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参議院特別委員会で「行革基本法案」の審議がつづく4日、国公労連は、労働法制中央連絡会などと共同して、国会請願デモと国会前の座り込み行動で意気高くたたかいました。 昼休みに日比谷野外音楽堂をスタートした国会請願デモは、出発集会で国公労連を代表して安部副委員長がたたかう決意をのべました。そのなかで、「参議院特別委員会の勢力関係をみると、自民党のなかにも請願署名の紹介議員がおり、基本法案の採択で過半数をとれるかどうか微妙だ。否決・廃案の可能性も出てきている」とのべ、最後の最後までの奮闘が情勢を変えることが強調されました。 国会デモには、労働法制中央連絡会や国民大運動実行委員会などに結集する広範な団体・労組から約1千名が参加し、悪政阻止にむけた怒りの声を国会に集中しました。国公労連・東京国公からは、全農林東京や国会職連、会計検査院労組などからも多数の仲間がかけつけ、全体で500名が参加しました。 デモ解散後、午後からは、国会議員会館前で座り込み行動を続行しました。国公労連は、この日の行動を皮切りに、5日・8日と、3日間の座り込みを配置します。これらの「連鎖行動」のスタートとなる行動であり、在京・近県はもとより、福島や長野の県国公や近畿・九州ブロックからも上京して150名の仲間が結集しました。 座り込みでは、各職場・地域の代表がつぎつぎと決意表明しました。単組本部からは、全運輸の林さん、全気象の竹鼻さん、全労働の林さんが発言し、また、九州ブロックの原崎さん、福島県国公の菅野さん、関東ブロックの難波さんが、それぞれたたかう決意を表明しました。九州ブロック議長の原崎さんは、「九州からは、福岡・宮崎などをふくめ5名が急きょ上京してきた。中央の座り込みにあわせ、5日と8日に地域で決起集会を開く。最後の最後までがんばる」と力強い決意がのべられました。 梅雨の晴れ間となり、気温も急上昇する猛暑でしたが、国会前では、シュプレヒコールなどもくりかえしながら、夕方5時まで元気よく行動をつづけました。労働法制中央連絡会などとの共同のこの行動には、全体で350名が参加しました。この行動は日本テレビや連合通信、赤旗などが取材し、日本テレビは4日午後6時45分からのNTVニュースで「国公労連の座り込み行動」の模様を放映しました。 【参加した仲間の感想】 石倉裕子さん(全厚生京都支部、37歳) 「行革法案」が重要な局面を迎えているということで、朝9時の「のぞみ」に乗って飛んできました。橋本「6大改革」は、国民生活を大きく破壊するもので、とりわけ99年の年金改悪について、職場が社会保険ということもあり、大きな関心を持っています。今、市内の連合系も含む民間や公務など、多くの組合から「年金問題の講師派遣」の要請が寄せられ、私も20カ所の学習会に参加してきました。私も廃案までがんばりたいと思います。 浜山幹生さん(全法務東北地本書記長、28歳) きょうは、本部で会議があり、それに引き続いて、この行動に参加しました。行革会議最終報告で、法務局のエージェンシー化がはずされましたが、橋本内閣はいつまたその問題が浮上しないとも限らないだけに、気を引き締めてたたかいを継続していく決意です。財政改革法が先日国会を通過しましたが、今後定員査定が一層厳しくなることは明らかで、基本法による行政のゆるみや減量化を許さない立場でたたかっていきたい。 鈴木久美子さん(全労働茨城支部、21歳) 今度の行革国会では、労働諸法制の改悪阻止に向けて、玄関前の立て看板行動や署名、プレート行動など、多くの行動に参加しました。特に、労働法制反対の署名では、民間の職場に働く同級生などに訴えましたら、多くの人が共感して署名に応じてくれました。今日の座り込み行動で、国会の中で何かが変わるといいのですけれど。 佐藤正博さん(全港建四建地本、31歳) 田舎にいると中央の情勢がなかなか伝わってこない。