| |
○23日、24日「一般(課題別)質疑」、28日、30日「参考人質疑」の審議日程を自民党が提案--野党が同意せず、あらためて22日に理事懇談会 21日、22日にかけて断続的に開催された行革特別委員会理事会懇談会では、自民党が、「23、24日に一般質疑を課題別(大括り省再編、アウトソーシングなど)でおこなう、28日と30日に参考人質疑をおこなう」ことを提案しました。この提案は、連休明けの8日頃までに行革基本法案を衆議院を通過させる思惑から行われたものであり、慎重審議を求める野党がこの提案に同意しなかったことから、あらためて22日に理事懇談会が開催されることになりました。 22日までの総括質疑が「順調に」進行していること、他の重要法案との関係で早期に行革基本法案の成立が急がれていることから、「民主党」の結成大会が開かれる27日を除き、4月中は連日特別委員会が開催される状況が濃厚になっています。 国会傍聴報告でもお知らせしているように、行革基本法案の内容について踏み込んだ論議はほとんどおこなわれていません。法案の問題点を徹底して明らかにする署名・宣伝行動をさらに強めるとともに、徹底審議の要請もふくめた地元からの国会議員要請を完遂することが一層重要になっています。 ○国民大運動実行委とともに議員面会所行動 4月21日昼休み、国公労連は約40名が参加して国民大運動実行委員会とともに衆議院議員面会所集会を実施しました。 国会報告をおこなった日本共産党・春名直章衆議院議員は、「自民党は中央省庁等基本法案の3日間の総括審議の後に、2日間集中審議、公聴会の日程を提起してきたが、野党が結束して反対している。提案されている行革基本法案では、政官財の癒着、天下り規制など国民がもっともやるべきとしている課題について盛り込めないでいる」ことを指摘し、景気対策に失敗し、政権党中枢からも退陣の声があがっていることを紹介し、「悪法反対のため奮闘しましょう」と訴えました。 集会では、国公労連・萱森秀勝中執が、午前中の行革特別委員会傍聴報告をおこなったあと、国公労連の松村光隆が、日本の国をだめにする橋本悪政、橋本「行革」を粉砕しようと決意表明をおこないました。引き続き、神戸から上京した阪神大震災被災者支援復興県民会議、労働法制中央連絡会、国民大運動、国民救援会、新婦人の代表が決意表明をおこないました。 ○衆議院・行革特別委員会2日目の審議進む 「行政減量が不十分」(民主党議員)、「公務員削減の目標は10%以上」(政府) 特別委員会2日目、午前中の質疑は、田中慶秋議員(民主党・神奈川5区)がおこないました。 田中議員 地方分権の徹底が必要であり、そのためにも補助金行政を見直して交付税、交付金に切り替えるべきだ。 松永大蔵大臣 財源配分の前に役割分担の見直しが必要。都市部以外では、地方税収の確保の困難さや、国全体でやる事業には引き続き補助金が有効であるなど、総合的な検討が必要だ。 橋本首相 本通常国会中に地方分権推進計画を策定し、それに基づき法案化を進める。 田中議員 民間と同様の業務をおこなっている特殊法人はなくすべきだ。特殊法人、外郭団体の見直しを行革と一体で進め、外堀を埋めることが必要だ。 小里総務庁長官 特殊法人経営の不透明性をあらためるため、徹底した民営化、公開を進める。独立行政法人の活用も含め、特殊法人改革の必要性を重く受け止めて進める。 橋本首相 特殊法人改革は、土光臨調以来の懸案事項だ。行革会議の論議では、1)役割を終えたもの、2)民間に主体を移すもの、3)特殊法人として存続するものは、目的の範囲の業務に減退するとか、独立行政法人化も検討など、多様な選択肢で個別に検討する。 田中議員 公務員の1割削減程度で行政改革と言えるか。大阪府では新規採用を0にしている。国でも、新規採用を半分にすれば、5年間で目標は達成できる。 小里総務庁長官 法案の目標は、10%以上としている。基本法成立後、各省の事務事業を徹底して精査し定員を絞り込み、その結果として10%以上は前に進むよう心がける。 