国公FAX速報 2005年12月22日《No.1695》

総人件費改革の実行計画策定の最終段階で
行政改革推進事務局と交渉


 国公労連は、本日(22日)午後、総人件費改革の実行計画策定の最終段階で行政改革推進事務局と交渉しました。国公労連は、堀口委員長、小田川書記長、岡部書記次長ほか3名で対応。行革推進事務局からは、公務員制度改革室の上田室長、川淵参事官ほかが出席しました。

 交渉にあたって、まず、国公労連側は、「行政改革の重要課題に関する方針策定作業も大詰めを迎えているものと承知している。12月6日に、実行計画策定にかかわる要求書を提出したが、その後の検討状況と今後の動向について説明してもらいたい」と述べ、行革推進事務局からの回答を求めました。
 これに対し、行革推進事務局側は要旨以下のように回答しました。

●(室長)  行政改革の重要課題に関する一連の方針については、各省と残っていた論点を詰め、与党とのすり合わせを行ってきており、24日に閣議決定の見込みとなっている。
 総人件費改革の実行計画については、経済財政諮問会議が決定した「総人件費改革基本指針」に則し計画を定める。今後5年間で、郵政公社職員を除く国家公務員の5%以上の純減を目標とする。給与制度改革では国・地方の公務員とともに、公的部門での見直しをすすめる。公務員制度改革については、総人件費削減の進捗状況等を踏まえつつ、関係者との率直な対話と調整を進め、できる限り早期に具体化を図る。公務員の労働基本権や人事院制度、給与の在り方、能力主義や実績評価に基づく処遇を含めた公務員制度についても、幅広い観点から検討を行う。
 閣議決定後、年明けから具体的な検討を行い、遅くとも来年の6月頃までに行政改革推進本部において成案を得、政府方針として決定したい。
 労働組合からみれば厳しい内容かもそれないが、雇用の確保については最大限努力したい。

●(参事官)  行政改革の重要課題について、24日に一括して閣議決定が予定されている。重要方針で定める改革の今後における着実な実施のため、基本的な改革の方針、推進方策等を盛り込んだ「行政改革推進法案(仮称)」を策定し、次期通常国会に提出する。国家公務員(郵政公社職員を含む)の総人件費について、対GDP比でみて今後10年間で概ね半減させるといったような長期的な目安も念頭に置きながら改革を進める。地方公務員についてもこれを踏まえた削減努力を要請し、あらゆる手段を駆使して改革を断行する。郵政公社を除く国家公務員については、今後5年間で5%以上の純減を目標とする。このため、定員合理化計画の実施にあたって、メリハリをつけつつ増員を厳しく限定し、これまでにない大幅な純減(1.5%以上の純減)を確保するとともに、業務の大胆かつ構造的な見直しにより事務事業の削減を強力に進め、その結果を定員の削減(3.5%以上の純減)に反映させ、5%以上の純減を確保する。個別具体的な削減策については、遅くとも来年6月頃までに行政改革推進本部において成案を得、政府方針として決定する。今後5年間の純減状況を、総定員法に反映させる。自衛隊・特別の機関の職員についても、行政機関に準じて純減を行う。独立行政法人の非公務員化を進める。地方公務員については、「基本方針2005」で要請した4.6%以上の純減確保にむけいっそうの純減の上積みが確保されるようとりくむ。また、給与制度改革や独立行政法人など公的部門の見直しを進める。公務員制度改革についても、幅広い観点から検討を行う。

 この回答を受け、国公労連側は、「国家公務員の5%以上の純減目標は受け入れ難い」とした上で、次の点を追及しました。
・  1.5%以上の純減は従来ベースで、3.5%以上の純減は「公共サービス改革有識者会議」(仮称)での検討ベースになるのか?
・  公務員制度改革は、幅広い観点からの検討は必要だが、今後の議論の進め方について整理したい。
 これに対し、公務員制度改革室側は、「3.5%以上の純減は、有識者会議で幅広く検討するが、1.5%と3.5%はオーバーラップする部分はあり得るのではないか。公務員制度改革は質の問題。協議する場を別に設けたい」などと回答しました。

 国公労連側は、「小さな政府論には意見がある。行政における専門性を有する立場からも議論させていただく。国家公務員の純減によって、行政サービスの低下や労働条件の悪化など、職場では大きな矛盾が生ずる。今後とも必要な対応協議を申し入れる。第一線現場に目線を置いて議論してもらいたい」と主張し、行革推進事務局との対応協議を確認して交渉を終えました。


以上


トップページへ  前のページへ