きょうの行動に150名の仲間達が参加していると聞いて、すごく励まされました。九州ブロックでは、中央の行動に呼応して、国公労連の署名の請願採択の紹介議員の要請に歩き、大きな成果を上げることができました。これらの取り組みを確信にして、会期末まで、残された期間は短いけれど力いっぱいがんばりたいと思います。 ○参議院行財政・税制改革特別委員会で参考人質疑行われる(6月4日・午前) --分権、国土交通省、民営化問題など論議 石川嘉延静岡県知事(入室したときには陳述終了) 宮岡壽雄松江市長 法案には、地方分権の確保が書かれているが具体的にはどうなるか、財源の確保はどのようにされるか、地方6団体は地方財政制度や国と地方の役割の分担などを所管する組織と担当大臣を置くべきと考えている。広範な仕事を所管する総務省が地方自治を担当することの不安感もある。公共事業予算7兆円をもつ国土交通省の設置には疑問がある。地方への権限委譲を期待するが、財源の裏付けが必要。補助金の整理合理化を要請してきたが具体化されるよう期待している。 内田公三経団連事務総長 中央省庁改革基本法案に賛成である。早期成立させ、第三者機関を設置し法律の具体化を進めるべき。経済団体は土光臨調の時、行革推進5人委員会を作り応援した。今回も豊田会長が行革会議の委員になっている。民間では厳しいリストラをやっているのに、官庁が制度疲労を放置することは許されない。実施機能の分離、省庁の大括り、地方分権など私どもの提案通りだ。法律成立後推進本部で簡素、効率な行政が具体化されることが必要だ。 5点申し上げたい。(1)企画・立案部門と実施部門の分離と本省・地方機関の役割の整理、(2)独立行政法人には行革会議であげられたものは全て入れる、加えて非公務員型を基本とすべき、(3)地方分権と情報公開は密接に関連している、(4)設置法の検討は、透明、公正な行政が担保されるべき、(5)郵政事業は可能な限り早く公社化すべき 長尾立子(自民) 国と地方の役割の見直しについて聞きたい。市町村が介護保険業務を担当することには反対という意見があるが、住民の生活を重視するという時代の要請がある。介護にしてもできる限り生活の場で行うことが求められている。市町村の行政能力を高めることについての意見を聞きたい。 石川 市町村合併は有効だと思うが、そのための手だてを講じていただく必要がある。介護は専門職員の確保が大事だ。県では人材の斡旋なども行っている。 宮岡 自治体間の財政基盤の格差は大きい。地方分権が進めば、自己決定、自己責任が大きくなる。生活圏域にあわせた合併が必要。県もそのための気運を高める必要がある。 小島慶三(民主・新緑風会) 県を主体とした地方集権が必要だ。県の規模はどのくらいが適当と考えるか。 石川 1000万人の都もあれば60万人の県もあり、立派に機能を果たしている。中間的な内政構造はなくすべきだが、中央の権限を地方支分部局に移し、道州制へという意見もあるがそれはおかしい。 小島 経団連はこの法案に賛成と言ったが、効率化、スリム化がねらいのはずなのに、特殊法人の民営化も遅れている。この点はどうか。 内田 局課の数を減らす、公務員も減らす、スリム化することが法律で約束されている。特殊法人の設立は規制されているが、公益法人や第三セクターが増えているのは問題。今回の法案には国家公務員の数そのものを増えないようにすることが出ている。 牛嶋正(公明) 現業は思い切った民営化が必要だが、中途半端ではないか。 内田 郵政三事業の扱いは100点の評価はしていない。改革の第一歩と考えている。 梶原敬義(社民) 省庁再編で巨大省庁ができるが、地方自治体にとってどう考えるか。 宮岡 規制緩和、地方分権化により権限を民に渡す、地方に渡す、この前提がないと弊害は大きい。 梶原 財界は、景気がいいときは財政構造改革をやれと言い、悪いと公共事業に金を使えと言うし、金融機関の貸し渋りで民間が苦しんでいるのを中小企業金融公庫など、公的金融機関ががんばっている。財界も反省するところは反省する必要がある。 