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<雇用・リストラ>深刻な雇用不安の解消、政府・大企業のリストラを糾し、働くルールの確立を皆さん 失業者が300万人をこえ、新卒でも20万人をこえる若者が就職できない、そんな雇用破壊が広がっています。その最大の原因は、大企業が、企業合併や工場閉鎖、正規雇用労働者の首切りなどのリストラを強引に進めているからです。 その中でも、自動車会社の日産が99年10月に発表した「日産・リバイバルプラン」は、その規模でも内容でも、これまでにない過酷なものです。フランスの国営企業であるルノーに事実上買収された日産グループ全体で、35000人の人減らし、1600あまりの下請け企業の半減、日産村山工場など5工場の閉鎖が、突然明らかにされ、この3月までに決定しようとしています。ルノーが本社を持つフランスでは、「自分の家を火事から守るために、隣の家を壊す」ような理不尽なリストラは禁止されているのにです。「大企業は社会的責任を果たせ」の声を寄せ合い、日産のリストラ計画をはじめとする、大企業のリストラを断念させる取り組みを強めましょう。 雇用不安を解消するためにも、国の責任は重大です。自自公・政権は、昨年の通常国会以降、リストラ・人減らしをおこなった企業の税金を免除し、あるいは補助金を支給する産業再生法などのリストラ支援法を相次いで成立させています。300万人もの失業者が、職安に列を作っている状況をさらに深刻にする逆立ちした政策ではなく、一方的な解雇や、突然の首切りを規制する解雇規制法や、企業の合併・分割などによる労働者の選別や賃下げなど規制する労働者保護法、サービス残業の規制強化など、吹き荒れるリストラを抑制する政策が、いま必要です。 政府は、民間がリストラを進めているから、公務員も減らすといって、国家公務員の25%(約14万人)もの削減を行おうとしています。とんでもありません。民間企業が雇用削減を進めているときに、国や地方自治体も雇用を減らしたら、失業はもっと深刻になります。 皆さん 各種の世論調査でも、8割をこえる国民が「今の政治は変わってほしい」と応えています。大企業のリストラを支援し、雇用を減らす公務員削減に力を入れる逆立ちの政治を返させるためにも、雇用と生活を国が責任をもってまもれ、の声を大きくし、ご一緒に取り組みを強めましょう。 <社会保障>財政の歪みを正し、社会保障の充実を皆さん いま、多くの皆さんが、現在と将来の生活への不安を高めています。朝日新聞の調査では、失業や収入減の不安を感じる人が、82%、10人に8人以上にのぼります(図1)。 なぜこんな状況になったのでしょうか。それは、まず税金の取り方が金持ち、大企業には軽く、庶民には重くなっていることです。また、税金の使い道も大企業を助けることに重点が置かれ、庶民を助ける社会保障などが軽んじられているからです。 まず税金の取り方です。消費税は、所得が少ないほど負担になる税です。当初3%が5%に引き上げられ、それだけで5兆円の負担が押しつけられました。その一方で、高額所得者の所得税は、最高税率が75%から37%と、半分以下に引き下げられました。また、法人税も43.3%から30%に引き下げられ、その上、特権的な減免税がされ、例えば、トヨタが4769億円、日産が3128億円、NTTが2兆5103億円の減免税となっています。 税金の使い方で言えば、国と地方で公共事業に50兆円も使うのに、社会保障には20兆円しか使わないゆがんだ財政構造が問題です。公共事業と社会保障の比率は他の先進国とはまったく逆です(図2)。また、冷戦構造が変化した中でも日本は先進国の中でただ一人軍事費を増やし続けてきました。沖縄の普天間基地移転だけで、1兆円も使うというむだ遣いです。 こうした財政の歪みで、必要な社会保障費が手当されず、内容の改悪が進められています。健康保険は以前は本人負担はゼロでしたが、いまでは2割に引き上げられました。今後さらに3割負担がねらわれています。年金も55歳支給から60歳支給にされ、いまの国会で65歳支給にする法案が強行されようとしています。介護保険についても、国は4分の1しか金を出しません。まだまだ特別養護老人ホームやホームヘルパーさんの配置が遅れ、十分な介護サービスを受けられない状況です。国が支援して早急にサービス態勢を確立し、十分な介護を保障することが必要なのに、地方自治体に責任を押しつけています。 皆さん 日本はいま急速に高齢化が進んでおり、介護を始めとした社会保障の充実が求められています。