この宣伝参考例集は、「全国キャラバン行動」で掲げる課題の内、新ガイドライン法反対、行革法案反対を中心に、国公労連としての訴えのポイントを簡記したものです。 各課題毎に、センテンス単位でも訴えられるように考えて作成 しています。 宣伝時間や取り組みの内容などに応じて、活用して下さい。(99年4月 国公労連行革対策部)
イントロ
ご通行中のみなさん、○○市民のみなさん こちらは、働く仲間くらしと平和をまもるために活動している国民春闘共闘委員会と全国労働組合総連合(全労連)です。私たちは、今、ガイドライン(戦争協力)法案や国民に犠牲を強いる行財政改革に反対し、不況打開をめざして全国キャラバン行動に取り組んでいます。 国家公務員労働者の労働組合、国公労連(○○都道府県国公)もこの運動に参加し、その成功のために微力をつくしています。 私たちの仲間が配っていますビラをご一読いただき、私どもの運動へのご理解とご支持をお寄せいただくとともに、署名にご協力をいただきますようお願いいたします。
その1・ガイドライン法
みなさん、いま国会では、アメリカが引き起こす戦争に、無条件で日本が参戦することをねらった「新ガイドライン法案」の審議が重要な局面を迎えています。政府は、小渕首相が訪米する連休前にも、この法案を衆議院通過させるために、一部野党も巻き込んだ「修正」を狙っています。しかし、憲法が禁止している武力行使に道を開く法案は、一部の手直しで、問題が解決する訳ではありません。戦争のための法律である新ガイドライン法の成立を許さないため、ご一緒に力をあわせ、反対の声を強くあげましょう。
新ガイドライン法は、アメリカが勝手にはじめた戦争や地域紛争への介入を、政府が「周辺事態」と認めれば、自衛隊を協力・支援の名で戦争に参加させるだけでなく、民間の空港や港の優先使用、弾薬や兵器の輸送、輸送のための道路や通信施設などを戦争目的で優先使用し、地方自治体や民間、国民も動員する戦争法案です。このような支援・協力は、国際法上は明確な戦争行為です。日本を直接戦争に巻き込み、国民の財産や権利までも制限する戦争法案に反対の声を大きくしていきましょう。
新ガイドライン法は、平和と国民生活にとって、多くの問題点を持っています。
○ 現在の日米安保条約では、日本が他国から攻撃された場合に限っって、自衛隊と米軍が共同対処することになっています。ところが、新ガイドライン法案では、日本が攻撃されていなくても、「日本の周辺」で米軍が戦闘に入れば「後方支援」で共同作戦に入ることが明記されています。日米安保条約の枠組みさえこえる内容です。
○ 「日本の周辺」で米軍が紛争に介入すると、米軍の要請にもとづいて政府が国会にもはからずに支援の「基本計画」を策定することとされています。朝鮮半島が緊迫した94年に出された在日米軍の支援要求では、成田、関西、福岡などの民間主要空港や主要港湾を米軍施設として提供することなど1000をこえる項目が示されたことが明らかになっています。自衛隊が水、食糧、燃料などの補給や、兵員・武器の米艦船への輸送など、日本の外に出て米軍を支援することに加え、日本が米軍の前線基地化するのが新ガイドライン法の中味です。自衛隊が領海の外にでるときだけ、国会の事後承認とするような修正で、問題が解決する訳ではありません。
○ 新ガイドライン法案は、地方自治体や民間の協力を盛り込んでいます。空港や港湾、などの施設利用だけではなく、労働力を米軍に提供し、民間にも兵器や軍需物資の輸送、港湾荷役などで協力させることを想定しています。政府は、「協力依頼であり強制はしない」といいながら「日本有事の際に協力しない人は考えられない」とも言っています。戦争に協力しない人を非国民として排除し、国民の権利や財産をふみにじった過去への反省すらないままに、法案の審議が進められているのです。
みなさん、21世紀をむかえようとしているこの時に、戦争をしないと誓った平和憲法を踏みつぶす暴挙を許すわけにはいきません。いま、自治体や陸・海・空の交通運輸関係で働く労働者、文化人、学者、宗教者、市民団体、消費者団体、農民など、あらゆる分野の人々から、新ガイドライン法案・戦争協力法案反対の声があがっています。
戦争を憎み、平和を愛する心を一つにし、力をあわせて新ガイドライン法・戦争協力法を阻止するために力をあわせましょう。
その2・労働法制 みなさん、いま、政府・自民党の悪政・失政がまねいた深刻な不況が、労働者・国民の生活を大変な状況に追い込んでいます。不況をここまで深刻にしたのは、97年に消費税を5%に引き上げ、医療費負担の増で、消費を冷え込ましてしまったからです。しかし、政府・大企業は、消費をあたためる施策ではなく、不況を口実にしたリストラ「合理化」を強化し、さらに事態を深刻にしています。
その結果が、雇用の悪化にも直結し、本年2月の労働力調査では、完全失業率が史上最悪の4.6%となり、失業者数が313万人に及んでいることが明らかにされています。