内田 厳しい指摘は受け止めていきたい。経団連の関与しないこともあるが一貫性を持たせたい。困ったときに政府にお願いするということはやらないという考えでやってきている。景気対策の中味も、財政構造改革と矛盾しないように規制緩和にする、税制改革も恒久的減税をやってもらい、国民の将来の不安感を取り除くような景気対策を求めている。 吉川春子(共産) 自治体の仕事の民営化や民間委託が進むが、自治体自身で行うための手だては何かしているか。 宮岡 民営化することで効率化は図れるが、効率化と公平さのバランスをどうもつかと言う問題がある。民間委託で公平さが欠けると問題。保たれるものは民間委託でもやむを得ない。介護、育児の社会化があるが、役所が重点的にやる問題だ。 吉川 失業率が最悪の状況だが、規制緩和と失業の問題をどう考えているか。 内田 日本は遅れている、もっと規制緩和を進めろとアメリカから言われている。アメリカはレイオフを気楽にやるが、日本の経営者は雇用の安定を一番に考えている。規制緩和が雇用の悪化につながる要素はあるが、しかしここでやらないと将来の展望は開けない。新しい雇用の創設が必要だ。新産業、新事業を興すことを考えたい。そのための環境を整える。 阿曽田清(自由) 市町村の適正規模はどのくらいか。 石川 どういう仕事を市町村にやらせるかで決まる。 ○参議院行財政・税制改革特別委員会で参考人質疑(6月4日・午後) --内閣機能の強化、独立行政法人、大蔵省権限、政府の所得再配分機能、郵政公社など議_ 6月4日午後2時から2時間、参議院行財政改革・税制特別委員会において、鷲尾悦也連合会長、紺谷典子日本証券経済研究所主任研究員、水野清行政改革会議事務局長の三氏に対する参考人質疑が行われました。 <鷲尾悦也連合会長の意見陳述> 連合はこれまでも、現在も行革断行の立場で政策提言をしてきた。基本として、地方分権をすすめ、国民生活に身近なものは大胆に地方に、民間でできるものは民間に移し、個人や民間組織、地方ができないものを中央省庁が行うべきだ。基本法では十分議論が尽くされていない。そのうえで、行革の目標の第一は行政の質の転換をはかり、裁量行政を国民生活中心の行政に転換すべきだ。そのためには、国民への情報開示によるチェックができるように情報公開法を早期に成立させる必要がある。第二に、官僚に権限を集中した裁量行政を改め、監視監督型にすべきだ。第三に、行政を外から監視するシステムを確立することだ。議会だけでなく、第3者機関による監査・チェックか会計検査院の機能を充実する必要がある。第四に、地方分権を推進すべきだ。予算配分、権限移譲がまだ不十分。最後に、公務員労働者が行革に熱心でない原因に雇用問題がある。頭ごなしの10%削減は必ずしも賛成できない。ただ数を減らすということでなく、必要な行政には増員を行う必要がある。公務員の雇用を確保しつつ、新しい行政に積極的に配置転換できるよう努力したい。そのためには、国民への情報開示によるチェックができるように情報公開法を早期に成立させる必要がある。第二に、官僚に権限を集中した裁量行政を改め、監視監督型にすべきだ。第三に、行政を外から監視するシステムを確立することだ。議会だけでなく、第3者機関による監査・チェックか会計検査院の機能を充実する必要がある。第四に、地方分権を推進すべきだ。予算配分、権限移譲がまだ不十分。最後に、公務員労働者が行革に熱心でない原因に雇用問題がある。頭ごなしの10%削減は必ずしも賛成できない。ただ数を減らすということでなく、必要な行政には増員を行う必要がある。公務員の雇用を確保しつつ、新しい行政に積極的に配置転換できるよう努力したい。そのためには、労働組合との事前協議や合意を行うようにしてほしい。公務員の労働三権についても抜本議 論をすべき、公務員制度調査会での議論を拡大すべきだ。 <紺谷典子日本証券経済研究所主任研究員>
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