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6月30日、全労働、全厚生、全医労は、「労働福祉省」の創設問題にかかわって、3労組共同の対策委員会を発足させ、記者発表を行いました。以下、記者発表した資料を掲載します。 ◆ 『労働福祉省(仮称)』設置に向けての、全労働・全厚生・全医労、3労働組合による「『労働福祉省(仮称)』創設問題対策委員会」の発足について 6月30日、全労働省労働組合(全労働)・全厚生職員労働組合(全厚生)・全日本国立医療労働組合(全医労)は共同して「『労働福祉省(仮称)』創設問題対策委員会」を発足させました。 私たちは昨年12月5日、行政改革会議最終報告に対して、「『労働福祉省』創 設・独立行政法人化に反対する」趣旨の声明を共同で発表し、数合わせの省庁再編による「労働福祉省(仮称)」の創設は労働者・国民に重大な影響を及ぼす恐れがあるとして反対の意思を表明するとともに、橋本「行革」反対のたたかいを総力をあげてとりくんできました。 しかし、政府は6月9日、中央省庁等改革基本法(行革基本法)を成立させ、今、中央省庁等改革推進本部において「労働福祉省(仮称)」創設に向けて具体的な検討を行おうとしています。 対策委員会では、「労働福祉省(仮称)」設置法案の検討に対して、社会保障・社会福祉・労働者保護の後退を許さず、国立病院、国立試験研究機関等の独立行政法人化に反対し、国民の立場に立った行政確立に向け3団体共同して取り組むことを確認しました。 わたしたちは、「対策委員会」の発足が、関係する全ての労働組合・民主団体、そして全ての国民の皆さんに、今こそ国民の立場に立った社会保障・社会福祉・労働行政のあり方と、この国のあり方について真摯に検討見直しする契機となることを心から願うとともに、真に国民生活を重視した行政機関の確立に向け、「『労働福祉省(仮称)』創設問題対策委員会」の発足と、アッピールを発表するものです。 「『労働福祉省(仮称)』創設問題対策委員会」の概要 (1)委員会の名称 「『労働福祉省(仮称)』創設問題対策委員会」(略称:「対策委員会」) (2)「対策委員会」の構成団体 ○ 全厚生職員労働組合 ○ 全労働省労働組合 ○ 全日本国立医療労働組合 (3)対策委員会の役割等 @ 政策的取り組み ア 「労働福祉省(仮称)」設置にともない、今後の基本方向について検討する イ 「行革基本法」に対する政策的検討を行う ウ 「労働福祉省(仮称)」設置にともなう、種々の情報収集・分析を行う エ 学識経験者(研究者)等との意見交換を実施する A 3組織共同の取り組み ア 共同したシンポジウムの開催等、共通した課題での取り組み(共同行動等の追及) B 行政組織問題の検討 ア 独立行政法人問題 イ 本省内部部局問題 ウ 施設等機関問題 エ 地方組織(地方支分部局)問題 全厚生・全労働・全医労共同アッピール 本日、全厚生職員労働組合(全厚生)・全労働省労働組合(全労働)・全日本国立医療労働組合(全医労)は共同して「『労働福祉省(仮称)』創設問題対策委員会」を発足させました。 私たちは昨年12月5日、行政改革会議最終報告に対して、「『労働福祉省』創設・独立行政法人化に反対する」趣旨の声明を共同で発表し、数合わせの省庁再編による「労働福祉省(仮称)」の創設は労働者・国民に重大な影響を及ぼす恐れがあるとして反対の意思を表明するとともに、橋本「行革」反対のたたかいを総力をあげてとりくんできました。 しかし、政府は6月9日、中央省庁等改革基本法(行革基本法)を成立させ、今、中央省庁等改革推進本部において「労働福祉省(仮称)」創設に向けて具体的な検討を行おうとしています。 対策委員会では、「労働福祉省(仮称)」設置法案の検討に対して、社会保障・社会福祉・労働者保護の後退を許さず、国立病院、国立試験研究機関等の独立行政法人化に反対し、国民の立場に立った行政確立に向け3団体共同して取り組むことを確認しました。 私たちは、「労働福祉省(仮称)」が、全ての国民の生涯にわたる生活を全般的に担当する「省」となり、国民生活に重大な影響を与える行政機関となる一方で、新しい「省」の任務と役割が、真に労働者・国民の立場に立った行政責任が果たせるのか、重大な懸念を持っています。 これまでも、社会保障制度の切り捨てが進められ、社会福祉事業を食い物にした岡光事件、薬害エイズ問題など、「政・官・業」の癒着構造と行政の秘密主義は、厚生行政に対する国民の信頼を失い、国立病院・療養所の統廃合問題は、地域医療に重大な影響を与えています。そして、労働基準法や労働者派遣法の改悪にみられるとおり、今でも不十分な労働者保護をないがしろにし、一層の長時間・過密 労働と不安定雇用に日本の労働者を追いやろうとしています。 そして、行革基本法では、国立病院・療養所の移譲・統合・廃止の促進と独立行政法人化をうたって、国民医療を切り捨てようとしています。また、「労働福祉省(仮称)」の編成方針では、「職業紹介事業の規制緩和」「福祉サービス分野の規制緩和」などにより雇用政策や社会福祉事業からの国の責任を大幅に後退させることにつながる内容が含まれています。 私たちは、厚生行政・労働行政が統合されることにより、労働者・国民生活に背を向けた、このような危険な方向を一層相乗的に加速させることにならないか多大な危惧を持っています。 政府は、行革基本法の審議にあたって「この国の新しい形」を作り上げると説明しました。21世紀に向けて「この国の新しい形」を作るのであれば、それは国民の立場に立って国民生活をどのように改善するのかという観点から作り上げるべきです。 日本国憲法は恒久平和、法の下の平等、基本的人権の尊重、勤労権の保障等を定め、政府に対し、日本を福祉国家として確立するよう責務を課しています。 21世紀を迎えようとしているこの国を「福祉国家」として、全ての国民が人間らしく生きていける国にするのか、あるいは、自助自立、弱肉強食の市場原理のみを優先する国とするのか。まさにその縮図が「労働福祉省(仮称)」の行く末にあると考えます。 新たに設置されようとしている「労働福祉省(仮称)」は真に労働者・国民の立場に立った行政機関として確立されるべきです。そのためにはいかなる政策と機構が必要かが真剣に検討されなければなりません。私たちは「対策委員会」の発足により、厚生行政、労働行政を担う職員で構成する労働組合として、「労働福祉省(仮称)」のあるべき姿を労働者・国民の立場に立って積極的に提言し、広く国民的な議論を巻き起こしていくことなど、3団体が共同して諸とりくみを進めていくことを確認しました。 わたしたちは、「対策委員会」の発足が、関係する全ての労働組合・民主団体、そして全ての国民の皆さんに、今こそ国民の立場に立った社会保障・社会福祉・労働行政のあり方と、この国のあり方について真摯に検討見直しする契機となることを心から願うとともに、真に国民生活を重視した行政機関の確立に向け全力で奮闘する決意を表明するものです。
1998年 6月30日
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