このような状況のもとでも、政府・財界は、労働者・国民のために雇用・失業対策に有効な手だてを講じようとはしていません。大企業は、いざという時のために非課税でためこんできた130兆円こえる膨大な内部留保を抱えていながら、このような困難な情勢を打開するために社会的な責任を果たそうとしていません。国際競争力の維持を口実に、大企業が率先して大規模なリストラ「合理化」策を発表し、雇用不安をさらにあおっています。
政府・自民党は、こうした大企業の横暴を規制しないばかりか、雇用・失業や将来不安を一層拡大する施策を規制緩和の名で進めています。
派遣労働者の権利侵害があとを絶たない状態は放置したまま、労働者の使い捨てにつながる派遣対象業務の原則自由化などの労働者派遣法の改悪や、職業紹介事業への民間企業の参入自由化などの職業安定法の改悪を進めようとしています。いま切実に求められている有効な雇用・失業対策をとらないだけではなく、企業が強く望んでいる正規・継続雇用から臨時・短期雇用への転換を後押しし、リストラ「合理化」を進めやすくしようというのです。不安定な雇用関係、安上がりの労働者を拡大することは、雇用・労働条件の大幅な引き下げと社会不安を拡大しかねません。
私たちは、こうした法律の改悪に反対し、サービス残業の規制や労働時間の短縮で雇用を創出するなど雇用不安解消のために国の積極的な対策を求めて運動を進めています。企業の一方的な解雇を規制する「解雇規制法」の制定など、企業の横暴を規制し労働者の働く権利をまもる政府をもとめる私たちの運動へのご理解とご支持をお願いします。
その3・財政問題 みなさん、長引く不況のもとで、多くの方は、景気の回復、国民の暮らしと営業を改善するために、国や地方自治体が積極的な役割を果たすことを求めています。しかし、政府・自民党が国会審議史上、最速で強行決定した新年度の国の予算にも見られるように、多くの国民の願いは踏みにじられています。
予算の目玉とされた「9兆円規模の減税」は、国民多数が望んでいる消費税減税ではなく、一握りの高額所得者の金持ち減税と大企業中心に恩恵を及ぼす2年連続の法人税減税にすり替えられました。納税者の7〜8割をしめる年収794万円以下の所帯では前年度に比べ実質増税となり、この層では新たに1兆円の増税となっています。これでは、消費が拡大するはずはありません。
税金の使い道も、相変わらずの大型開発事業優先とする一方で、社会保障費を自然増の範囲に押さえこみ、深刻な経営難にある中小企業対策費や校舎などの整備が放置されている教育費などは微増にとどまっています。増税による負担増だけではなく、国民生活の深刻な状態に手をさしのべることも差し控える内容です。また、水増し請求の疑惑が明らかになった防衛費も、聖域扱いで手つかずのままです。
国と地方自治体をあわせて、大規模開発中心の公共事業には50兆円も使いながら、社会保障には20兆円しか回さないという世界でも例を見ない逆立ちした財政や、世界第2位の軍事費の支出はそのままにして、国民生活関連の医療や福祉、教育を真っ先に削る浪費・放漫の財政をやめさせなければ、大変なことになりかねません。
1999年度末の国債発行残高・借金残高は、国の予算4年分に匹敵する330兆円にまで膨らませています。国と地方自治体の借金をあわせると600兆円を超え、国民一人あたり500万円という多額なものになっています。
国や地方自治体の財政がこのような破綻寸前の状態になったのは、福祉・介護や医療に税金をつぎ込んだからではありません。福祉充実のためといって導入された消費税ですら、社会保障には数%しか回されていません。ですから、介護保険の実施が目前にせまっているにもかかわらず、特別養護老人ホームなどの施設が不足し、入所待ちの人が定員をこえると言った深刻な事態さえ起きているのです。財政赤字の原因は、大企業や大手ゼネコンには大盤振る舞いする財政のむだと浪費が、「政・官・財」ゆ着のもとで続けられてきたからです。国と地方自治体の財政運営を転換し、浪費にメスを入れ、国民の暮らしと営業を守る方向に切り替えることが何よりも必要になっています。
私たちは、国民が安心して暮らせるために、消費税減税や年金・医療・介護、福祉など社会保障制度の充実をはじめ、国民本位の行財政の確立をめざして、運動を進めています。
その4・行政改革(中央省庁再編)の1
みなさん、1府12省への省庁再編や、国民生活関連の国の出先機関を民営化、独立行政法人化する行政改革の法案が国会で審議されようとしています。
福祉や雇用など国民生活にかかわる労働省や厚生省の仕事は小さくし、例えば、国立病院の統廃合や民間移譲、独立行政法人化などを進めることで、国家公務員を25%も減らそうとしています。その一方で、中央省庁の利権構造には手をつけず、首相に権限を集中して防衛や外交、大規模開発などを重点的におこなう国に変えようとしています。福祉、教育、雇用など国民生活を大切にする国の責任を投げ捨てる中央省庁再編に反対して、私たちは取り組みをすすめています。
