自民・民主の有事法案の「修正合意」という緊迫した情勢のもと、12日に熊本入りした「九州コース」キャラバンでは、公務員制度とあわせて有事法制反対の要請書を各自治体へ提出しました。また、一路東京をめざす「東日本コース」は、13日に岩手での行動にとりくみました。
熊本市内商店街をデモ行進(12日)
「有事法制反対!」と200人でシュプレヒコール
12日の熊本での行動は、早朝街頭宣伝行動からスタートしました。早朝からよい天気にめぐまれ、すがすがしいなかの行動となり、県労連の石原副議長、前夜に熊本入りした国公労連の遠山副委員長をはじめ、約30名が参加しました。宣伝行動は、熊本市内5ヶ所でいっせいにとりくみ、通勤途中のサラリーマンやOLに約1000枚のビラを配布し、公務員制度改悪反対などを訴えました。
その後、福岡からのキャラバン隊と合流し、熊本市内に事務所がある国会議員や、熊本県議会、熊本県知事、熊本市議会、熊本市長への要請行動を実施しました。
熊本では、キャラバンに際し、(1)民主的な公務員制度の確立、(2)国立大学法人化反対、(3)国立病院の賃金職員の雇用承継・3人夜勤の実現、(4)有事法制反対の4課題についての要請書を県内のすべての自治体、県選出国会議員全員に提出することを計画しています。当日も、この4課題を盛り込んだ「要請書」をそれぞれ手交しました。
要請行動には、遠山国公副委員長、公務労組九州ブロックの伊藤事務局長(国公九ブロ事務局長)をはじめ、県労連、県国公、全医労、熊本大学教職員組合から総勢11名が参加し、それぞれの課題についての理解と賛同を求めました。
いずれも議員本人、議長、首長との面会はできませんでしたが、対応者から「みなさんの要請については理解した。さっそく議員(議長、首長)に伝える」との回答を得ました。また、県当局への要請では、熊本大学教職組篠崎委員長の説明に対して、国立大学で大変な事態がすすんでいることへの懸念も表明されました。
この日は、ほかに3つのグループに分かれて、八代市、宇土市、荒尾市、玉名市、山鹿市、菊池市の県内主要自治体の議長、首長に要請し、このうち宇土市、荒尾市では市長に直接面会することができ、公務員制度改革について率直な意見交換をしました。
夕方には、熊本市辛島公園で「5・12熊本県総決起集会」を開催しました。集会には、約200名が参加し、行動の報告と以後のとりくみなどについて、参加者全員で確認するとともに、集会決議を採択し、その後、熊本市内アーケード街を「民主的な公務員制度を確立せよ!」「有事法制反対!」等の要求をシュプレヒコールで訴えながらデモ行進しました。
岩手県庁前で早朝宣伝(13日)
「がんばってください」と老婦人が駆け寄る一幕も
13日に岩手県入りしたキャラバンは、午前7時50分から早朝宣伝が県庁周辺で行われました。この行動には、いわて労連、公務共闘加盟組合、医労連、通信労組、農協労組などから約30人が参加し、チラシ1000枚を配布しました。
心配された雨もなく、県庁、盛岡市役所へ出勤する労働者に、小泉「構造改革」と公務員制度改革の問題点などを、岩手自治労連・菊池委員長、岩手自治労連の渡辺副委員長、自治労連の松本中執らが力強く訴えました。
宣伝が終わると、老婦人がかけよってきて、「がんばってください。応援してます」と声をかけてくるなど、これまでの宣伝では考えられなかった反応もあり、それだけ県民・市民の暮らしがいかに大変になってきているのかということを実感しました。
その後、県知事に要請しました。要請団はいわて労連村上議長、小林公務共闘議長(国公共闘議長)、松本自治労連中執、佐々木公務共闘副議長(岩手医労連議長)、渡辺県国公共闘事務局長、渡辺岩手自治労連副委員長、城内岩手自治労連執行委員の7名でした。
対応した県の人事課長補佐は、「天下りについては、国でおこなわれているようなものは、県にはない。報酬も現役時代よりも低く、退職金も支給しないよう『外郭団体』に要請している。あくまで、再就職の斡旋だ」とし、「公務員制度改革」については、「国の動きがはっきり見えない中でそれを注視している。能力等級などは職員のやる気を引き出すものになればと考える」などの意見がのべられました。盛岡市長、市長会長・町村長会にも要請し、住民の暮らしを守る公務員制度の確立を訴えました。
12時からとりくんだ繁華街(亀が池前)での街頭宣伝行動には25人が参加しました。また、午前中1時間半、午後1時間半と市内を流し宣伝し、キャラバンカーは、北海道から連日の奮闘がつづいている佐藤運転手(建交労・東北交通支部で裁判闘争中)のハンドルさばきに操られ、国道46号線を北西に秋田へと旅立ちました。
この日の行動を締めくくって、午後6時からは、「公務員制度改革問題学習決起集会」が共済ビルで開催され、約80人が参加しました。松本自治労連中執から「国家公務員法改正案」「能力等級法」を中心に講演をうけ、参加者も、これを許せばとんでもない公務員制度ができあがることに理解を深めました。
また、参加者からは、国や自治体、郵政公社の職場実態が報告され、そのなかで、盛岡市職労から、公務員制度改革の「先取り」として当局の人材育成指針が示されるもと、その目的に「地方自治の本旨」を入れさせるなど交渉で奮闘している活動が紹介されました。
(※岩手公務共闘からとどいた詳細な報告を編集して掲載しました。全文は、公務労組連絡会のHP(www.komuroso.org)「キャラバン写真ニュース」でご覧ください。)
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