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※「公務労組連絡会FAXニュース」2003年7月17日《No.405》より転載。 通常国会の会期末が近づくなか、衆議院内閣委員会は16日、一般質疑が行われ、石原行革担当大臣の出席のもと、「公務員制度改革」にかかわって、民主・共産各党の議員が質問しました。 今国会での関連法案の提出断念をせまる各党議員に対して、石原大臣は、最後まで政府主導で法案提出するとの構えをくずしませんでした。 この日の委員会には、公務労組連絡会で傍聴行動を配置し、12名(国公労連8名、自治労連2名、全教1名、事務局1名)が参加しました。 「2つのナショナルセンターを分け隔てなく扱え」と追及 午後からの一般質疑では、共産党の春名直章議員、民主党の中沢健次・平野博文両議員が質問に立ち、「公務員制度改革」にかかわって政府を追及しました。 共産党の春名議員は、はじめに、国会会期末がせまるもとで、「公務員制度改革の関連法案を提出する条件はなく、許されないことだ。労働組合など関係者の意見を十分聞くことが必要だ」とし、政府としての見解をただしました。 これに対して、石原行革担当大臣は、「政府内のギリギリ調整をすすめ、与党や職員団体とも協議を重ねている」としながら、「法案の提出権は政府が持っている」と答弁し、今国会での法案提出が事実上不可能となっている局面でも、あくまでも政府主導のもとで「公務員制度改革」をすすめる姿勢を強調しました。 また、春名議員は、「昨年11月、今年6月と2度にわたってILO勧告が出された。政府は、ILOに『追加情報』を出して反論したが、その主張に道理がないことが明らかになった。再勧告のとおり労働組合との協議をすすめるべき」とせまりました。 石原大臣は、「再勧告については、あくまでも『中間報告』と受けとめている。今後とも適宜、ILOには情報提供し、わが国の歴史や実情についての理解を求めるよう努力中する」とこれまで通りの政府の立場を説明しました。 春名議員は「坂口厚労大臣は、『改革』を4つの手順に沿ってすすめることをILOに話している。この手順は当然だが、なかでも労働組合との議論が重要だ。その点で、全労連と連合が提訴した案件に対して勧告が出されたことからも、2つのナショナルセンターを分け隔てなく扱うことは政府として当然だ。ところが、連合は石原大臣や福田官房長官、小泉首相とも会見しているが、全労連と大臣クラスとの会見は、昨年のILO勧告以降は一度もない。これでは、いちじるしく公正さを欠いている」として、全労連との担当大臣との協議の場をつくるよう求めました。 石原大臣は「いろいろな経過があって組合と対処しているのであって、分け隔てなくおこなっている」などとのべ、認識をあらためようとせず、「2つのナショナルセンターに対して勧告が出されている。これを機会に広い視野でみてほしい」と春名議員がせまりましたが、「政府としては責任をもって対処している」と同様の答弁を繰り返しました。 「能力等級は重要な勤務条件」とする人事院と対立する政府答弁 春名議員は、「能力等級制度」の勤務条件性について、人事院・政府両者にただしました。人事院の佐藤人事官は、「能力等級制度」の仕組みをくわしく解明したうえで、「端的に言えば、昇任・昇格の決定システムであり、重要な勤務条件である」と明確にのべましたた、これに対して、石原大臣は、これまで国会で答弁してきたように、「人事院には誤解が生じており、勤務条件ではない」と強弁しました。 最後に春名議員は、「人事院と石原大臣との間で、根本的な問題がくい違っている。それを見ても、閣議決定する条件はまったく存在しない。今後とも、労働組合などとの交渉協議こそ必要だ」と強調して質問を終えました。 一般質疑では、民主党の中沢議員が、「公務員制度改革の関連法案の提出は、今国会で断念したといってもよいのではないか。与党の中でもいいろんな意見があり、仕切りなおししたらどうか」とのべ、「行革推進事務局の体制を一新して、国民の声を聞きながら政府原案をつくることや、公務員制度改革にかかわる閣僚懇談会をつくってはどうか」と求めました。 これに対して、石原大臣は「行革事務局の体制については、検討をはかりつつ、今まで以上に強力な体制をつくっていきたい。関係する閣僚との間で、よりいっそう緊密に連絡をとっていきたい」と答弁しました。 このほか、民主党からは、平野議員が「天下り」問題にかかわって政府を追及しました。 以上 |