国公労新聞 第1243号

●守ろう9条!なくそう格差

  国公労連第52回定期大会ひらく

 「守ろう9条!なくそう格差、憲法をくらしと行政に」のスローガンをかかげ、国公労連第52回定期大会が8月31日から3日間、都内で開催され、全国から310名が参加しました。
 大会では、「戦争する国づくり」と構造改革路線の転換に向け、「国民の中へ、国民とともに」を合い言葉に、全国の職場・地域でたたかう今後1年間の方針を確認。国公労働運動の新たな発展をめざす重要な節目の大会となりました。

 あいさつで堀口士郎委員長は、秋の臨時国会で焦点となる教育基本法改悪法案や国民投票法案などの成立阻止に全力をあげることを強調。「歴史の逆流を許さず、未来に向かって進歩と発展の方向へ歯車をまわすための努力が、一人ひとりの国公労働者に求められている」と訴えました。
 続いて、岡部勘市書記次長が2006年度の運動方針案を提案。(1)「9条」改憲に反対するとりくみ強化、(2)全労連提起の「もうひとつの日本」をめざす大運動を積極的に受けとめ、「公共サービス商品化」反対のとりくみ、(3)雇用と労働条件・権利を守り、働くルール確立を求める産別闘争強化、(4)組織の拡大強化、中央・地方の産別センターとしての組織整備、の4点を強調し、職場と地域からの運動強化を呼びかけました。
 また、9条改憲反対のとりくみを重視し、9・10月に「新聞意見広告運動」を提起。職場のすべての労働者と家族にカンパを呼びかけ、憲法闘争強化をはかります。


●戦後史かけたたたかいに全力を〈国公労連堀口委員長あいさつ(要旨)〉

 憲法や教育基本法の改悪を許すのか、アメリカと大企業いいなりの政治にストップをかけ、格差の是正、安心・安全な社会をめざすのか、私たち一人ひとりが歴史の転換点にどのように立ち向かうのかが問われています。
 秋の臨時国会において教育基本法改悪法案、国民投票法案の成立を許さないたたかいに全力を上げる必要があります。
 教育基本法改悪案は、教育の目的を「国策に従う」人間をつくる教育へと根本的に転換し、特定の政治的立場に立つ「愛国心」を教育現場に押しつけ、「戦争する国」を支える人づくりをすすめるものです。
 在日米軍の再編と自衛隊の一体的運用や、米軍基地再編にかかわる費用を日本が負担するとの日米政府の合意を見るとき、改憲の目的がアメリカの戦争に参加するため、9条2項を削除して自衛隊を「戦争できる軍隊」にし、日本を「戦争する国」につくりかえようとする狙いは鮮明となっています。
 一方、「九条の会」はこの2年間で5000を超えて結成され、改憲反対の世論が草の根的に大きく広がっています。
 これは改憲の狙いと本質が伝われば、思想・信条、政治的立場の違いを超えて国民多数の世論を結集できることを示しています。
 国公労連は、このことに確信をもって戦後史をかけたたたかいに全力をあげるものです。

 ◇「公共サービス商品化」反対

 全労連は、「戦争しない・参加しない日本」「働くルールの確立・格差と貧困の是正」「安心・安全の地域社会」をめざす大運動を提起しています。
 国公労連はこれに積極的に応えるとともに、増税反対と社会保障、労働法制改悪反対の三つを「構造改革」反対の中心課題として設定し、世論と国民共同を広げる運動に全力をあげるものです。
 行革推進法の施行は、公共サービス改革法と密接に関連して、公共サービスの縮小と質的な後退をもたらすことは明らかです。
 今日の「総人件費改革」や公務員攻撃の厳しさをみるとき、私たちが労働者・国民の生活と権利を守る担い手として、国民の身近なところで、目に見える存在として、具体的な役割を発揮することが、国民の理解と連帯を広げていくことにつながると思います。
 その点からも行政研究活動・行政民主化闘争を重要なとりくみとして位置づけるとともに、「公共サービス商品化」や「5%純減」計画の具体化にともなう雇用破壊、労働条件悪化を許さないたたかいに、国公産別の統一した力を発揮していきたいと思います。

 ◇公務員攻撃には国民共同で

 今回の人事院勧告は比較企業規模の見直しによる意図的な賃下げ勧告であり、国公労連は断じて認めることはできません。
 したがって、従来の比較方法による賃金改定を求め、引き続く政府・国会闘争をたたかっていく決意です。
 今年の勧告は三つの教訓を示しています。
 一つは、労働者の状態悪化を改善する運動の先頭に、公務員労働者が立つべきだということです。
 正規労働者の人減らしと低賃金・無権利の非正規雇用への置き換えが強行されるもとで、非正規労働者の8割近くが年収200万円以下という異常な事態が進行し、このことが労働者全体の状態悪化を助長し、公務員攻撃の要因ともなっています。
 最低賃金の抜本改善とあわせて、「人間らしく働くルール」の確立にむけた、公務員労働組合の責務はきわめて重大です。 
 二つは、公務員賃金や公務労働に対する国民の理解と評価を高める運動の重要性です。
 三つは、労働基本権回復のたたかいです。
 政府は、公務員の労働基本権のあり方に関して専門調査会を設置し議論を開始。この調査会設置は不十分さをもちつつも、3度にわたるILO勧告や私たちの運動の反映という面を持っておりこれからの運動によってその帰趨が決まります。
 国公労連は、調査会での民主的で公正な議論を要求するとともに、公務員の労働基本権回復が国民的にどのような意義をもっているのかを明らかにしながら、国民の支持と理解を広める運動を展開します。