ゆがんだ税金の取り方を改め、高額所得者や大企業からしっかり税金を取り、庶民の負担を軽減すること、ゆがんだ財政を改め、社会保障を充実させることが、いま、緊急に求められています。ご一緒に力を合わせ、国民みんなが安心して暮らせる社会にしていきましょう。 <公共事業のむだ遣いを正す>公共事業偏重を正し、財政赤字からの脱却を国と地方自治体の借金を足し合わせると、今年度末で607兆円に上ります。国民一人あたり、実に500万円にもなるのです。小渕首相は、「世界一の借金王」と自嘲していますが、自嘲ですまされる額ではありません。 どうして、こんなに借金を積み重ねたのでしょうか。財政赤地の主な原因は、景気対策と称して、公共事業の財源として、国債を大量に発行し続けたためです。このようにして、バブル崩壊以降、国の財政は急速に悪化し、先進国では最悪と言われているイタリアを抜き、破産寸前の状態となっています。 しかも、今後も1995年度から2007年度までの13年間に、630兆円もの公共事業を行うよう計画しています。毎年、公共事業には50兆円も使い、社会保障には20兆円しか使っていないのです。これから高齢化社会を迎えるというのに、福祉や社会保障の予算を圧迫してまで、公共投資を押し進める必要があるのでしょうか。 先日の吉野川可動堰建設の住民投票で、住民ははっきりと可動堰は必要ないという意思表示をしました。政府は、住民の声を真摯に受け止め、計画のゴリ押しを直ちに中止すべきです。これ以上、不要不急の無駄な巨大公共事業に、大切な国民の税金を使うのは、止めるべきです。 そのためにも、公共事業の総額を削減し、全ての公共事業の計画を抜本的に見直すべきです。また、その使い道も、大規模プロジェクト中心の公共事業から、防災や生活基盤整備中心の事業に改めるべきです。また、政官財のゆ着を断ち切り、情報公開を始めとした行政の民主化を行うことは急務となっています。 <25%削減・独法化>国家公務員の「25%削減」反対、独法化など行政減量化を許すな皆さん 小渕内閣は、今後10年間で、国家公務員の25%、約13万7千人を減らそうとしています。ほんとうにそんな数の人減らしが必要なのでしょうか。 30年も前に制定された総定員法にもとづいて、国の職員はカンナをかけるように減らされてきました。この10年間では、5万人以上の国家公務員が減っています。 小渕内閣と自自公政権は、もっと減らせと大号令をかけていますが、しかし、人口1,000人あたりの公務員の数は、フランスの約3分の1、イギリス・アメリカの2分の1でしかなく、諸外国にくらべてきわめて少ないのです。 こうしたなか、国民のみなさんの行政ニーズに応えるために、現場ではたらくわたしたちの仲間は、日夜、献身的な努力によって行政をささえています。また、パートやアルバイトなどの「定員外職員」をつねに配置せざるをえません。このうえ、どこから人を削るというのでしょうか。 皆さん 重要なのは、この計画は、単なる公務員の「人減らし」というだけではなく、国の行政の範囲をせばめ、本来国が国民に対して果たすべき仕事をなげすてるということです。その一例として、現在、国立病院の統廃合や、測候所の廃止などが着々とすすめられています。政府は、これを行政の「スリム化」などと言っていますが、その目玉となっているのが独立行政法人化です。 来年4月から発足する独立行政法人は、国がおこなうべき行政サービスを国の業務から切り離し、金もうけやコストダウンを追求する企業経営の手法も持ち込み、仕事の切り捨て、人減らしをすすめながら、将来の民営化や廃止をねらおうとするものです。全国の国立病院・療養所や、国立大学がその対象とされていますが、もし、こうしたことが強行されれば、わたしたちの生活はどうなるのでしょうか。国立病院の廃止によって、住民のいのちと健康への不安がいっそうひろがります。国立大学は、私立と同じになって、授業料の値上げも予想されます。まさに、お年寄りと子どもたちなど弱者を直撃するのが、この独立行政法人なのです。 皆さん 自自公政権がねらう公務員減らしとは、そもそも国民生活を切り捨て、福祉や医療、教育などすべての分野で、国民にいっそうの負担をおしつけることにほかなりません。 いま求められていることは、定員削減をただちにやめ、行政サービスを充実させるために、必要なお金と人を増やすことであり、独立行政法人ではなく、国が直接の責任を果たすことではないでしょうか。どうぞみなさん、公務員減らしや独立行政法人に反対しているわたしたちの運動へ、ご理解とご協力をよろしくお願いします。 |