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中央省庁等改革推進本部は、事務局で「独立行政法人の具体的な制度設計」をまとめ、10日の推進本部顧問会議で正式決定する予定です。行政管理協会発行の行政総務週報は、「独立行政法人の具体的な制度設計」全文を掲載していますので、転載します。 独立行政法人の具体的な制度設計 1.制度全般
(1)法人の設立 2.法人の運営
(1)基本的枠組み 3、評価体制 (1)評価委員会の構成等と業務1.府省に置かれる評価委員会の構成等と業務の内容 ・委員は外部有識者から所管大臣が任命するとともに、府省において委員会の事務局機能を果たす部局を特定する。 ・業務の内容は、独立行政法人の業務の実績に関する評価基準の設定及びこれに基づく評価、中期目標への意見、各法人の中期計画・年度計画の審査、業務・組織運営に関する改善措置等の所管大臣への勧告、独立行政法人の長・役職員に対する報奨等に必要な措置の勧告等とする。 2.総務省に置かれる評価委員会の構成等と業務の内容 ・委員は外部有識者から総務大臣が任命するとともに、総務省において委員会の事務局機能を果たす部局を特定する。 ・業務の内容は、府省に置かれる委員会の実施した評価結果に関する意見表明、法人の民営化・主要な業務の改廃等の勧告、各独立行政法人に関する公表資料の取りまとめ及び公表等とする。 4、職員 (1)職員の身分等・国家公務員型について、職員の身分に関する規定を措置する。 ・国家公務員型については、国家公務員法の身分保障と同じ取扱いとする。 ・国家公務員型については、労働三権の扱いについて、国営企業労働関係法と同じ取扱いとする。 ・いずれの独立行政法人を国家公務員型とするかは、個別の独立行政法人設置法令により規定とする。 ・非国家公務員型について、独立行政法人の長の職員に対する任命権、刑法のみなし公務員規定等を規定する。 ・非国家公務員型について、労働関係は一般法を適用と解釈。 (2)処遇・福利厚生等 1.給与、勤務条件 ・職員及び独立行政法人各々の業績が反映される給与等の仕組みを法令/中期計画/法人の長の裁量決定の組合せにより導入する。 ・国家公務員型については、「国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法」より柔軟な仕組みとする。 ・非国家公務員型については、給与等の勤務条件は中期計画の範囲内ナ独立行政法人の長が決定する旨規定する。 2.年金、退職金、医療保険、災害補償、雇用保険 ・国家公務員型は共済制度を適用する。 ・非国家公務員型も共済制度を適用する方向で検討する。 ・退職手当については、国家公務員型は退職手当法の適用を検討する。 非国家公務員型についても、退職手当法により維持されていた水準を尊重(期間通算を含む)して措置する。 ・災害補償については、国家公務員型については、「国家公務員災害補償法」を適用、非国家公務員型については、「労働災害補償保険法」を適用する。 ・雇用保険については、退職手当の在り方を踏まえ、国家公務員型は適用除外の方向、非国家公務員型は適用の方向で検討する。 3.採用等 ・国家公務員型について、国家公務員法の任用に係る規定について、柔軟に適用除外や特例措置を拡大する。 ・公募の場合の独立行政法人の長、部外監事は任用規定に代わる手続を検討する。 4.服務、懲戒 ・国家公務員型は、国家公務員法の服務、懲戒に係る規定を適用しつつ、必要に応じ適用除外、特例措置も検討する。 ・非国家公務員型は、就業規則で定める。 5.宿舎の使用の可否 ・「国家公務員宿舎法」上可能な場合、貸与することとし、非国家公務員型は、法律上不可能な場合にも、現物出資等の在り方の検討も踏まえ、何らかの形で住居として使用できるような措置を検討する。 (3)人事交流の在り方 ・身分・処遇関係についての制度的取扱い(退職手当、共済給付、災害補償、福利厚生)については、人事交流の妨げとならないよう措置する。 