大会宣言
(国公労連第45回定期大会)
 中央省庁等改革関連17法案や戦争法、「日の丸・君が代」法など「戦争をする国」への「改革」が急速に具体化される世紀の転換期に、私たちは国公労連第45回定期大会を開催した。

 私たちはこの1年間、行革闘争を中心にかつてない規模の大量宣伝や大規模署名をとりくみ、衆参合わせて105人の紹介議員を得るなど、国会内外の世論に働きかけつつ、政府・推進本部、各省当局との交渉を強化してきた。法の成立は強行されたが、不十分な国会審議のなかでも「行革」の狙いが国民生活を切り捨て、大企業の行政乗っ取りに道を開くとともに、軍事大国をめざした「この国のかたち」の実現にあることがいっそう明らかとなった。
 大会では、反動的な「改革」に反対し、全労連が提起している雇用・反失業対策、介護保険制度の充実、戦争法の発動反対の緊急3課題での運動と結合させ、国民との「総対話と共同」を柱とする行革闘争を、引き続き組織の総力をあげて展開することの重要性を確認しあった。同時に、25%定員削減等の行政スリム化計画の具体化を許さず、独立行政法人化をはじめとする攻撃から仲間の雇用・身分・労働条件を守るとりくみを強化することも意思統一した。

 99人勧は、史上最低を更新する0.28%のベアと一時金の0.3カ月削減など、年収ベースの賃金水準が初めてマイナスとなるきわめて不満なものであった。調整手当の改悪先送り、福祉職俸給表の新設、一時金の基準日条項見直しなど、たたかいの一定の成果はあったが、国際競争での生き残りをかけて理不尽な雇用・賃金破壊を進めている民間大企業に「準拠」した「賃下げのサイクル」を、はね返すまでには至らなかった。政府・人事院は、「能力・実績主義」の強化をはじめとした公務員制度の改悪を強めているが、それ自体が効率・コストを重視した民間営利企業の人事管理への準拠を狙うものである。
 大会では、こうした状況を打開し、社会的な賃下げや雇用・労働条件破壊の流れを変える官民一体のたたかいを、飛躍的に発展させることの重要性を確認しあった。

 「日の丸・君が代」法が強行され、政府は各行政機関での掲揚・斉唱を指示する意向を示している。また、戦争法が8月25日に施行されたもとで、自治体や民間に対する「協力要請事項」が具体化されつつある。盗聴法の「成立」、憲法調査会設置なども合わせ考えれば、日本は平和と民主主義、基本的人権をないがしろにする国へ、ひた走っているといわざるを得ない。
 大会では、憲法を尊重・擁護する義務を負う国家公務員労働者として、改めて憲法の規定に沿った国民の基本的人権の実現をめざす行財政と司法を確立するため、国民各層との共同をさらに発展させること、二度と戦争に加担しない意思を固め合うことを再確認した。そのため憲法学習を強め、「憲法遵守職場宣言」の全職場での採択をめざすことを意思統一した。

 いま、議会制民主主義を蹂躪し、数々の悪法を強行した自自公「野合政権」に対する国民の怒りは頂点に達している。戦争法に反対する陸・海・空・港湾20団体の呼びかけによる大集会の成功や、盗聴法に反対する従来の枠を超えた幅広い共同の前進は、悪政を断ち切る確かな展望をひらきつつあり、解散・総選挙を求める声は日増しに高まっている。
 私たちは、21世紀につなぐ最後の1年を、国公労働者と国民の生活と権利を守り、民主・公正・効率的な行財政と司法の確立、日本と世界に真の平和を実現する幕開けの年とするため、すべての仲間の知恵と力を総結集して、職場・地域からたたかい抜くことを宣言する。

1999年8月27日
          日本国家公務員労働組合連合会


トップページへ  前のページへ