国公労連が行革シンポジウム
「いま公共性を問い直す」をひらく

(国公労連「行革闘争ニュース」1998年12月18日付)

 国公労連は、12月17日(木)夜、東京千代田区・弁護士会館講堂で「シンポジウム・いま公共性を問い直す」を開き、15単組、31ブロック・県国公、部外参加者など計168人が参加しました。
 シンポジウムは、シンポジストに八木俊道氏(日大教授、前行革会議事務局次長)、竹下譲氏(神奈川大学教授−イギリス行政組織専攻)、桜井徹氏(日大教授−公共企業論専攻)を迎え、コーディネーターは浜川清氏(法政大学教授−行政法専攻、行財政総合研究所専務理事)がつとめました。
 今回のシンポジウムは、事務実施部門の公共性をあらためて問い直すものとし、具体的には、独立行政法人問題を議論の中心におき、
 1.独立行政法人制度が目玉とされた理由
 2.既存の特殊法人の制度・運用の実態と問題点
 3.イギリスとの制度比較による独立行政法人制度の特徴と問題点
 4.実施部門の公共性をどう確保するか
 について、解明することをめざしました。
 八木氏は、独立行政法人を構想したのは、「日本はドイツ法的ながちがちの体制であり、国家行政組織の枠内では、自律性をもった組織を作るのは難しいので、国と別の法人格をもたせた」、「独立行政法人は民営化をめざすものではない」と述べました。竹下氏は、「イギリスのエージェンシーと独立行政法人は形は似ているが、全然別のもの」、「イギリスでは、効率化、合理化ではなく、現場の裁量を活かすことを目的にエージェンシー化している」と述べました。桜井氏は、「日本の特殊法人は、政府の規制が非常に強い。それと同様になるのではないか」、「独立行政法人化は、民営化を念頭に置いて中間項として位置づけられている。総務省評価委員会で、民営化・主要業務の改廃まで勧告される仕組みだ」と述べました。
 シンポジウムの議論を通じて、独立行政法人がなぜ構想されたか、制度の特徴と問題点は何かについて、踏み込んだ解明がなされ、「筑波の多くの人が聞くべき内容。八木氏の話は、行政の側の姿勢がよく見えた気がする。イギリスのエージェンシーとの違いも何となく分かった」(筑波の研究者)などの感想が寄せられています

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