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愛媛県国公は、10月2日から22日にかけ、キャラバン行動として、民主的公務員制度の確立と公務員賃金カット反対の課題で、自治体及び国会議員要請を行いました。 自治体要請(企業団、病院等含む)では、県内46カ所へ、公務員共闘レベル(自治労連・県教組)でのとりくみとして実施しました。 要請の中では、「マイナス人勧は反対であるが、組織の中では県がマイナス人勧を出した場合は従わざるを得ない」といったような内容の回答が見られました。こちらも「今後のこともあるので、受け入れるにしても、何らかの意思表示はお願いしたい」と再度要請を行いました。 自治労連の仲間からは、今回のキャラバン行動に対して、「自治体要請に、国家公務員の労働組合が参加していたことで、相手側も相当驚いていた。地域では、国公の仲間が思っている以上に反響がある。今後も奮闘をお願いしたい」と、国公の仲間に期待が寄せられました。 また、国会議員要請では、県内7カ所の事務所(すべて自民党)へ単組(全労働、全厚生、全法務、全通信、全建労)がそれぞれ責任を持ち、要請行動を実施しました。ほとんどか、国会議員不在ということで、秘書等の対応となりましたが、「マイナス人勧の問題は情勢的に難しいが趣旨を理解のうえ、議員に伝える」「人勧よりも年金に影響することが困る」といった対応もありました。 ★国公労連の提起受け、県国公独自のチューター 学習会・行政相談ひらき、署名に全力あげる 今後、愛媛県国公では、とりくみが残り1カ月間とせまっている100万署名に全力をあげるため、11月を「100万署名強化月間」と位置づけて、各単組各級機関で独自の署名・宣伝行動を強化することを意思統一するとともに、県国公独自のとりくみとして、6日には公務員制度課題でのチューター学習会(国公労連のチューター学習会を受けての具体化)、13日には一日100万署名・宣伝行動、23日に行政相談行動を実施する予定としています。 (愛媛県国公事務局長・山内哲秀メール通信員発) ★公務員制度改革で府民シンポひらく〈京都国公〉 10月12日、「『公務員制度改革』と21世紀に期待される公務員像・府民シンポ」が京都公務共闘主催で行われました。全体で約120名が参加しそのうち京都国公は33名が参加しました。 コーディネーターの神戸大学・二宮厚美教授は冒頭、「公務員制度改革は、橋本行革の一環として官僚バッシングから始まった。癒着や腐敗を取り締まるものではない。定員削減を進行させ、アウトソーシング(民間委託、下請け)やエージェンシー化(独法化)を進め、行政評価方式で予算削減を図り、それでも残った公務員にこの改革を適用しようとしている。今日は公務の専門性を保障する公務員制度のあり方を検討していく」として今回のシンポのテーマを述べました。 パネリストの中尾誠弁護士はマイナス勧告にもふれながら、「地方自治体では、ローコストをめざす計画が各地で行われ、企画と実施部門とを分け、保育所の営利企業の導入など民間委託が進んでいる」と述べ、また能力主義賃金の問題にも触れ、「上司は評価が本当にできるのか。今度の制度は労働組合の関与がないなど問題だ」と政府の改革を批判しました。 また、元京都市職員局長の清水武彦さんは、「国民の批判にこたえる改革が必要であり、国民が望む公務員像を明らかにする必要もある。また、国と地方公務員といっしょに改正しようとしているのは地方自治を無視していることになる」と地方自治体出身の立場から批判しました。 雪印食品一般労組の吉村宗夫さんは「牛肉偽装事件を起こした雪印で、現在、人事制度が問題になっている。成果主義が導入され、ボーナスの較差は人によってかなりある。職場では自分の成績が良ければよいという風潮がある」と成果主義が実際導入された職場の雰囲気を話されました。 その後、質問がだされ、民間から見て公務部門に期待するものは?の問いに吉村氏は「情報公開を求める。また、マイナス勧告ではストライキでたたかうことを期待している」と回答されました。 また、フロアからの発言では、「郵便局について様々な方から意見をもらっている。国民的な共同にもとづく、国民のための改革へ向けた運動が必要」(郵産労)、「公務員制度改革の先取りとも言える“学校長の言うことをきく教師づくり”が狙われている。教師の個人評価ではなく子どもをどう育てていくかだ。地域の人といっしょに学校を作っていくことが必要」(市教組)、「国税の職場はいくら税金を取ってきたかで評価されることが横行する危険がある。国民が納得いく民主的な制度にしなければたいへんなことになる」(国公・全国税)と3単産から意見が出されました。 パネリストらは期待する公務員像として、情報公開の重要性をそれぞれ述べ、「内部告発権ができたらすごいことだ」(中尾氏)と私たちの要求に賛同する意見が出され、私たち公務労働者も「望まれる公務員とは何か」を探求しつつ民主的な公務員制度の確立を求める必要性が、このシンポで見いだされました。
(京都国公事務局次長・土井直樹メール通信員発) |