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■橋本「改革」の問題性、国土交通省のかたち■
○橋本「改革」とは
○国土交通省への再編
公共事業の分野では「公共事業効率化」のためとして、受益者負担での財源確保や市場原理の導入、技術提案総合評価方式など「丸投げ発注」の拡大、官公需法の見直しなどのほか、技術力や財源の大小に関わりなく地方分権を進め、それと同時に直轄組織を引き揚げを行い、大手ゼネコンの利権体制を一層、拡大・温存しようとしています。 「地方整備局(仮称)」への整理・統廃合など実施部門は、府県単位機関の統合や、港湾管理者などへ事業の移管(力のないところは民間への丸投げになる)などを行う一方で、残る組織も「丸投げ発注」の多用や、民間委託の拡大などを行い、最終的には「民営化」することを目指しています。安全性など行政責任は置き去りにされ、不急の施設が先行することとなりかねません。
(2)全港建が要求をしていた、海鵬丸の油回収機能を具備する代替船建造が98年度を初年度として3年計画で実現しました。秋田・酒田港支部、四建地本と各支部での地方議会請願や中央・地方での国会議員・政党要請、マスコミ要請などのねばり強い運動と、ニセ「行革」攻撃のもとでも、相次ぐ油流出事故に対して、国の体制・対策が不十分なことへの国民の不満・怒りと、私たちの国民的立場からの海洋環境整備の充実を求めた粘りづよい運動が結実した、貴重な教訓となるものです。 (3)国鉄分割・民営化反対闘争は、マスコミ総動員の攻撃のもとで、国民的支持を構築できず、結果的に強行されました。草の根・地域から国民的戦線をいかに広げるかが重要と言えます。 私たちは、三つのやめる運動をはじめ、自ら不正を正し、癒着と無縁の運動を進めています。国民の立場で行政・公共事業の民主化を求め運動を展開しています。自信をもって、広く宣伝し、対話していけば展望と前進を勝ち取ることは可能ではないでしょうか。 すべての仲間のチエと力を総結集し、確信をもって前進しましょう。
○あるべき公共事業の姿、検証「お役人の無駄遣い」
○地域住民の利益と合意、耐震・安全・防災の重視、直轄事業のあり方
四方を海に囲まれた日本では、港湾や空港は交通・産業・国民生活などを支える基盤として、重要な役割を果たしてきました。今後もその重要性は変わるものではありません。私たちは、港湾管理者である地方自治体とともに、長年蓄積してきた施工技術を生かし、国民・地域の生活向上と地域経済の発展につながる基盤の整備を願い、事業を進めてきました。しかし、財政構造改革に関わる国会議論や、マスコミ報道などで、公共事業のあり方が問われています。いま、労働組合として自らの業務について「国民・地域住民の視点からどうだったのか」を問い直し、「国民本位の公共事業」の姿を考えなければなりません。 2年目となる全港建大運動・国会請願署名では、請願項目として、 (1)大規模プロジェクト中心の公共事業「港湾・空港建設計画」を抜本的に見直し、ムダなものは中止し、地域住民の利益と合意のうえにたち、安全で防災に役立つ、必要な港湾づくりなどを行うこと。 (2)相次ぐ油流出事故の教訓を踏まえ、油防除体制の強化・油回収船の建造など、海洋環境保全体制の充実を図ること。 (3)これらの事業をすすめるにあたって、国民の負託に応え、国自らが責任をもって業務をすすめるためにも運輸省港湾建設局の必要要員を確保すること。 を掲げ、職場・地域で運動を展開しています。また、直轄で事業を進めてきた各港・各施設について、政策委員会を中心に「みなとの検証」を行っています。 港湾の直轄事業は、港湾法第52条で規定される「港湾管理者と協議が整った場合のみ、予算の範囲内で工事を実施できる」ものです。「国の組織ありき」ではなく、国民・時代の要請に応じ、あらゆる観点から安全かつ良質でムダのない施設であるかを自ら検証し、不要・不急な施設は優先されるべき施設の整備に振り替えていくことが求められています。 多くの港湾では、高度経済成長の政策に基づく長期予想を基本として、我先に整備を急ぎ、大規模で大企業本位の建設・開発をすすめてきました。結果として、計画通りに企業誘致が進まず、岸壁が利用されない港や、自然環境の破壊、海洋汚染が激しく進行する状況をつくりだすなど、「交通体系の整備、国土の適正な利用、および均衡ある発展並びに国民の福祉向上」のため、果たすべき役割を考慮して定める港湾開発の基本方針と「大きなズレ」を生んでいます。 国民的な支持・理解を得て、拡充すべき海洋環境整備事業とともに、直轄事業では、大規模プロジェクト偏重・ゼネコン利益誘導型の公共事業は抜本的に見直し、地域住民の利益と合意の上に立ち、地方の経済や住民の生活に密着した予算を充実するとともに、耐震・安全・防災を重視した予算を充実させることがとりわけ重要です。 ○どうなる将来、「行革」のいきつく先は?
橋本「行革」の基本はまず1つに「公務職場の人減らし」にあり、もう1つは民間活力導入を名目にした「公務職場の切り売り」にあります。 橋本「行革」のスタート時に言われていた「公務員を3万5千人まで削減する」との考えが変わった訳ではありませんし、「行革法案」は引き続き各種改革を義務づけており、独立行政法人化や民営化の可能性も、今言われていないからといって将来もここのままだとは断言できません。 「地方整備局(仮称)」への再編では、ただ組織を統合するのではなく、スリム化を名目に廃止や削減が強行に進められることになります。職場への委託・派遣職員の導入や、企画・調査・設計・積算・監督・検査の丸投げ発注を導入・拡大し、職員・事務所を削減することに主眼が置かれています。つまり多くの職員が「お払い箱」になることを意味しています。「仮になったとしたら・・」と心配や不安が出るのは当然ですが、「あと」の問題より現時点での流れを変えるたたかいに、仲間の力を集中することが重要です。 ○建設産業を歪めるゼネコン護送船団方式
建設省など公共幕ニ官庁と政府が一体になり、ゼネコンの儲けに協力することを「ゼネコン護送船団方式」といいますが、この癒着体質を根本から正す必要があります。 ゼネコン汚職問題に見られるように、大企業・ゼネコンは、自民党などに莫大な政治献金をし、大規模プロジェクト中心・利益誘導型の公共事業を進めています。すなわち、公共事業の政策・計画にも金権政治家を介在して参画し、発注の独り占めを図る。不況を口実に従来、中小・地元企業が受注していた中規模工事も受注を狙っています。 また一方で、元請け・ゼネコン等による、下請け・中小企業や建設労働者への、下請け単価・賃金の引き下げや不払いなどの横暴も絶えません。不況と銀行の貸渋り、ゼネコンの下請け叩きで、中小企業と建設労働者の営業と暮らしは深刻な状況にあります。
○建設産別のたたかい
○癒着の温床=天下りを禁止せよ「60歳」雇用保障政策
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