国民本位の行財政確立もとめ仲間が総決起

--11・18中央行動に全国から1600名が結集


 国公労連は18日、秋季年末闘争における柱の行動として提起してきた「行革闘争勝利11・18中央行動」にとりくみました。この行動では、日比谷野外音楽堂の総決起集会を中心に、行革推進本部や総務庁への要請行動などを展開しました。
 中央行動には、全国からの上京団、各ブロック・県国公代表をふくめて、1600名が参加、終日奮闘しました。

 ●はじめての推進本部前の要請行動を整然と実施
=昼休みの総務庁前行動には在京からも多数かけつける=
 中央行動は早朝宣伝からスタートしました。東京駅や新橋駅など5カ所でいっせいにとりくまれた宣伝行動には、夜行でかけつけた県国公代表も参加し、宣伝カーの上から国民犠牲の「行革」を許さず、行政体制の拡充の必要性などを力強くうったえました。
 その後、行革推進本部への要請行動を実施しました。推進本部が入居しているビルの前には、約200名の参加者が横断幕やのぼり旗をかかげて整列、国民生活切り捨て、国の役割を後退させる「行革」の推進をゆるさない決意をしめしました。
 この行動には、日本医労連から江尻委員長が激励にかけつけました。また、全厚生本部の加藤さん、東北ブロックの鹿内さん、近畿ブロックの伊藤さんがそれぞれたたかう決意をこめて、行革推進本部へのうったえをつづけました。推進本部前の行動は、はじめてのとりくみでしたが、参加者の協力のもとに整然とおこなわれ、短時間でも決意と熱気あふれる行動となりました。
 昼休みには、総務庁前の要求行動がとりくまれ、上京団参加者にくわえ、霞ヶ関など在京の職場からもたくさんの仲間が集まりました。
 国公労連安部副委員長の主催者あいさつ、公務共闘吉田事務局長の激励・連帯のあいさつのあと、3名の代表が宣伝カーに登壇し、たたかう決意をのべました。「職業安定所では、2時間待ちの状態だ。大幅増員かちとるため、全力でたたかう」(全労働埼玉支部・山口さん)、「国の公共事業の地方自治体おしつけは、災害対策などでも大問題だ。国民本位の公共事業推進のため、官民一体でたたかう」(全建労本部・大塚さん)、「キャラバン行動にとりくんだ。当局要請では、逆に労働組合への声援もうけた。シンポジウムなどをとおして、国民的に考え方をあきらかにしていく」(東海ブロック・加藤さん)など、職場や地域の現状をふまえた発言があいつぎました。総務庁前行動は、最後に、東京国公三井事務局長の団結ガンバロウでしめくくりました。

 ●労働組合や職員の声に耳をかたむけ、拙速な作業はやめよ
  =ブロック国公代表が行革推進本部事務局に申し入れ=
 10時30分から、小田川書記次長を責任者に、各ブロック国公代表10名で行革推進本部事務局に対し、作業中止と国民生活を支える行財政改革の実現をもとめて、要請・申し入れ行動をおこないました。事務局側は、渡壁参事官(独立行政法人担当)外2名が対応しました。
 行動参加者からは、「行革基本法にもとづく具体化の検討状況が、職員には全く知らされていない。説明責任を果たさないで、職員の労働条件を一方的に変えるのか」「効率化一辺倒の独立行政法人化では、行政サービスの低下は避けられない」「民営化が先行したNTTでは、利潤追求の弊害といえる通信事故が起きている」「公務員べらしのための行革では国民生活に重大な影響がでる」「地方切り捨ての行政改革はやめるべきだ」「数あわせの行革論議が先行し、行政の充実論議は行われていないのではないか」などの発言があいつぎ、事務局の検討姿勢、内容を厳しく批判しました。
 これに対して、事務局側は、「独立行政法人は、国がやらなければならない事務の運営形態の見直しだ。独立の名で誤解されているが独立採算性は前提としていない」としたうえで、「地方支分部局の整理は、国民の利便性に配慮しつつ進めることで各省と論議中」などの弁明に終始しました。
 また、11月20日にも、法案大綱などの事務局原案決定の報道があることをただしたことにたいし、「決定ではない」としつつ「20日を目途に作業を進めている」ことをみとめ、「計画大綱については、各省との論議のつまり具合もあり、事務局としての考え方は示すことになるが、そのレベルは一様ではないと思う。事務局だけの考え方を押しつけることにはならない」とのべました。
 最後に、「基本法にもとづく行革具体化が事務局の仕事としても、職員の不安を高め、やる気をなくすことまでが目的では無いはず。もっと労働組合や職員の意見に耳を傾け、拙速な作業はやめるべきだ」とあらためて主張し、要請を終えました。

 ●どんなに大切な仕事をしているのかもっと訴えてほしい
  =日比谷野外音楽堂の決起集会に寺島アキ子さんが激励=
 この日の行動のメインとなった「総決起集会」は、全動労の仲間の「潮太鼓」の勇壮な響きにもはげまされて、意気高く幕をあけました。
 国公J連福田書記長の開会あいさつのあと、藤田委員長が主催者あいさつし、「小渕内閣の支持率は20%まで低下した。そのなかで政府のあせりもある。『行革』に対する各省庁当局の抵抗は、われわれのたたかいの反映でもある。政府や推進本部の動きに一喜一憂せずにがんばろう」と奮闘をよびかけました。
 激励のあいさつでは、はじめに脚本家の寺島アキ子さんが登壇、「氷点」「判決」などの名作ドラマを生みだしてきた寺島さんは、現在、国立国語研究所の評議員をつとめています。その立場から、「独立行政法人化されようとしている国語研究所は、日本語を守っていくうえで大切な機関です。国民にはなかなか見えにくい仕事もありますが、みなさんがどんなに大切な仕事をしているのか、もっと声に出して訴えてもらいたいと思います」と、国公労連の運動を激励しました。とつとつとして話しかけるような寺島さんの一つ一つの言葉に、参加者は熱心に耳をかたむけていました。
 そのほか、日本共産党の松本衆議院議員、民間組合を代表して医労連の前川書記長、公務共闘の福島議長から連帯・激励のあいさつをうけました。
 行革をめぐる最新の情勢や今後のたたかいを中心にした、小田川書記次長(行革闘争本部事務局長)の基調報告のあと、4単組からのアピールがつづきました。全医労は、現地から上京した2名の看護婦の仲間とともに、大田病院のたたかいへの支援をうったえました。つくばから参加した全通産の岡田さんからは、研究機関の独立行政法人化に反対するたたかいが報告され、全運輸からは、車検や航空管制をきりすてる「行革」に反対する全国のとりくみが紹介されました。最後に全法務がお得意の「パフォーマンス」を披露、サッカーのユニフォームで登場した青年たちが、行革攻撃をサッカーボールにたとえてけりとばし、小渕首相にレッドカードをつきつけて退場させると、場内からはやんやの喝采がわきおこりました。最後のアピールとして、すべてのブロック・県国公の代表がのぼり旗をかかげて登壇し、地域からたたかう決意を高々としめしました。
 集会アピールを採択したあと、西田副委員長が閉会あいさつし、最後は、参加者全員で団結ガンバロウを三唱し、元気よく銀座通りへのデモ行進に出発しました。
 日比谷公園の木々もすっかりと色づき、秋が深まるなか、行動が終わるころには、寒さもひとしお身にしみる一日でしたが、参加者はたたかいの決意を胸に職場へ、地域へと帰っていきました。


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