国公労連は、本日午後、3月28日に推進事務局が各省に対して非公式に示した国家公務員制度改革関連法案の主要論点等について、推進事務局から説明を受けました。
これには国公労連から山瀬副委員長、小田川書記長、岸田書記次長ほか4名が参加し、推進事務局側は高原参事官、松浦企画官ほかが対応しました。
<「一致点をめざす」3点の合意事項を確認し、交渉再開>
説明に先立ち、小田川書記長から、「『アリバイづくりの交渉・協議には応じられない』として、2月21日以降、交渉・協議が打ち切られていたが、4月4日の国公労連と推進事務局・堀江局長、4月15日の全労連・公務員制度改革闘争本部と同局長との交渉において、今後の誠実対応について一定の前進的対応があったことをふまえ、労使交渉を再開することとし、本日、国家公務員法等の条文案などについて正式な提案・説明を受ける」との発言がありました。
さらに小田川書記長は、交渉再開の前提として、4月4日及び15日の交渉結果をふまえ、(1)公務員制度改革にかかわって、国公法108条の5(労使交渉)の趣旨に準じて、国公労連と推進事務局との間で一致点を見いだせるよう交渉・協議を進めること、(2)国家公務員法「改正」法案などの閣議決定を問答無用で強行しないこと、(3)ILO勧告をふまえた労働基本権の議論を切り離さず、交渉・協議を進めること、の3点を改めて確認するよう推進事務局に求め、高原参事官がこれを了承しました。
小田川書記長はこの確認を前提としたうえで、国公労連への正式な交渉・協議の申し入れとして、国家公務員法等の条文案などの提案・説明を推進事務局に求めました。
<疑問点や「原案」からの変更点など、次回以降の交渉で徹底追及>
説明は松浦企画官より、3月28日に推進事務局から各省に対して非公式に示された資料「国家公務員制度改革関連法律案の主要論点の整理について」など(各単組には国公労連より配布済み)を中心に行われました。
企画官は、今回の国公法「改正」の柱として、
(1)能力等級を基礎とした新人事制度の構築(職階制に代えて、能力等級制を導入し、職員が職務を遂行する上で発揮する能力を適切に評価して、職員の能力等級を決定し、これを基礎に任用、給与、研修等の人事管理を遂行する。等級数は現行制度との連続性を確保し、行政職(一)については11等級とする。定期的に勤務成績の評定を行うとともに、評定の結果、下位の能力等級と決定された場合には、職員の意に反して分限処分ができることとする。能力等級制は内閣総理大臣が実施する、など)
(2)中央人事行政機関の機能のあり方の見直し(人事院については、「人事行政の公正の確保及び職員の利益の保護のためにふさわしい機能」に集中し、給与勧告等の勧告機能、準立法的機能及び準司法的機能として整理する)
(3)適正な服務管理(再就職について、人事院の承認制度を任命権者の許可制度に改める。再就職後において元職員が許認可等の行政処分に関し、一定の働きかけを行うことを禁止する)
(4)官民交流のあり方の見直し(交流採用をする者について、民間企業の身分をもったまま公務に従事できるようにする)
の4点を上げ、今回の「改正」法案はこれらを中心として大綱に基づいた公務員制度をめざすものとなっていると説明しました。
以上の説明を受けたあと、小田川書記長は「条文案等の内容にかかわる疑問点や、改めて説明を求めたい事項については、次回の交渉までに提出する。それをもとに、今後の交渉・協議を進めていくこととする」「そのことともかかわるが、昨年段階まで議論してきた『行政職に関する新人事制度の原案(2次)』と、多くの部分で異なっているが、どこを、なぜ変更したのか。そのことについて、次回以降の交渉・協議の場で明らかにするよう求めておく」と強調し、本日の交渉を終えました。
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