橋本首相 行革で総定員法の枠組みが変わる。公社、独立行政法人は総定員法の枠外であり、残った部分で10%以上の削減を目指す。それはそれとして容易な数字ではない。 田中議員 地方分権や官民分担で具体的にどれだけ削減するのか、具体的目標と手法を明確にすべきだ。 小里総務庁長官 10%以上の削減計画の基本は法案で示している。削減のための制度検討とあわせて進める。 続いて、上田清司議員(民主党・埼玉4区)が関連質問にたち、冒頭、日本銀行の「人件費要求水増し」問題を追及しましたが、参考人(日本銀行理事)の答弁が曖昧であったため、特別委員会として資料請求をおこなうことを理事会で検討することで、次の質問に移りました。 上田議員 「天下り」についての人事院の承認ルールはどのようになっているのか。退職の翌日に、営利企業への就任を承認している事案があるが、それで厳正な審査をしているといえるか。 中島人事院総裁 公務員の職業選択の自由と、公務の公益という二つの公益のバランスを考えて審査している。近年の国民批判もふまえ、厳しさを強めている。各省からの紹介は、事前の問い合わせ段階から概ね2〜3ヶ月で結果を出している。円滑な人事管理の観点から、退職前に相談が来ることもある。 上田議員 天下りは、守秘義務を侵す危険があるのではないか。その観点から、国公法第22条の勧告をおこなう考えはないか。 中島人事院総裁 早期退職の慣行と同時に、現在の人事管理の慣行の是正も必要。それだけに各省の理解と協力が必要であり、勧告とはならないが努力する。 上田議員 公務員は安月給か。 橋本首相 人事院勧告制度のもとで、比較民間企業の大きさからして、必ずしも安いとばかりは言えない。 上田議員 国税庁調査の民間賃金実態調査結果と勧告資料と比較すれば公務が安い状況にはない。91年から比較企業規模を変えているし、宿舎の入居率も大蔵省では7割、民間に比べて公務は長期勤続など、様々な面では恵まれていないか。 中島人事院総裁 企業規模500人以上との比較を全国でやっている訳ではない。また、民間賃金の統計を見る場合に、アルバイトなども含まれていることには注意が必要だ。 上田議員 退職者が毎年2%ある状況からして、20%以上の削減でなければ目標と言えない。日本改造計画では、公務員50万削減も提起されている。 小里総務庁長官 行革で際だった削減、純減を進める。その目標が10%以上だ。 ○衆議院・行革特別委員会2日目午後の審議 「巨大利権官庁が作られようとしている。巨大公共事業を見直し、国民生活を充実させる公共事業に」(共産党平賀議員) 大口(自由党) (質問の前段の多くを山一問題に費やす) 1、行政改革基本法の中で、内閣の危機管理の問題が大きく位置づけられている。テロ事件などの場合、閣議の決定を経ずに首相が指揮権を発揮できるとあるが、非常さ伊賀の場合にも発揮できるようにすべきだ。 2,天下りの問題について、厚生省の公益法人に厚生共済会というのがあるが、ここに厚生省から官僚が天下り、理事25人中23名を占めている。さらに、給与も非常勤の理事長が601万円、さらに副理事長が1001万円、国民感情にあわないし、理事定数等を決めた閣議決定に反するのではないか。 3、さらに、現行の総理府の所管に高齢対策と交通安全が入っているが、基本法では、内閣府の所管からこれがはずされているのは問題だ。 橋本総理 1については、災害救助基本法で定めているので、災害発生時に総理大臣が本部長となって、指揮権を発揮出来るように閣議で決定しているので、今回の基本法の中には含めなかった。幸い、私の在任中の現在までは、この範囲を超える事態は起こっていない。 3については、交通安全については、その中核を担い省庁として国土交通省、高齢社会の問題については、同じくその中核を担う労働福祉省が作られることとなり、現行よりも大くくりの省庁として事に当たるようになるのであるから問題はない。 小泉厚生大臣 平成八年の閣議決定で、公益法人問題について決めているが、議員のご指摘のようなことがあれば厳正に事態把握に努め、不適当な事態は今年度中に指導したい。 