配置される。ポストが上か下かをいちいち評価せず、能力評価と昇任・降任を基本に個々の配置が決まる。発令は全て配置で済ませてはどうか。 (特例的な任用 P14) 特別的な任用は、原案の「特例的昇任等(P6)」にいくつかの修正を掛けている。1つは、上位の基本職位に分類される職務への特例的な任用に、C(本府省幹部候補職員)を追加した。現在でも、幹部育成上、能力以上のポストに配置するなどの人事運用が行っているので、各省から入れてほしいとの要望があった。 イの下位の基本職位に分類される職務への特別的な任用は、原案では厳格にしていたが、職位の重複分類を認めたことで職務に幅ができ、下位の職位に分類せざるを得ないということもあるので、Cを削除した。 (発令内容 P15) 大綱では、基本職位を上下することを昇任・降任としたが、余り厳格にしても関係ないので、今回、用語として昇任・降任を用いる必要はないとした。各府省の発令用語で昇任とした方がインセンティブが上がるならばそういう用語を使ってもよいですよとした。 また、今回、一定の職務を複数の基本職位に重複分類できるようにしたので、原案で提案した基本職位の細分化を認めその基本職位に従って職務を再分類・整理することは廃止した。 (管理職等の厳正な登用審査 P15) 原案どおり。 (公募制 P16) 原案どおりであるが、主旨のところだけを書いた。 (免職・降格の基準・手続 P17) 大綱では、手続きを明確にするとだけ書いたが、その具体的中身を書いている。現行の基準・規則を意識しながら、できるだけ具体的に書いた。誰でも免職してよいというものではない。本当に寝ているような人がいる、管理職はどんどん替わるのでその人のことがよくわからないということもあり、なかなか指導できないというようなことがある。そのような人には、先ず働いてもらう、それでもダメなら辞めてもらう。そうすることが国民への説明責任も果たせる。 各府省にも免職・降格の手続きをどうしたらよいか教えてほしいとお願いしている。これはタタキ台に近いものと思っている。 (免職の基準 P17) 免職についての基準は、国公法第78条では「一 勤務実績がよくない場合。二 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えられない場合。三 その他その官職に必要な適格性を欠く場合。四 官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」となっている。大体、1号及び3号を適用しているし、裁判でも本当に1号だけで本人の意に反する免職ができるのかもあるので、1号及び3号を適用している。失踪については3号を適用しているが、それが本当に適格性に該当するのかということがあり、これは別に規定して、適格性欠如は公務員としての資質がないものと規定した。 (免職の手続 P17) 現行の勤務評定ではなかなか昇進に関わる評価が困難であった。今回の評価制度を基本に免職手続きに乗せられないか検討している。能力と業績のうち、その等級の能力を検証するとしても、それだけでは免職の判断は困難である。しかし、能力評価によって、ある人に6等級の能力はないとなると5等級に降格させることになるが、さらに1等級ではどうかかとか、行(二)でもいいのではとか、なかなか免職に至らない。そこで、評価は勤務成績不良かどうかの洗い出しの基準として使う。その上で、例えば2年連続して降格した場合は問題あるケースであり、また、3年連続して能力評価が悪い人、同じように業績評価が3年連続悪い人に対して矯正措置を講ずるとした。当局にも考えてもらい、本人にも厳重注意処分の必要な措置を与え、6カ月ぐらい様子を見てダメだったら免職という手続きに載せてはどうか。 各府省もルールを決めてもらった方がやりやすいという意見だった。しかし、2年なのか3年なのかは判断できないということだった。2年なのか3年なのかは、我々も絶対これだというものでも、確定的なものでもない。