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本日、政府は、2001年4月などに設立をめざす独立行政法人の個別法案等を閣議決定した。決定された法案は、「独立行政法人個別法案」(86機関・事務、59法人)、「独立行政法人の業務実施の円滑化等のための関係法律整備法案」(特定独立行政法人職員への公務員倫理法の適用など)、「中央省庁改革関連法施行法案」(2001年1月からの新省庁への移行日を決め、省庁再編にともなう作用法の整備を行うなど)であり、約1400の法律に関連する膨大なものである。政府は、これらの法案を、99年度予算第2次補正案を提出する11月下旬前にも成立させようとしている。国の行政責任や、行政サービス実施のあり方が問われる法案の審議を極めて短時間で終わらせようとする政府・与党の姿勢は極めて不当である。国公労連は、独立行政法人制度そのものに反対するとともに、法案の慎重審議を強く求める。 先の通常国会で成立した独立行政法人通則法は、制度の枠組み、基準を決定したに過ぎない。しかし、「25%定員削減」目標の「数あわせ」や、行政改革の実績づくりのために独立行政法人制度が「活用」されようとしていることは、国会審議でも明らかである。「25%定員削減」目標とのかかわりで国立大学の独立行政法人化問題が急浮上してきていることは、そのことを如実に示している。また、独立行政法人に対する主務大臣による「中期目標」の一方的な提示や長の任免、中期計画終了時の評価などを通じて法人の自主的運用が制限され、経済的効率性のみの達成や、大企業など一部の「消費者」のニーズに応えたサービス提供の強制が懸念される制度となっている。 このような点からしても、個別の機関・事務毎に徹底して審議し、研究機関や博物館、検査部門、文教施設などを法人化の対象とすることの不当性を追及する必要がある。 また、独立行政法人制度では、「自律的な運営」を口実に、組織、定員、賃金・勤務時間など職員の主要な労働条件、さらには評価にかかわる基準などが、政府や主務官庁及び独立行政法人の決定にゆだねられ、国会によるチェックが及ばない。独立行政法人の業務が「公共上の見地から確実に実施」(通則法第2条)され続ける保障も、不確実である。 職員の労働条件にかかわって、法人への雇用関係の承継が個別法案で規定されたことなど、国公労連のこれまでの取り組みを一定反映したものもあるが、賃金における業績反映の仕組みや、繰り返しの評価による民営化の圧力が強まる危険性、財源確保の担保の曖昧さなど、労働条件と雇用を不安定にする基本的な問題点は、何ら解決されていない。 それら制度の矛盾、不完全さの追及の点でも、個別法案審議は極めて重要である。 国公労連は、規制緩和・市場万能論にたち、国の公共性を否定する行政「合理化」や、「戦争をする国」への転換をめざす首相権限強化などの行政改革の具体化にはあくまでも反対である。いま、この国では、一部の大企業の生き残りのために労働者や中小企業を犠牲にする「構造改革」が吹き荒れ、国民主権をないがしろにする戦前回帰の策動が強まっている。改革路線を引き継ぐ自自公連立政権は、開会された臨時国会でも、国民生活をさらに破壊する悪法を「数の力」で成立させようとしている。国公労連は、そのような悪法に反対する国民的な運動とも結んで、「25%削減」反対署名を武器に、独立行政法人などの行政改革具体化、強行に反対し、全力でたたかう決意である。
1999年11月5日 |