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1.本日閉会した第145回通常国会は、日本の進路を左右する鋭い対決の舞台となった。国公労連は、中央省庁等改革関連17法案をはじめ、憲法を踏みにじる反動的諸法案とのたたかいを国会最終日まで、国民との対話と共同を重視し、組織の総力をあげてたたかった。 しかし、小渕内閣は自民、自由、公明3党連立による数の支配で、国権の最高機関を悪法製造工場につくりかえ、労働者・国民の世論と批判を無視し、でたらめな議会運営で数々の悪法を強行した。国公労連は、一方的に会期を57日間も大幅延長したことと合わせ、議会制民主主義を蹂躙した、自・自・公路線による暴挙に強く抗議する。 2.この国会では、99春闘最大の課題に位置づけた行革闘争がたたかわれた。中央省庁等改革関連17法案と地方分権一括法案は7月8日、自民、自由、公明、社民党などの賛成で成立した。「この国のかたち」を決める700本もの法改正を含む法案を、衆・参議院合わせて146時間という不十分な審議を通じても、政府・財界の反動的な国家改造計画の本質が浮き彫りになった。 官僚の汚職や腐敗に対してメスを入れ、公平・公正なガラスばりの行財政を確立することが本来、行政改革の中心課題である。行革闘争は、法案成立をうけて新たな段階に入った。1府12省庁体制への移行、国家公務員の25%削減、独立行政法人化個別法の段階でのたたかいなどを通じ、国民本位の行財政を確立するために、国民的な共同を広げてたたかう決意を表明する。 3.戦争法(新ガイドライン法)とのたたかいは、国民的な最大の焦点になったが、5月24日、自・自・公の連立で法案を強行した。これを契機に、憲法調査会を設置する国会法の改悪、労働者派遣法・職業安定法の改悪、「産業再生」法、「日の丸・君が代」法制化などの悪法を次々に強行した。とりわけ国会最終盤の異常さは、国会史上に残る汚点である。盗聴法案では委員会採決をでっちあげ、住民基本台帳法案では委員会採決を行わないなど、前代未聞の事態といえる。この凶暴な姿勢は、悪法の本質を国民に知られることを恐れた結果でもあり、追いつめられているのは、悪法を強行した側である。私たちは、このように不正常な形で成立した法律で行政の変質を迫られ、あるいは市民としての良心まで抑圧されることは、到底受け入れがたい。国会解散・総選挙で、国民の信を問うことが重要である。 4.通常国会での相次ぐ反動法案に対するたたかいは、新たな共同の広がりをつくりだした。戦争法に反対する陸・海・空・港湾20労組と宗教団体の呼びかけによる大集会の成功、平和を願う女性たちの草の根の行動の前進、「日の丸・君が代」法制化や盗聴法に反対する従来の枠をこえた幅広い共同の広がりなど、悪政の流れをかえる確かな展望を築きつつある。 今国会の状況は、21世紀の国のあり方をめぐるせめぎ合いが、正念場を迎えていることを物語っている。改憲や有事法制の制定につながる「戦争をする国」か、それとも平和憲法を生かし、国民の基本的人権が花開く国なのか、二つの道の選択が迫られている。憲法遵守の義務をもつ私たち国公労働者は、「戦争をする国」への道に反対する決意をあらためて表明する。21世紀に憲法の花咲く社会を築くために全力をあげるものである。 1999年8月13日
日本国家公務員労働組合連合会 書記長 福田 昭生 |