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国公労連は、3月31日、第17回公務員制度改悪反対闘争本部を開催しました。政府・行革推進事務局が、28日に、国家公務員法「改正」の条文案(能力等級制度導入関連)を各省に提示し意見を求めたという状況の変化をうけて開催したものです。 本部会議では、政府・推進事務局が、自民党行革本部の後押しも得ながら、1)法案の早期閣議決定(4月下旬)をめざした動きを強めていること、2)国公労連との交渉・協議はもとより人事院などの制度官庁との協議も尽くさないままに、強引に閣議決定に持ち込む状況が強まっていること、などを確認し、「国公労連との合意のないままの、国家公務員法『改正』法案の閣議決定反対」の立場で、職場、地域からのたたかいを緊急に強めることを決定しました。また、4月15日に、同趣旨の政府追及をおこなうための中央行動を配置することも決定しました。 ◆国内外の批判に背を向ける政府・行革推進事務局 全労連、国公労連をはじめとする労働組合や各省当局、マスコミや有識者、さらにはILOまでもが、日本政府の公務員制度改革の進め方を厳しく批判しています。その要点は、1)労働条件の変更にほかならない制度改革について、労働組合をはじめとする関係者との協議が尽くされていないという「進め方」の問題、2)改革の内容が内閣、各省の人事管理権限強化に重点がおかれ、労働基本権や公務の公正・中立性確保などの点が軽視されすぎていること、の2点に集中しています。 「進め方」にかかわっては、2001年12月25日の「公務員制度改革大綱」の閣議決定段階でも、推進事務局と自民党の一部政治家との「密室協議」、「政治家主導」が問題となり、国内外からの公務員制度「改革」への批判の理由となりました。その後の推進事務局の対応は、「関係者からの意見は聞くけれど内容には反映させない」、「各省への意見紹介も、案提起後、一両日での回答を求める」など、協議をつくす姿勢ではありませんでした。 国家公務員法「改正」法案化作業段階でも、「大綱」決定時以上に、「密室協議」、「秘密主義」を徹底してきました。国公労連との関係でも、「誠実な協議」、「実質的な協議」の回答は乱発しながら、「労使合意にもとづく法案化作業」の要求に応える姿勢は全く示さず、2月末以降、交渉・協議も中断したままになっています。 そのような状況の中で、各省に対して、「非公式」、「改正条文の一部」とはいえ、国家公務員法「改正」条文案を提示し、意見を求めたことは、不誠実きわまりない、背信行為と言わざるを得ません。条文の内容以前の問題として、現行制度でも、労使交渉事項にほかならない法案「改正」について、使用者・政府が一方的に決定するという「ルール違反」の追及を強め、一方的な閣議決定反対の運動を強めることが、重要になっています。 ◆改革内容はILO勧告への「挑戦」 「内容」についても、多くの問題をもっています。その一つは、今でも不十分な「代償措置」とILOが指摘する人事院制度について、人事院の権限を大きく後退させ、内閣総理大臣や各省大臣という使用者に、労働条件決定の基準設定の権限を移譲するとしながら、労働基本権については何らの「改善」もおこなっていない、という点です。例えば、現在は、労働条件として、人事院が査定している級別定数(各官職の格付け)について、内閣総理大臣(現行の事務方は総務省人事恩給局)が基準をきめ、各省大臣が個別官職の格付けを決定するとしています。官職の格付けは、個々人の賃金決定の基準であると同時に、職種、機関別などの間での賃金原資の配分基準であり、労働条件にほかなりません。これを使用者が一方的に決定しようというのです。 また、「能力・職責・業績反映の給与制度の検討を促す」ことなどを目的に、内閣総理大臣から人事院に対する「要請制度」を創設するとしています。労働組合と直接交渉するのはいやだから、人事院を「隠れ蓑」に、給与制度などの改悪を進めようというのです。 それら以外にも、公務員労働者の権利を事実上形骸化させ、政府が一方的に労働条件を決定するための「仕組み」が、随所に盛り込まれています。労働者、労働組合の権利を制限しておいて、「信賞必罰」の人事管理を徹底しようとする「改革」の目的を隠そうともしていません。公務員労働者を無権利状態に追い込む「改革」内容は、ILO勧告への「挑戦状」といっても過言ではありません。 | |||
(以 上) |