5.資本等(資本金、出資者、増資等) (1)資本金・独立行政法人には、資本金を置くことができる。 ・土地・建物等の現物出資も可能とする。 (2)出資者 ・国は、独立行政法人の設立に当たり出資を行うことができる。(地方公共団体や民間からの出資のあり方については要検討) (3)増資等 ・必要があるときは、中期計画の定めるところにより、増資・減資を行うことができる。 (4)無償使用 ・国有財産に関しては、国から無償使用も可能とする。 6.財務・会計 (1)企業会計原則・企業会計原則によることを原則とする。ただし、各独立行政法人の特殊性を考慮し、別途「所管大臣が定める基準」によることも可能とする。 ・一定規模以上の法人については会計監査人による会計監査を義務付ける。 (2)国の予算上の措置 ・協議・認可された中期計画上の運営費及び固定的投資経費を毎年確実に手当てできるよう予算上工夫する。 ・運営費の交付はいわば「渡し切りの交付金」の性格を持つものとする。 (3)独立行政法人内での流多用 ・運営費については可能とする。 ・固定的投資経費については中期計画に定められた使途内では可能とする。 ・上記両科目間での流多用は認めない。 (4)借入金 ・独立行政法人が借入金による調達を予定する場合は、中期計画において限度額を定める必要がある。 ・運転資金(短期資金)については事業年度内償還を原則とする。 (5)余裕金の運用方法 ・余裕金の運用は安全資産に限り認める。 (6)重要な財産の処分 ・中期計画に記載することにより可能とする。計画外のものは個別に所管大臣認可(財務大臣協議)とする。 ・本来の独立行政法人の業務目的のため第三者に使用させることを可能とする。 (7)剰余金の扱い 1.中期計画期間内の扱い ・法人は企業会計原則上利益剰余金を積み立てることができる。 ・法人は、経営努力により生じた余剰金については、府省に置かれている運営評価委員会の額の認定を受けて、中期計画に定められている使途の範囲で期間中に取り崩して使用することができる。 2.中期計画終了後の扱い ・累積損失がある場合には、まずそれを補充する。 ・それで残余がある場合には、例えば半額を積み立て、半分を国庫納付(ないしは出資者への利益配分)する。 3.損失の扱い ・損失が出た場合は、繰り越せるものとする。 (8)財務諸表の作成、所管大臣への提出範囲等 ・予算、決算報告書、財務諸表等、(監査報告)は所管大臣に提出し、大臣は運営評価委員会に諮ったうえ、所要の確認等を行う。 ・予算については必要に応じ年度内も変更可能とする。 7.税制の扱い ・独立行政法人に対する課税関係(独立行政法人に対する寄附金の取扱いを含む)については、国の事務・事業の実施主体が独立行政法人へと変わることに配慮しつつ、法人の具体的な内容に応じた共通の取扱いを検討する。(国税:法人税、所得税、登録免許税、その他) (地方税:固定資産税、法人事業税、不動産取得税、その他) 8.公表事項等 ・公表事項は以下の通りとする。1)業務の概要 2)財務諸表 3)決算報告 4)中期計画・年度計画 5)府省におかれる評価委員会の評価結果 6)監事の監査結果 7)役員に関する事項 8)給与等に関する事項 9)その他 ・独立行政法人は1)〜9)の内容を公表する。 9.法人登録制度 ・独立行政法人は、その活動に際し、無数の財産法上の権利義務関係の当事者となるため、その主要事項について公示し、登記を対抗要件とすることにより、取引の相手方の取引安全の保護を図る必要があり、登記制度について通則法に以下の事項を規定する。○登記を独立行政法人の成立要件とすること ○登記すべきこととされた事項について、登記を持って対抗要件とすること ○その他 10.労働関係への配慮 ・政府は、それぞれの独立行政法人に行わせる業務及びその職員の身分等を決定するに当たっては、これまで維持されてきた良好な労働関係に配慮するものとするとされており、この点に十分配慮する必要がある。 |