石垣(平和) 1、政治献金の問題。自民党は、多くの企業から献金を受けている。これらは規制法の範囲内であると思うが、問題としたいのは銀行協会からの献金だ。平成6年10億円、7年6億円、6年3億円。これはすべての銀行からのものではない。1兆8千億円もの公的資金を受けた20の銀行からの献金だ。これは規制法範囲内のものだといっても国民感情もあり、納得できない。しかも政党助成法で120億円ももらっている。 2、大田区や大阪の中小企業の経営者に対する銀行の貸し渋り問題に言及、国民の目線に立った政治を行えと追求。 3、山崎政調会長の献金疑惑に対する野党からの証人喚問の要求があった場合、それにどう対応するか追求。 4、行革基本法については、各省にかかわる膨大な法律の権限をどう見直すのか。行政コストをどう下げようとしているのか。どんな作業スケジュールを考えているのか。一〇年間で10%では少ない。3割は削減しろと昨日追求したが、この点についてはどうか。 橋本総理 1、自民党は、住専問題以降、銀行からの政治献金は自粛している。今野は過去の謝金を返済しているものであり、同列に見るのは正しくない。 2、国民の目線に立った政治を行えと言うことだが、私なりに多忙な中、大田区に出かけ、実態把握に努めているし、中小企業の方々からお話も聞いている。 3、野党から要求があれば検討したい。 4、自己責任原・、市場原理に則って国と地方の分担をはっきりさせ進めたい。その中で中央省庁のスリム化したものができる。たとえば、郵政省は五年後には、公社化することになり、そこで働く人たちは国家公務員からはずれることになる。その上で、残された国家公務員に対して新たな定員法がつくられ、10%の定員削減が行われることになる。 総務庁長官 削減の数は 10年間で最低10%以上と言うことだ。2001年から10%以上めざしたい。郵政省が公社化になれば、その定員は現在の総定員法からはずれることになるので、かなりのスリム化が進むと思う。 平賀(共産党) 1、建設、運輸、国土庁を統合して巨大利権官庁が作られようとしている。公共事業では400〜500兆円もの赤字が明確になっている。苫小牧では1700億円もの共学を投じて建設したが、荒れるに任している。巨大公共事業の見直しはやらないのか。阪神淡路大震災の教訓に学び、国民が安心して生活できる防災体制の強化、都市の整備こそ行うべきだ。未だに多くの住民が仮設での生活を余儀なくされている。ゼネコン型の公共事業はやめ、国民生活を充実させる公共事業に変えるべきだ。 2、96年に日建連が出しているビジョンがある。そこにはナショナルプロジェクトがもられている。国土交通省は、大手ゼネコンが要求している5全総の事業をやるのか。 3、昨年成立した財政改革法で公共事業の5カ年計画を決めているが、これは削減しないのか。 4、全国の港湾事業について。川崎港では、水深14mのバースがすでにあり、さらに15mのものがつくられようとしている。コンテナの採算ベースや稼働率は検討されているのか。年間50%、1350万tしか稼働していないのに、2000年までに、さらに50バースも建設しようとしている。見直さないのか。これでは国民の納得は得られない。 5、46条2項について、総合的補助金で地方の裁量についてふれているが、地方自治体の公共事業の補助金は増えるのか。 6、利権が巨大化し、肥大化するのがわかっていて国土交通省を作るのは行政改革会議の責任者である総理の責任だ。これでは国民に開かれた行政は出来ない。 橋本総理 1、阪神淡路大震災の教訓は、各地域ごとに行っていた公共事業では、十分な防災体制が出来ないと言うことだ。各地域の実状を聞きながら総合的な賢人を薦めることだ。 2、5全総をやる。 3、従来のものはシーリングしてすすめる。 4、増えるか減るか明確に応えず。 運輸大臣 4、将来の動向を見通し十分検討して進める。今後コンテナ整備は重点的にやっていく。 |