2004年8月16日《No.177》

 行革推進事務局が「能力等級制」「評価制度」を説明
  「評価シート」など検討内容の詳細が明らかに

 国公労連は、8月13日(金)午前、行革推進事務局と交渉を実施し、前回(8/11)の交渉で推進事務局が「制度の詳細は次回の交渉で明らかにする」と回答していた「能力等級制」「評価制度」の説明を受けました。
 なお、交渉に先立って、行革推進事務局は検討中の「能力等級制」「評価制度」を説明する資料として、国公労連に対し、下記の文書を提示しています。

○「新しい評価制度について(案)」(PDF170KB)
○「参考1:人事当局と職場の上司の関係」(PDF268KB)
○「能力評価の流れについて」
○「標準職務遂行能力と能力評価の基準のイメージ」
○「能力評価シート(イメージ)」

○「参考2:実績評価実施のフローチャート」(PDF106KB)
○「実績評価シート(イメージ)」

○「行政職能力等級表(一)の等級構成等について(案)」(PDF251KB)
○「他職種の能力等級表の種類及び等級構成等について(案)」


 交渉には、国公労連から山瀬副委員長、小田川書記長、岸田書記次長のほか、「評価制度プロジェクト」の全経済・上野副委員長、全法務・西山書記長、全気象・佐藤書記長、全労働・森崎書記長を含めて11名が参加し、行革推進事務局からは笹島参事官、福田参事官及び坂口、松重の両企画官ほかが対応しました。以下はそのやりとりの概要です。

 ◆推進事務局:「検討がすすみ、全体が具体的になってきている。今後さらに意見をきいていく。」

 冒頭、笹島参事官から国公労連に対し、「前回申し上げたとおり、現在検討中の能力等級制及び評価制度についてご説明する。各府省に対しては、昨日(8/12)、説明会を行い、国公労連に提示したのと同じ資料を配付した。検討がすすみ、全体が具体的になってきたと思っている。今日は時間も限られているが検討内容をご説明し、今後はこれを踏まえて、さらに国公労連の意見を聞いていきたいと考えている」との回答があり、その後、各担当企画官が概ね別紙資料を読み上げる形で説明しました。

 ◆国公労連:「これでやり切れるのか、疑問を持たざるを得ない!」検討の不備を徹底して追及

 その後、説明の内容について、要旨以下のとおり、若干のやりとりがありました。(注:○国公労連、●行革推進事務局)

○ 能力等級表について、基本的枠組みを本府省とそれ以外という分け方にしているのは賛成できない。実際の仕事の流れや異動実態を考えても疑問であるし、率直に言って、これでやり切れるのかという疑問を持たざるを得ない。また、特定独立行政法人はこの適用範囲に入るのか、専門行政職から行(一)への転任があった場合などはどうするのかなど、様々な疑問が出てくる。
● 転任の際に能力等級の判定をどのような扱いとするかは、現在検討中だ。特定独立行政法人についてはこれから関係各省と議論をするが、法の枠組みとして最初から適用除外とするつもりはない。
○ 「評価結果は任用や給与に直結するものではない」との説明だったが、本当にそうなのか。一方では、実績評価の結果は人事当局において勤勉手当、昇給、昇格等に活用されるとの説明もされており、今後さらに詳細な説明を求めたい。
● 本日は、政府代表としての立場で説明をさせてもらったが、実績評価については制度設計を担当している人事院から我々が説明を受けた内容であり、より詳細については、今後、人事院から説明があるかもしれない。
○ 能力評価の被評価者へのフィードバックは評価結果が確定してからおこなわれるとのことであるが、フィードバックにおける指導育成の中身は誰がどのようにして決めるのか。また、職員の指導育成は、その時の上司が一時的におこなうというよりも、むしろ中長期的な観点に立って人事当局が責任を持つべき課題ではないか。
● 職員を計画的にどう育てていくのかは、評価の範疇を超えて、むしろ研修の問題。評価項目の範囲で、十分不十分を話し合うことになる。
○ 降任の際にも評価結果が重要な判断材料となるとの説明であったが、「重要な判断材料」としてこの評価シートが占める割合はどのくらいになるのか。
● 何%をこのシートで、というところまで言うことは難しい。全部をシステム化することは困難であるし、それは適当ではないのではないか。結論から逆算していって評価するようなことになってはコストをかける意味がない。ある程度の裁量の幅も必要ではないかと考えている。
○ 「新しい評価制度について(案)」の「2 評価制度の運用の枠組み」以下は、下位法令で定める対象となる運用事項であるとの説明だが、今後の議論を進めるうえで、制度設計の責任は誰が持っているのか、もっとはっきりさせるべきだ。
● 今回の資料の中には人事院につくってもらったものもあり、我々が十分に説明できないところはある。しかし、この席に人事院の担当者を同席させることは難しいし、我々も中身を全く理解していないわけではない。時間が限られていたために十分な説明が出来なかったところもある。また来週18日にも予定されているので、改めてご説明したい。

 ◆国公労連:「評価制度は労働組合の関与に関わる重要問題。改めて詳細な説明をせよ!」

 以上のやりとりの後、小田川書記長は改めて「評価制度の内容は労働組合の関与がどうなるかに影響する極めて重要な部分だ。これらを含めて、次回、改めて詳細な説明を求めたい」と強調したうえで、引き続き8月18日(水)に交渉を行うことを確認し、今回の交渉を打ち切りました。

以上


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