組合の意見も聞かせてもらって、妥当な線を固めていきたい。 また、評価に載らないケースでも、明らかに分限免職せざるを得ないもの(適格性欠如)もある。例えばサラ金問題を抱えて勤務が浮ついているとか、公務外の非行などについて証拠を揃えて処分する場合がそうだ。 3号の心身の故障についてはこれまでどおり医師の判断は維持する。精神疾患系のケースなど2通の診断書がなかなか揃わず免職に至らず困るケースもある。医者に診断書を出さないように頼んで、免職を免れるケースだってある。そこで今回、手続きの一環として厳重な判断と職員の保護の両面から「指定する医療機関での受診を命ずることができる」規程を設け、これに従わない場合は権利放棄とみなして免職できるようにしてはどうか。 長期の病休後の復職についても、どれくらい空けば復職できないのかの基準を決めてほしいという意見もあったが、今後の検討課題となっている。 (降格の基準・手続 P17) 降格は単純で、能力評価で能力がないとなれば単純に降格させる。しかし、能力評価は上司と部下の関係で評価するので、上司にも変な人もいなくもないし、100%キッチリと評価できるのかもあるので、苦情処理(不服申立で公正性を確保)の方法もある。一回の評価でいきなり降格にせず、3カ月間頑張ってもらった後に特別の能力評価によって再評価を行い、それでもやっぱりダメだったら降格する。つまり、評価は1回でなく2回やることにしてはどうか。 確信的な訳でもなく、能力評価制度もまだないが、これで何とかいけるのではないかと提案したものだ。100%の自信があるものでもない。虚心に耳を傾けるので、これはという案があれば聞かせてほしい。3カ月の根拠はと言われると、能力評価は1年後であり、免職は6カ月で再評価するので、その半分を取って3カ月とした。そんな根拠で良いのかと言われると、3カ月ではなく4カ月にしろと言われると反論できるものはない。 (新給与制度 P19) 新給与制度は、他の部分と比べると詰め方が低い。国公法の改正を考えると、その中心は身分制度と公務員制度であって、そこは早いスピードで詰める必要があるが、給与は給与法でやればよいので、先ずは国公法改正に必要なところを急いで詰めた。 特徴的には、水準の方向性を新しく示している。また、加算を原則年1回ということを新しく示している。業績評価は年1回全職員同時期にやるが、評価後に加算時期があんまり開くのもおかしいし、評価時期が府省によって特定しないので、年1回という表現にとどめた。 (評価制度 P33) 評価制度は、能力等級制度の中心的なカギになるので、やや細かく詰めている。 評価結果のフィードバック(P35)の範囲を全部ではなく、必要な範囲とした。全部フィードバックするとかなり人間関係に悪影響を与えることもあり、必要な範囲とした。苦情処理(P38)も定義した。 評価の試行は、これらをさらに詰めた、もっとマニュアル的なものを示さないと試行できない。現在これらを詰める作業を行っている。 (組織目標・行動規準 P40) 組織目標・行動規準では、先ずその規準や内容を設定している。元々、自分のところの仕事が何を基準に動いているのか知らないことには業績評価もできない。本質的にはJOB管理の側面が強いところであり、できるだけ評価に資するために書き込んだ。この辺は、能力等級の制度のサブ的なシステムである。 (人材育成 P43) 人材育成については、人事管理権者が人材育成計画を行うことという考え方を書いているが、これまで、各府省や労働組合の意見は、任用や給与に集中した。我々は、今回の改革で人材育成に力を入れてきたが、各府省からは人材育成が負担になるようなことは困るということで、この程度になっている。 (本府省幹部候補職員集中育成制度 P45) 大綱では、本府省幹部候補職員を計画的に育成する仕組みを作るとしか書かなかったが、今回どうやっていくかをできるだけ書いた。先ず、能力評価をキチンとやりましょうと、そして適性審査も行ってダメな人はどんどん外していきましょうとしている。