行革推進本部・顧問会議
独立行政法人の身分も5年ごとの見直し対象
4月27日の法案閣議決定を確認

(国公労連「行革闘争ニュース」99年4月20日付)

 4月15日に開かれた中央省庁等改革推進本部顧問会議では、小渕首相が「遅くとも27日には法案を閣議決定し、併せて方針を作成する予定」とのべています。また、当日の顧問会議では、独立行政法人職員の身分などの制度内容などに意見が集中した模様です。
 なお、方針決定にあたって、昨年8月に小渕首相が表明した「行政経費の(10年間)30%削減」にもとづく具体化方針を盛り込むことで最終調整がおこなわれていることも明らかになっています。

【中央省庁等改革推進本部顧問会議第13回議事概要の抜粋】
(1)小渕総理大臣から、概略次のあいさつがあった。
 * 17本の関連法律案及び方針案の策定作業は大詰めの段階である。政府としては遅くとも27日には法案を閣議決定し、併せて方針を策定する予定。
 * 新たな省の名称については、後藤田元副総理を始めとする各界の有識者の方々にご検討をお願いしていたが、その検討結果についてのご報告等を踏まえ、自分の判断として、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省と決定した。また建制順についても、この順番、すなわち、原則として母体となる省の順番によることとした。

(2)
 1)独立行政法人通則法案、整備法案及び方針案の関連部分、2)方針案のうち「スリム化計画」及び「審議会の整理合理化計画」の部分につき、事務局から資料に基づき説明があり、これを受けて概略次の議論が行われた。
(意見)
 * 独立行政法人の身分につき、基本法が目指しているのは国家公務員の身分を与えないものであり、国家公務員の身分を与える独立行政法人は一部例外的であるはずである、5年ごとの見直しの際には当該法人の身分についても見直して頂きたい。
(事務局)
 * 基本法の解釈としては、国家公務員の身分を与えるもの与えないもののどちらが原則ということはない、身分の見直しについては通則法案の中の「中期目標の期間の終了時において、当該独立行政法人の業務を継続させる必要性、組織の在り方その他その組織及び業務の全般にわたる検討を行い」という部分の対象となっている。
(意見)
 * 国家公務員の身分を与えない独立行政法人の数が増えていくべきであるとの点は賛成だが、国家公務員の身分を与える独立行政法人であっても自由度、透明度が高まり評価システム等の制度設計はかなりよくできておりこれは評価したい、ただし見直しはしっかり行う必要がある、また、国家公務員の身分を与えない独立行政法人へのインセンティブを与えることも必要との意見があった。
 * 国家公務員の身分を与える意味は、身分保障の面が半分、職員に使命感を与えるのが半分であり、できる限り国家公務員の身分を与えない独立行政法人にすることが望ましいのはそのとおりであろうが、国家公務員の身分を与える独立行政法人では意味がないということはない。
(意見)
 * 独立行政法人の長が採用する場合、公務員試験を受けない者を採用しても公務員になるのか、民間から任用された職員を公務員と考えるのかといった問題についても考えて頂きたい。
(事務局)
 * 任用の仕方自体が、現在の一般職公務員よりも独立行政法人の方がゆるやかであるので、試験によらない採用という弾力性は増してくる。
(事務局)
 * 国家公務員の身分を与える独立行政法人であっても営利企業ではないものとの兼業のようにゆるやかになる部分はあるが、営利企業への就任についてはあまりゆるやかにはならない。
 また、一律の俸給表の適用ではなく、業績に応じてメリハリのきいた給与支給が可能になる。
(意見)
 * 独立行政法人についてしっかりした制度ができるのに比べて特殊法人の見直しのタイミングであるが、設置法等の成立後早急に進めて頂きたいった。
(事務局)
 * 一連の法案が成立後特殊法人についても見直しが進められるべきものである。
(意見)
 * 造幣・印刷事業について、大蔵省内の懇談会の結論が出た後、組合に話もないままに独立行政法人化が決められ、然るべき手順が踏まれていない。
(事務局)
 * 労働界の代表も加わっている大蔵省内懇談会の検討を待ってほしいとの労働界の声を受けて待っていたところ、同懇談会からは国営維持が望ましいが条件が満たされれば独立行政法人化もあり得るとの答申が出された、これを受けて自民党としても今朝独立行政法人化を決めた模様である、今後大蔵省当局と組合との間で話し合いがなされることになるものと思う。


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