=職場と行政に憲法を= 行政民主化にむけた取り組みを強めよう(アピール)

【国公労連第43回定期大会アピール】

 今、自民党政府と財界は、歴代内閣の悪政が生んだ膨大な財政赤字を、国民への犠牲転嫁で解決しようとしています。そして、国民いじめの先兵として公務員を動員するために、差別と分断を職場に持ち込む能力主義強化の人事管理システムの導入など、公務員制度改悪を具体化しようとしています。
 その一方で、特権的官僚制には何ら手を触れようとせず、そのゆがみである非民主性、秘密性、権威主義、割拠・縦割り主義、形式主義などはそのまま21世紀にも引き継ごうとしています。

 あいつぐ官僚の不祥事は、近年、特にその悪質さが増してきています。主権者国民からかい離し、国民いじめの悪政推進者としての役割を官僚が担っていることが、事態をより深刻にしています。
 私たち国公労働者の先輩達は、戦後、天皇制のくびきから解き放たれて労働組合を結成したとき、その要求の一つの柱に「官庁民主化」を高らかに掲げたことが歴史に記録されています。それは、日本軍国主義の守り手として、戦前の官僚制が機能したことへの率直な反省があったからです。
 戦後50年を経て、政治や経済が大きな転換をむかえつつあるこの時期に、公務員労働者として私たちは、歴史のなかで形作られてきた行政と職場のさまざまなゆがみにあらためて目をむけ、そのゆがみをみずからの手でただしていくことが必要です。

 そのことから、私たちは、大きな転機の時期のなかでむかえた本大会を契機に、今こそ以下の点を再確認し、新たな一歩を踏み出します。

 ○「職場と行政に憲法を」の国公労働運動の原点に立って、職場からの点検活動を強めます。
 ○特権的な人事運用に反対し、民主・公正な人事運用を求めます。そのことからも、差別分断を画策する「能力・業績主義」に反対します。
 ○国民の願いに応える行政サービス提供のためにも、必要な定員の確保、執務環境改善の運動を強めます。
 ○不透明な予算の執行については、是正を求めるとともに、行政サービスの提供に不可欠な法律の改正や経費の予算化を求めます。
 ○民間企業、特殊法人等への「天下り」の禁止と、定年まで在職できる定員、昇進体系の確立などを求めます。

 行政を担う国公労働者と国民の分断を図り、公務員労働者への攻撃を強めている政府・財界に反撃するためにも、たたかいの基礎となる職場から民主化の取り組みを強め、国民との信頼関係を高めていくことを不断に追求する決意を表明します。

1998年8月28日              
日本国家公務員労働組合連合会第43回定期大会

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