決して緩い評価ではない。 また、中途編入(P47)についても、具体的にこうやりましょうと書いている。 (上級幹部職員の新人事制度 P48) 上級幹部職員についても、ある程度詳しく書いた。指定職の範囲は引き継ぐが、給与は、大臣等々を直接補佐して、部下職員を管理・監督するということで、能力等級制度でシステマチックにやるのではなく、大臣がキチンと人事管理するんですよと(2)でその範囲の考え方を示した。 基本職位は、みんな同じということではなく、4つの基本職位でどうかと決めた。 任用は、適材適所で配置することを基本にして、最上級の能力等級の中で特に優秀な人が上級幹部職員に昇任していく。能力評価だけでなく、一定の適格性がいるだろうと資格基準も定める。外部からの採用もあるので、情実の排除から人事院の一定のチェックもするようにした。 (免職・降任の基準・手続 P49) 上級幹部職員は、基本的に能力・業績評価を行わないが、数も少ないので大臣がしっかり観ていれば分かるはずだ。大臣が直接判断してもらうのに相応しい手続きにした。 各府省からは、免職・降格の理屈は分かるが、勧奨退職していくのでそこまでは勘弁してよという感じだった。 (給与 P49) 上級幹部職員の給与については、年俸制のやり方を示した。基本年俸の固定額があって、職責加算年俸が加算されて年俸が決まる。昨年は重要な法律があったので頑張ってもったが、今年はそれも終わったので加算は下げるというように、毎年毎年、大臣とやってもらうようにした。その時々の政策課題で上がることもあるし、下がることもあるということだ。現在の指定職も、業績が悪いときに一時金を下げることもあるので、新たな年俸制でも途中で明らかに勤務成績が悪いときは減額もある。 (救済制度等 P52) 救済制度は、書き始めたばかりであり余り詰まっていないが、人事院がキチンとやるんですよと位置づけている。 ◇◆ 質疑応答 ◆◇ <円滑な移行> ○ 能力等級制で、基本職位や組織区分を考える場合に、先ず現状のことを考えたのか。 ● 現状に引っ張られるわけではないが、キチンと円滑に移行ができるように、また、改革の本質が損なわれないようにと考えた。理想を書けばもっといろいろあるが、制度移行ができなければ何にもならない。現実を無視してはできない。人事は生き物なので、制度は改革したが、職員にやる気がなくなれば何のための改革かということになる。能力を基本にして適材適所の人事配置を実現し、職員の計画的人材育成に努めなど、実現できる範囲で最大限どこまでかとやっている。 ○ 人員枠は大綱と2次原案は変わってきていると認識しているのか。 ● もっと深めたかったが深まりきれていない。 <任用> ○ 国公法との関係で任用を中心に深めていると思うが、任用の概念は変わるのか。 ● 職務は存在するし、ポストに人を就けるのは今後も変わらない。 ○ 能力の実証はどうするのか。 ● 空いたポストに仕事ができる人を就けるのは変わらないが、基礎的な資格として能力等級がある。その次ぎに、個々のポストに誰を就けるのか、そのポストに必要な能力の判断がある。 ○ 任用は能力等級への格付けになるというが、能力実証のプロセスであり、欠員補充ということではないのか。 ● 欠員補充ということではない。 ○ 能力実証に基づく格付けということか。 ● 今後、任用をどういう概念にするかで変わる。 ○ 一度任用されるとみだりに免職されないという身分保障との関わりはどうなるのか。 ● 今回も、みだりに免職はできない。配置換えは認められる範囲で自由にできる。降格はもっと基準を書きたい。身分は、能力が維持されることにより給与も処遇される。 ○ 評価が下げられてしまえばどうするのか。 ● 身分保障は、一定の法令に定める基準に該当しなければ、降格の基準がキチンと下支えしてくれる。一定の事由がなければ降格できなくなる。これまで、任命権者が自由にやってきたものを、これとこれとしかできないよと、降格基準で保障した。 ○ 降格は、能力評価ではないのか。 ● 能力評価でない限りは、みだりに下げられない。 ○ 評価結果によって等級を下げることは不利益処分にならないのか。 ● 今だって降任の基準(国公法78条)は一応定まっているし、降任処分はあるが、勤務評定がキチンとやられてないので余り行われてこなかった。評価の基準である勤務実績の不良がはっきりしていない。それはいったい何なのかが書かれていない。今回、基準を明確にすることで、これまで不当に降格されていたような人も、そうならないようになることもあると思う。 <本省優遇・条件付任用期間> ○ 2次原案は本省優遇が強くなっているのではないか。現行の制度が問題なのか運用が問題なのかキチンと検証しているのか。1種の特権人事の制度化ではないか。 ● 本省を優遇する意図はない。原案の本省勤務手当(仮称)のことで批判されているが、本省を優遇する考えはない。本省幹部候補職員集中育成制度は、大綱にも原案にも入っている。 制度なのか運用なのかは、キャリアシステムは運用であり、よろしくないという意見をあちこちから聞いているし、批判されているのは事実だ。ローテーションで指定職までいく省庁もある。 今回、集中育成課程に2、3種職員も入れ計画的に育成するのだとか、育成期間を補佐までとし、その後は実力でいくとか、相当書き込んだ。幹部候補職員集中育成制度を導入すること自体批判があるが、運用が悪いので直さないといけない。その場合、提言にとどめるのか、キチンと制度として直していくのか、のどちらかを選択するかだ。運用の問題だと逃げるようなことはしない。 ● 条件付任用期間は現実的には余り意味はない。一年ごとに能力評価を行うが、労働基準法でも条件付採用期間の概念があり、採用した者の中に全く不良者がゼロではないので、制度として残しておこうとなった。民間に試用期間があるのに、公務にないのはおかしいし、不良者認定もあるということを残す理由として書いた。両方とも国公法にあるし、確認的に残した。 <機関間格差> ○ 現在、標準職務表で地方出先が不当に低く扱われているのをどう改善するかが今回の改革だと思う。地方出先が、組織区分C若しくはDとしか格付けされていない。労働基準監督官は地方出先にいっぱいあるが、この人たちを評価するには本省に行くしかないという整理をしたのか。 ● ある程度、実質で格付けしようと表を展開している。今のところ、地方出先はC・Dとかで評価しているが、これで終わりということではないが、基準の明確性とバランスを考えるとこの辺でどうかと思うか。どの辺まで許すかは痛し痒しだが、地方出先はC、Dに位置づけるとかは書いていない。組織区分ABCとしか書いていない。なぜ書いていないのかだ。 ○ ラインについては仕事の上下が分かりやすいが、スタッフは地方にはあるが本省にはないという職もある。どう位置づけるのか。 ● そういう職が、Aに位置づけられることもなくはないと思うが、難しい。行政職では係長から専門職まで、どんなブリッジをしている職があるのかいろいろと検討したが、そんなに極端なものはなかった。基本職位をまたがるものはあるが、今回専門職のようなものは基本職位が重複するものもあるが、部下なしの補佐などが大半だ。方には書かず、具体的には格付けの中でやれるのではないかと思っている。そこの省庁しかない専門職を共通のルールに書くことはできない。公務での世界をみとる相場感がある。 <評価の試行・フィードバック> ○ 評価の試行に向けてマニュアル的なものを示すと言われたが、どの時点で出てくるのか。各省もそうだし我々も反対している中でスタートできるのか。能力評価と業績評価の2つを同時にやるのも大変だ。 評価に関するフィードバックを必要な範囲と書いているが、人間関係などで全部出せないことは確かにあるかもしれないが、人材育成のためには必要な範囲はあいまいであるし、フィードバックは苦情処理にもつながることになる。明確にすべきだ。 ● 今の時点で、評価の試行をどの範囲でやるかまでは打ち出せる状況にない。