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政府自民党は、戦後最悪の 4.3%もの失業や中小企業の相次ぐ倒産、消費税や医療 保険改悪で苦しんでいる国民のくらしを顧みることなく、悪政を推し進めています。 「日本発の恐慌は起こさない」、「金融システム安定が最大の課題」として、国民の 税金を歯止めのないままに銀行につぎ込むための仕組み作りにやっきとなっています 。 そして、このような大銀行救済策とも一体で、「危機管理」を口実にした内閣機能 強化と「小さな政府」をスローガンにした行政執行部門切り捨ての「行政改革」の具 体化が急ピッチで進められています。 中央省庁等改革基本法(行革基本法)にもとづく作業を進めている中央省庁等改革 推進本部(推進本部)は、 9月29日に「中央省庁等改革に係わる立案方針」を決定し ました。更に10月 6日には、各省に対して、民営化や民間委託、独立行政法人化の対 象となる事務・事業などを提示してきました。同本部は、11月下旬には法案・計画大 綱の事務局原案を固め、来年 1月頃の大綱の本部決定をへて、 4月には法案等を確定 し国会に提出するスケジュールも明らかにしており、行革基本法に反対する国公労連 の行革闘争は重要な局面を迎えています。
推進本部事務局が示している内容は、昨年12月 3日の行政改革会議最終報告の枠さ
え超える大「合理化」計画です。行革基本法の目玉とされる独立行政法人の対象は、
試験研究機関、国立病院・療養所、自動車検査などだけではなく、登記・供託、職業
紹介、気象観測業務、航空管制、国立学校など97機関・約25万人を行政組織から切り
離すものとなっています。公社化が検討されている郵政事業とあわせれば、55万人
・65%の国家公務員が行政減量化の対象になっています。
先の参議院選挙の結果を例にとるまでもなく、自己責任を迫り、負担増と将来不安
、社会不安を高めるだけの「構造改革」に国民の多くの皆さんが反対しています。そ
して、その世論は、消費税の廃止・率下げを8割の国民が求めているとする世論調査
(9月下旬・日本世論調査会)にも示されるように、日に日に高まっています。この
世論に依拠し広範な国民の皆さんと手を結ぶならば、行政サービスの解体である「行
政改革」をくい止めることも可能性です。
1998年10月12日
日本国家公務員労働組合連合会中央執行委員会 |