国民犠牲・ムダづかい温存の「財政構造改革法案」(「橋本行革」の財政面を固める法案)は許さない
−−臨時国会の開会にあたって、たたかいの一層の強化をよびかける                 

        1997年10月2日 国公労連中央執行委員会
 @ 9月29日に、第141回臨時国会が召集され、論戦がはじまっている。この国会冒頭で、橋本首相が、「臨時国会から次期通常国会までは、行政改革と財政構造改革の帰すうを決する重要な時期」と表明したことをみるまでもなく、国公労働者の労働条件にとっても、国民生活にとっても、さらには民主主義と平和にかかわっても、重大な影響が中長期に及ぶ諸法案が論議される国会である。
 先の通常国会から継続審議となっている「介護保険法」や、医療や年金、福祉の全面改悪など、国民に負担と犠牲を強いる「橋本行革」の大枠を決定づけることになる「財政構造改革法案(仮称)」、さらには、9月23日に日米両政府が合意した「防衛協力指針(ガイドライン)」の見直し問題などが重要な争点となっている。

 A これらの法案等の国会審議と並行して、省庁再編などの「行政改革」が論議され、98年度予算案や97年人事院勧告の取り扱いが決定されていくことになる。
 「行政改革なくして国民の信頼をえることはできない」と首相が述べるように、国民に痛みを強いる悪政を強行するための突破口として位置づけられる「行政改革」では、「内閣総理大臣のリーダーシップ」を高め「内閣機能を強化」することを目的にしつつ、国の組織、人員、予算の規模を絞り込むことで国民の支持を得ようとするすり替えの論理が強調されている。98年度予算編成の中でも、国が責任を放棄しようとする行政分野の削減が追求され、独立行政法人の職員を非公務員とすることが「行政改革」の「切り札」であるかの主張が強められる背景に「財政構造改革法案」の国会審議にあることは明らかである。また、勧告の取り扱いもその法案と一体であるとして、決定が引き延ばされ、あるいは不当な決定がおこなわれる危険性は小さくない。

 B この臨時国会を前にして、「橋本行革」の本質が国民的にもわかりやすいものになっている。
 9月1日から新たな医療費負担が国民に押しつけられたが、これが実施されない段階で次の医療制度改悪が準備されるという異常な政治状況に、国民の怒りが高まっている。一部の輸出産業が大幅な貿易黒字を計上し利益をため込む一方で、国民の生活が悪化の一途をたどっていることが政府統計からも明らかになっている。国民に痛みを強いる「改革」を強行する一方で、金権・腐敗の政治を温存しようとしていることが、ロッキード事件で有罪となった議員を行革担当大臣に据えようとしたことでも明白になった。
 「改革の美名」で、政府が、ごまかしやすり替えをおこなおうとしても、隠しようのない事実が「橋本行革」の危険性を如実に物語っている。それだけに、国民本位の行財政の確立を中心にすえた国公産別運動への期待が高まっている。

 C 「橋本行革」の狙いと目的が明らかになればなるほど、国民の批判が高まることは必至であり、当面、国民いじめとムダ遣いの温存が明白な「財政構造改革法案」の中味を明らかにし、「橋本行革」に対する国民の怒りを広げていくことが重要である。このことが、国の公的サービス提供の範囲を明らかにし、事務執行部門の切り捨てとなる外局化や独立行政法人、民営化などの「行革」強行を阻止する道であることは明らかである。
 この点を改めて確認し、97年秋闘方針で提起している諸行動の成功に全力をあげる。「橋本行革」に反対する国民的なたたかいへの結集を強め、この強行を阻止するため組織の総力を結集する。
 臨時国会召集にあたって、全国の仲間の結集と奮闘を心から呼びかける。


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