時間的なこともあって、できるだけ早くにということで仕上げた案だ。試行を強制的にやらせようとは考えていない。お願いスタンスだが、お宅の部局のどこかでお願いしますというような段階まで至っていない。能力評価なのか業績評価なのか、評価期間も1年間やるのか、3カ月やってみることも考えられる。試行という性格なので、必ずしも長い期間、例えば1年間やらないといけない訳ではないし、結果を反映させるにしても今の制度しかない中で給与に反映させられないし、そう簡単に運用できるとは思っていない。 評価のフィードバックについては、「ここが足りないよ」とキチンと言われないと部下も伸びないので、フィードバックは必要と書いたが、最終的な昇格候補者名までフィードバックするのは難しい。誰が候補に残ったのかまで分かれば、なぜ私は入らないのかという人もいる。それでは、課の中の人間関係が悪くなるので、全部フィードバックするのはマズイと、必要な範囲でとした。それを踏まえて試行の案を作るつもりだ。 ○ 本府省を対象に試行を行うのか。 ● 本省だけでやっても、国家公務員は地方勤務が大半なので、本省で旨くやれたといっても全体でできるものではない。しかるべきタイミングに地方の分に対する意見を聞きたい。組織区分B以下の職務遂行能力基準も現在作成している。試行は本府省だけという考えはない。 ○ 公務での具体的な業績評価の手法はどうなるのか。例えば、職安での職業紹介業務の業績評価はどうするのか評価手法は確立されていない。 ● 目標の立て方は、数字があれば好まし。できるだけ数値化をと考えてはいるが、全ては無理なので、できるだけ定性的なことで設定してもらい、期末に本人と上司と交えて項目毎に評価して、最後に5段階の総合評価にする。民間で行っていることと同じだ。それがどれだけ有効なのかはあるが、手法は確立している。それにどれだけ魂が入るかだ。 <人員枠> ○ 人員枠の関係について、「内閣が人件費予算と一体で設定する」と書いているが、一体とは、この等級は何人は何人、この等級は何人ということか。現在の級別定数は結構弾力的に運用しているがどうなるのか。 ● 現行は、予算定数と人事院が決めた級別定数が人事院指令で出ているが、概ね同じ数字になっているが、まだ議論があり、今のところ人員枠をどうするかは決まっていない。書いた時点の考え方は、能力等級毎の人員枠が予算決定される。予算要求するときに、何等級は何人と決定される。 ● 現在の級別定数は、予算を審議する際の議決対象ではない。今回は、一体ということで議決対象になるということだ。 ○ 現在は、暫定定数でやって実績を積んでから本定数に切り替えるとかやっているがどうなるのか。 ● 予算には流用などいろいろあって、会計単位間の異流用をどうするかなどは検討対象で、まだ決まっていない。現在に比べて職名別の異流用は大きくなるのではないか。 ○ その辺の運用は各府省に任されるのか。 ● 元々、現在の制度は級別定数が予算の外で決まっていて、たまたま予算と一致させているだけだ。級別定数と予算が別々の数字だってあり得る。しかし、予算と別々なのはいかがかということで合わせている。予算の前提として何級に何人いるかということが基礎になる。 ○ なぜ今回議決の対象にしたのか。東京都などでは議会が給与の削減を行ってきた、自由にできるようになるのではないかと心配だ。 ● 予算の元になるものが議会の議決名ならないのは如何なものかということだ。 <能力等級制度> ○ 能力等級のイメージは法律で規定するのか。 ● まだ決まっていない。 ○ 今のところ法律で規定するのか規則で規定するのか、どちらで考えているのか。 ● 制度の根拠は必要だ。能力等級の基本的な要素は規定しておくことが必要だが、個々の考えをどこまでどうするかはまだ決まっていない、今、具体的な検討をしている。何を法律で、何を政令で省令で行うのか整理しろと各省からも言われている。あらゆることを法律で書いてはいけないという訳ではないが、別に政令・省令で定めると法律で書くこともできる。 (以 上) |