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国公労連第43回定期大会は、中央省庁等改革基本法の成立が強行される一方、7月の参議院選挙で自民党の悪政に明確な審判が下されたという激動の情勢の中、開かれた。 国公労連に結集する仲間は、この1年、「橋本6大改革」との闘いを最重点課題として取り組んできた。行革闘争では、かつてない規模の宣伝を行い、大規模署名を67万筆集約し、衆参合わせて89人の紹介議員を得るなど、国会内外の世論に働きかけてきた。中央省庁等改革基本法は成立を許したとはいえ、世論は確実に変化し、政府・自民党の進める「橋本行革」への批判が高まっている。しかし、政府・自民党は、「橋本行革」強行に固執し、公務員の削減や独立行政法人化などの行政減量化を中軸に具体化の動きを早めている。「行革」の具体化が進めば進むほど、その反国民的な問題点が明確となり、今まで以上に世論に働き掛ける条件が広がってくる。大会は、「橋本行革」粉砕、国民生活重視の行財政確立をめざす闘いをこれまで以上に発展させ、国民との「総対話と共同」を中心とする「行革」闘争に組織の総力をあげて取り組む決意を固めた。 98人勧は、史上最低の0.76%の給与引き上げに加え、55歳昇給停止の強行を盛り込むなど、「民間準拠」の姿勢を一層強めている。大企業が、長引く不況をも口実に、国際競争での生き残りをかけて理不尽な雇用・賃金破壊を進めている下で、これに「準拠」した公務員制度の「見直し」を政府・人事院が進めている。大会は、労働法制改悪に象徴されるような国家行政をも動員した雇用・賃金破壊の攻撃が強まっているもとで、制度改悪反対、雇用を守れという闘いを軸に、官民一体の闘いを大きく発展させる必要があることを確認した。また、98人勧にかかわって、不当な攻撃を仕掛けてくる場合は、毅然たる対応を図ることも確認した。 いま、政府は、社会保障制度の全面的改悪を企図し、具体化に血道を上げている。99年通常国会には、年金、医療の給付削減と負担増のための法案を提出しようとしている。大会は、国民共同の闘いの重点課題として、社会保障制度改悪反対の闘いを位置づけ、全労連・社保協に結集し、闘いを強化することを確認した。また、大会は、重要段階を迎えている新ガイドライン法制定の動きなど、平和と民主主義を脅かす策動に反対し、憲法順守職場宣言運動をはじめとした職場からの闘いと国民各層と共同した闘いを強めることを確認した。 現在、開会中の国会では、不良債権処理、景気対策等が審議されている。小渕内閣は、財政構造改革は棚上げしつつ、橋本内閣の後継として、消費税率引き下げ要求をあくまで拒否し、国民の要求に背を向ける一方で、大銀行が自らの不始末で生じさせた不良債権処理に国民の血税を湯水のように注ごうとしている。こうした小渕内閣の政治は、国民との矛盾を一層激化させずにはおかない。政府・自民党は、国民との矛盾を、公務員労働者への「行革」・減量化にすり替える策動を強めており、その矢面に立つ我々は、自らの労働条件改善の闘いと、国民本位の行政を目指す取り組みを統一的に追求してはじめて大きく前進できる、という国公労働運動50年余の歴史の教訓を再確認し、たじろぐことなく闘いを進める決意を固め合った。 今、解散・総選挙を求める国民の声は強まっており、情勢を主体的に切り開きうる条件が広がっている。我々は、この条件を活かしきるため、職場から全組合員参加で運動を強化し、国公労働者と国民の生活と権利を守り、民主、公正、効率の行政を築くための闘いに全力を挙げて取り組むことを宣言する。 1998年8月28日 |