行政改革では、国民が国や行政に過度に依存していると決めつけて、「個々人の自己責任と自助努力」が強調されています。そして、福祉や教育、雇用など国民生活にかかせないサービスも市場にまかせ、そのような分野から国が撤退することが考えられています。福祉や教育も雇用も金次第の社会に変えていく突破口が「中央省庁等改革」です。
そのことから、国家公務員の25%削減でも、地域の医療体制で大きな役割を果たして国立病院や、営利目的ではできないけれど国民の生活向上にとって欠かせない研究をしている国立研究機関、文化の継承と発展に寄与している国立博物館などを真っ先に国から切り離して、もう国の仕事ではないとして独立行政法人化しようとしています。さらには、教育の基盤を支えている国立大学の独立行政法人化も検討されています。真に豊かな社会は、営利目的だけでは成り立ちません。国民の生活の基盤を支える社会保障、基礎的な研究活動、文化の継承、教育の保障は国の重要な役割です。そのことを否定する独立行政法人に、私たちは反対の取り組みを進めています。
行政改革では、治安や防衛、外交や経済政策などを国の重点的な役割と位置づけ、その基本政策、重要政策について、内閣総理大臣が自らの考え方に基づく方針を閣議に押しつけることができるようにしたり、政策の企画、立案、調整を行うためのスタッフを総理大臣の思いのまま、自由に採用できる仕組みを置くなど、大統領的な首相権限の強化もめざされています。いま日米新ガイドラインに基づく、アメリカへの戦争協力、自衛隊の海外出動などが、国会の関与もなしに強行できる戦争協力法が審議されていますが、日本を戦争に巻き込む決定を首相がトップダウンでも決定できる仕組みが、行革の名で作られようとしているのです。政府が進めている行政改革は、この国の平和と民主主義にとって、見過ごすことのできない重大な問題を含んでいます。
私たちは、このような「行政改革」に断固反対する取り組みを全国で展開しています。私どもの運動へのご理解・ご支持をお願いします。 その5・行政改革の2
今、政府が進めている「行政改革」では、「国の行政組織等の減量、効率化を徹底的に進める」として、国民生活にとって身近な行政機関の、廃止、民営化、民間委託、独立行政法人化、地方出先機関の整理統廃合などが打ち出され、これらをあわせて、全体として国家公務員を10年間で25%約14万人を削減する行政サービスの大幅な切り捨てが進められようとしています。
減量化の目玉となっている独立行政法人化では、国立病院・療養所、自動車検査、国立試験研究機関、博物館・美術館など国民生活に関わる事務・事業があげられ、当面90機関(約7万5千人)を行政から切り離すものとなっています。この独立行政法人化の対象にあげられている事務・事業は、現在、国が直接実施している事務・事業であり、国民生活の維持や、安定的な社会発展などのために最低限確保するのは国の責任です。
独立行政法人は、公共性よりも採算性、簡素・効率性の追求が優先されることから、企業的な効率・成果の競い合いや、利用率、収益・余剰金の多寡などにより、提供するサービスの内容に、地域間の格差などが持ち込まれることにもなりかねません。
私たちは、これらの仕事を国の行政組織から切り離すことは、国民に対する国の責任を曖昧にし、行政サービスを切り捨てることになると考え、独立行政法人化反対の取り組みを進めています。
今まで国がやっていた仕事を民営化したりすることは、単に公務員を減らすだけではありません。無料であったサービスが有料化されたり、料金や地域によってサービスの内容に差がでるなど、あるいは地方にある国の出先機関が廃止されるなど大ききな混乱をもたらしかねません。今でも、多くの国民の皆さんが、「国は頼りにならない」と感じています。税金は取られてもサービスは保障されないこの国かたちはおかしい、国民の皆さんの声を聞かずに進められる行政サービス切り捨ての減量化・公務員削減はやめろ、の声を強めていただきますようお願いします。また、国民生活無視で進められる行政改革に反対する私どもの運動と署名にご協力をお願いします。
多くの国民のみなさんが「行政改革」に期待したのは、高級官僚の汚職・腐敗や、構造的な「政界・官界・財界」の癒着をなくすことではなかったでしょうか。そのために、高級官僚の「天下り」や、企業・団体からの政治献金の禁止、情報公開の制定などガラス張りの行政実現とういった行政の民主化と、癒着の温床になっている税金のむだ遣いの是正をめざした改革こそ必要です。しかし、政府が進めようとしている「行政改革」は、その期待に応えないばかりか、政治的な駆け引きが先行する数あわせの省庁再編や、国民サービス関連行政の統合・縮小・民営化などにすりかえています。そればかりか、これまでより内閣に権限を集中した国家に再編しようとさえしています。られようとしています。
みなさん、多くの国民の皆さんの願いに逆行する「行政改革」に反対し、国民本位の行財政の実現を求める私たちの要求と運動に、ご理解とご支持をお寄せいただきますよう心からお願い申し上げます。
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