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本日(1月26日)、中央省庁等改革推進本部は、「中央省庁等改革に係る大綱」(行革大綱)を決定した。政府は、この行革大綱にもとづく内閣法や行政組織法、各省設置法、「独立行政法人通則法」などを今通常国会で成立させるために、4月中にも法案決定をおこない、国会に提出するとしている。 決定された「行革大綱」は、5機関(約4700名)の民営化・廃止、84機関・事務(約67000名)の独立行政法人化、民間委託や規制緩和等による行政責任の切り捨てなどにより「10年間で25%」の国家公務員「純減」目標を盛り込むなど、行革基本法さえ上回る「大リストラ計画」がその中心となっている。国民生活にとってはいうまでもなく、国公労働者にも多大の犠牲を強いる「行革大綱」の決定は、断じて容認できるものではなく、怒りをこめて抗議する。 政府は、1月19日に召集された第145回通常国会に、「新ガイドライン法」、大企業・大金持ち減税、年金・医療改悪など、平和と民主主義を脅かし「福祉国家」を形骸化する悪法と、ゼネコン救済の破滅型予算を提出している。そればかりか、厚生年金の民営化、消費税率の大幅引き上げなどの検討さえはじめている。首相の発議権や、財界による「行政乗っ取り」を意図した内閣府の設置や国立病院・療養所や国立試験研究機関など実施部門の「減量化」に力点をおいた「行革大綱」の決定は、それらの悪法推進と一体のものである。アメリカいいなり、財界いいなりの行政に「改革」するための首相権限強化であり、国民の税金を今まで以上に大企業のために使うための実施部門切り捨てであることがさらに明白になってきている。
「行革大綱」が、自自連立という政治的取り引きによって、いっそう国民生活に背を向けた内容に変質させられたことも見逃せない。副大臣制導入や、政治的任用の拡大は、法による憲法理念の実現という行政責任の後退を危惧させるものである。「総定員法に規定する対象定員の上限を10年で25%(14万人)削減」とする「覚書」にそった公務員削減が、独立行政法人化や民間委託のさらなる拡大などの強制につながることは必至である。
国公労連のたたかいは、いよいよ正念場を迎えることになる。
1999年1月26日 |