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国公労連研究機関対策委員会と学研労協で構成する国立試験研究機関全国交流集会実行委員会は、8月19日、科技庁川上行革担当室長と交渉を持ち、中央省庁等改革推進本部の作業状況、国立試験研究機関のまとめ役としての科技庁の対応方針、組合の主張する国立研の形態を維持しての改革要求に対する考えについて質しました。
<科技庁の回答>
作業をどう進めるかは、推進本部、事務局が描いて進める。8月4日に、立案方針の事務局原案が出され、9月末には、立案方針の本部決定がされる。11月下旬には大綱の事務局原案が出され、1月に本部決定され、4月頃、法案・計画の決定される。立案方針の事務局原案は、若干踏み込んだものもあるが、かなりのものは中央省庁等改革基本法と、行革会議最終報告をなぞって今後の検討課題を整理したもの。各省には、検討・具体化は求められているが、原案へのコメントは求められていない。顧問会議で意見を聴取し、若干の変更の上、本部決定される。 国立研については、議事録でははっきりと出ていないが、12日の顧問会議で、佐藤幸治顧問が、「基本法では3年から5年という期間で業務の評価がされるが、研究機関ではその期間で成果が出ないこともある。柔軟性が必要だ」という発言をされている。国立研の特徴を踏まえた検討がしていただけると考えており、具体化に期待をかけたい。 スケジュールについては、独立行政法人についてどのようなことが書かれるかだが、来年4月には法案と計画の2本が決定される。計画のうち独立行政法人化計画は、国のどの組織か固有名詞をあげ、どういう時期に独立行政法人化するか、そのために法整備する、などが盛り込まれる。例えば、国立○○病院について、2001年10月1日に独立行政法人化する、そのため、2000年の通常国会に個別の独立行政法人法を提出し、成立を期す、という形だ。 対象期間については、事務局原案は、行革会議最終報告の別表1の機関に加え、書かれていないものも広く検討対象にあげるとしている。該当機関、属する省庁の意見を聞いて欲しいとのことだが、該当機関だけでなく、各省庁の意見もぜひ聞いて欲しいと希望している。各省庁で、何らかの意見打診や議論が行われていると思う。労働組合との関係も最終報告にも、法律にもで良好な労使関係に配慮すると特段に書かれている。
2.科技庁の対応方針
科技庁の考えは、国立研は科学技術政策の中核と位置づけている。諸外国に比し、公的な研究機関の研究者の人員は少ないのが問題。国立研が行革の中で対象にあげられているが、単にスリム化でなく、大きな役割、有用な成果を出していくよう見直しがされるよう努力する。細分化されているもの、小規模なもの、重複している機能は統合しながら規模を拡大し、自由かつ競争的な環境の中、効率、効果的で、ダイナミックに研究を進められるようにと考えている。 独立行政法人は、その中で考えられ、単にスリム化で国の組織の外に出すのでなく、自由、柔軟性を持ち、国の定員管理、会計上の制約から離れ、より研究のしやすい方向で制度が組まれることを希望し、前提として考えている。目標の設定や評価の期間については、ルーティンワークをしている他のところと違う国立研の特徴を踏まえ、まったく違うものにすべきと考えている。独立行政法人は、規模、資金(国がほとんど継続的に手当)、会計制度(柔軟な使い方ができることが必要)、身分、外部資金を中心に、科技庁として推進本部に議論を仕掛けている。 省庁を超えた再編については、規模の問題、また研究開発を効率的効果的なものにするために、再編すべきものは再編すべき。 国研協(国立研究機関長協議会)の意見書は2回にわたって出されている。現場の声として推進本部に紹介した。 3.組合の主張に対する考え
諸外国にも国立研に類するものもあるが、アメリカでは国が設立し、運営は民間というのもある。ドイツでは、公益法人であるマックスプランク協会があり、いろいろな形態がある。身分についても、国家公務員であったりなかったりだ。諸外国の例ももちろん研究しているが、諸外国がこうだから、国立研でなければならない、国家公務員でなければならないという議論にはならない。一方で諸外国の国立研は遙かに大きい。また、マックスプランク協会などは、科学技術行政の中心になっている。ぜひこうしたことを参考にしてもらいたいと、事務局には言っている。 4.総合科学技術会議について
<やりとり ○国公労連・学研労協 ●科技庁>
検査検定、病院、国立研と対象が様々ある中で、具体的なものに深入りすれば、対象によって違いがでてくる。具体的なものに深入りしないで1本でいくか、そうでなく特徴を踏まえ何本立てかでいくかははっきりしていない。一番好ましくないのは、国立研をらち外において、ルーチンワークを行なう機関、手数料収入がある機関を対象に書かれることだ。国立研を独立行政法人化する上で大事な点を整理し、ポイント踏まえてはなしていこうと考えている。独立法人になっても困らないものにすべきで、組合の出しているアピールや要望をなるべく踏まえているが、現場で研究を長くやっている人の意見を聞きたいので、他にあれば言ってほしい。 科技庁は、国立研の窓口となっていない。所属する省庁ごとに議論し、事務局に意見をあげている。科技庁は、国立研全体のことを考えて訴えているが、科技庁も推進本部にすればワン・ノブ・ゼムだ。省庁を超えた統廃合は思惑が対立しており、科技庁が中心だと反発がある。当庁は、国立研の性格が幅広いことを踏まえ、全体がうまくいくよう考えているが、すべては推進本部が取り仕切っている。 事務局長は、前行政管理局長の河野さんだが、次長のうち新日鉄出身の技術屋の杉田さんが業務の合理化合理化、整理、見直しを担当している。その下に、独立行政法人、業務・組織の減量化・効率化等の担当がいる。杉田次長に対して、国立研の重要性を述べ、今よりもいいもの、研究がやりやすいものになるようにと、アポなしで話を聞いてもらっている。次長には理解してもらっていないわけではない。筑波の現場も見てもらう話も途中まで進んだが、推進本部の会議が入り、流れてしまった。しかし、推進本部全体は手探り状態で、どうなっていくか予断を許さない。 通則法は、原案を各省庁と顧問会議に同時に示し、事実上、各省庁が意見を言えないまま決められることもあり得る。 (身分・定員問題)
○全体の奉仕者である国家公務員が研究をやるから、環境技術、基礎研究、知的基盤など、パブリックセクターでしかできない研究ができるのではないか。
○国家公務員のプライドがあるから、地道な基礎研究に取り組めている面もある。
○国の組織として柔軟化すればいいのではないか? ●それを逆に言えば、ゆるくしていったら非国家公務員型との違いはどこにあるかという議論になるのではないか? ○身分の問題は9月ぐらいにははっきりするのか?
○身分保障の違いは大きい。業務の廃止もあり得、整理解雇がされる危険が生じる。
(各省横断の政策調整)
○経常研究費の問題は?
○国立研が独立行政法人化された場合、どこが横断的な政策を持つのか?
○省庁を超えた再編はどう考えているか?3月に科技庁振興局長の私的諮問機関が、統合再編して大きな研究機関を作るという構想を発表したが?
○科技庁はどんな再編を考えているのか?
その他、科技庁側は、ヒヤリングに提出しス資料の公開は検討すると回答しました。国公労連・学研労協は、最後に、必要な時期に労働組合の声を聞くよう要求、科技庁側もその要求に同意しました。 |