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国公労連は、昨年7月28日閉会の第156回通常国会における「公務員制度改革関連法案」の提出見送りをふまえ、昨年8月1日に「労働基本権制約の現状維持」をねらう「大綱」の撤回と、ILO勧告にもとづく制度改革にむけた交渉・協議の早期開始などを求めて申し入れを行ってきました(2003/8/1付け「闘争NEWS」No.159参照)。 その後相当の時間が経過し、本年1月19日には第159回通常国会が開会したこともあり、「法案」提出期限などを考えれば、「労働組合との十分な協議」を保障させるうえで論議再開の時期に来ているとの判断から、本日(1/29)午後、行革推進事務局に現時点の考え方を明らかにするよう改めて申し入れを行いました。 これには国公労連から堀口委員長、山瀬副委員長、小田川書記長、山谷中執が参加し、行革推進事務局からは堀江事務局長、春田室長、笹島参事官ほかが対応しました。以下はそのやりとりの概要です。 ◆ 国公労連=「労働組合との十分な協議」を要求 冒頭、堀口委員長は「昨年の通常国会に法案提出が見送られたことをふまえ、8月1日に申し入れを行った際、事務局長は『実質的な論議が進められるよう努力する』『具体的な案を示して論議が深められるようにしたい』と問題意識を示していた。その後、推進事務局の体制見直しもあり、相当な時間が経過していることから、現時点での検討状況及び基本的考え方などを明らかにされたい」と追及しました。 これに対し堀江事務局長は、要旨以下のとおり回答しました。 ● 昨年8月1日にずいぶんお叱りを受けたが、法案提出に至らなかった理由はいろいろあり、私のリーダーシップ不足もあった。そのため、事務局の体制や議論のやり方について、議論がうまく進むよう必要な見直しも行ってきた。体制面では、全省的な課題認識をしてもらうため、人事院と厚生労働省からは室次長、農水省から参事官などの人材拠出をお願いした。昨年7月まではいろいろあったが、一息おいて、「実行可能な意味のある改革」にむけて議論を進めていこうと思っている。総選挙と内閣改造を経て、昨年12月から与党との協議も再開されており、事務局としても遅れずに対応していかなければならないというのが今の状況である。 ● 法案の国会提出をめぐっては、「大綱」で平成15年中とされていたができず、今回も「検討中」で登録している。予算関連法案なら3月中旬が提出期限で、今年は参院選挙の関係で後も詰まっているが、提出にむけてギリギリまで努力するつもりだ。事務局長の立場としては、問答無用でやるつもりはないし、一致しない場合などいろいろな制約もあると思うが、誠心誠意努力していきたい。協議可能な状況になれば十分議論していくつもりであり、意見交換は可能な限り対応していくので、ぜひご協力いただきたい。 ◆ 事務局長=「『大綱』撤回は考えていない」と強弁 これを受けて、国公労連は「その場合、議論の深さと広さが重要であり、見切り発車しないことを前提に、議論がかみ合う時期と内容が問題になる。国公労連の主張は『大綱』の撤回、ILO勧告をふまえた労働基本権制約見直し論議の先行であると同時に、制度内容にかかわっての労使関係に立ったオープンな交渉・協議である。これまでの経過をふまえて協議課題を整理し、従来の要求などもふまえた制度内容の協議が行えるよう、国公労連との交渉・協議の場をきちんとセットされたい」と追及しました。 これに対し堀江事務局長は、要旨以下のとおり再回答しました。 ● 議論の深さと広さについては難しい質問であり、答えにくいが、「大綱」の撤回は考えていない。その理由は、一つには既に実施済みのものもあり、与党との調整を経て実行されているものもあるからだ。基本ベースは「大綱」だが、その一言一句に硬直的にこだわるものではない。大きな事項について、関係者との協議が残されている部分が多いと考えている。 ● ILO勧告や労働基本権問題について一切議論しないわけではないが、労働基本権の付与が交渉・協議の前提となると議論がむずかしい。昨年7月の「法案」もあるが、その後も人事院や総務省を含めていろいろ議論を重ねており、同じ内容になるかは不明で、今後の変化は当然あり得る。非公式に示したし、その後もいろいろ議論を重ねている。今の時点で何らか形にされたものはないが、国公労連からも「提案」があれば議論していきたいし、場のセット要望は承った。 以上のやりとりを経て、堀口委員長は「前回の申し入れから半年以上経っており、いまボールを投げ返すのは推進事務局側にある。8月の事務局長の回答をふまえ、誠実な交渉・協議を早期に再開するよう改めて強調しておく」と述べ、申し入れを終えました。 以上 |