 ◇非正規職員の組織化を

 組織課題で重視すべきは、正規職員の未加入をなくすための努力と、非正規職員の組織化の追求です。
 数万人といわれる非正規職員は、雇い止めや低賃金など劣悪な労働環境におかれており、賃金改善や均等待遇の前進をめざすことは、国公労働運動の最重要課題です。

 ◇激動は飛躍へのチャンス

 歴史の逆流を許さず、未来に向かって進歩と発展の方向へ歯車をまわすための努力が、一人ひとりの国公労働者に求められている時代です。
 歴史の教訓をみるとき、激動の時代は飛躍を勝ちとるチャンスであり、いまの時代をさらなる発展の時代として後世に残すことは、現代に生きる私たちの使命だと思います。
 国公労働運動のいっそうの発展にむけて、新たな挑戦を開始していくことを全国の仲間に呼びかけます。



●大会討論

  大会では、運動方針案の重点課題に沿って80人の代議員・特別代議員などが発言しました。課題ごとに主な発言の要旨を紹介します。

 ◆9条改憲阻止、平和・民主主義の発展を
  −−新聞意見広告の成功、国民世論のうねり作りだそう

 ◇憲法学習を原動力に

憲法改悪阻止と組織強化・拡大が全港建の2本柱。学習資料「日本国憲法」を定期的に発行し学習活動を推進。勤通大・憲法コースを117人が受講。全員が修了して運動に生かしていきたい(全港建)、青年を中心とした憲法学習にとりくみ、「憲法のことを考えたことはなかったが、今回の学習で憲法はすばらしいと思った。これを改悪すると私たちの生活がどうなってしまうのか不安にかられた」などの感想が寄せられた。組合員一人ひとりが考えて行動しようと働きかけることが大切。9条改憲反対の新聞意見広告は国民にアピールする手段としてインパクトがある。単発のとりくみに終わらせず、組合員全員がとりくむ継続的な運動につなげよう(全法務)

 ◇意見広告カンパ完遂を

9条改憲阻止を運動の中心にしてとりくんできた。署名活動では、共同センターへの結集のみならず、支部独自の街頭署名や宣伝にとりくんでいる。組合員みずから国民の中へ打って出ることにより、憲法9条の重要性も再認識できている。積極的な運動を提起して、その運動を成功させるために学習を強化するというスタイルで奮闘する。国公産別のスケールメリットを生かして新聞意見広告を成功させることは大事だが、あわせて、全国津々浦々で憲法守れの大規模な宣伝行動にとりくみ、国民世論のうねりを作り出すことが必要だ。新聞意見広告のカンパは、わずか2カ月で目標を達成しなければならない。10月末になって目標額に達成しなかったということにならないように、何としても目標額をやりきるという意思統一が重要(全通信)、沖縄における海兵隊新基地建設反対、岩国基地への艦載機部隊移駐反対など、米軍基地再編強化に反対するとりくみをねばり強くたたかう(沖縄県国公、開建労、山口県国公)

 ◆「公共サービス商品化」反対、行財政・司法の民主化
  −−国民に敵対する行政への変質を許さない

 ◇社保庁改革を利用した雇用破壊は許さない

社会保険庁改革に伴う職員の雇用問題はすべての公務員に関わる問題。これを許さないたたかいを展開する(大阪国公)、社会保険庁の不正免除問題の背景に、年金制度の改善もせず収納率向上をはかるノルマ主義がある。医療・年金改悪に伴う社保庁解体を利用した職員の選別採用や分限処分を許さず、安心して暮らせる年金と、安心して働ける職場をめざし、産別課題として社会保険庁改革対策委員会を立ち上げる運動方針の先頭に立って奮闘する。また、年金講師団の経験をふまえた社会保障を語る講師団活動にとりくむ(全厚生)、行政懇談会を実施するなど地域共同を広げている。分限処分は国公労働者全体の問題であり、全厚生の仲間を励ます社会保険事務局前での宣伝行動の具体化をはかっていく(愛知県国公)、社会保険庁改革対策委員会に期待するが、今年度不十分なとりくみとなった社会保険事務局前宣伝行動の教訓もふまえて、丁寧な行動提起をお願いしたい(兵庫県国公)

 ◇全県国公で行政相談・懇談を

登記の公共性の研究を深め、11月に行政研究集会を予定。登記の公共性を訴えるポスターを3万枚作成し、関係団体に配布した。全国での法務行政相談所開催の経験もいかして、全県国公での開催が提起されている行政相談活動の先頭に立ちたい(全法務)、閣議決定された測候所の全廃計画は住民の防災・安全を切り捨てるもの。自治体要請にとりくむと自治体首長らは廃止に反対しており、住民との共同が広がっている。その地域にとってなぜ測候所が大事なのかを市民に明らかにしながら大きな住民運動にし、国を動かす運動へとつなげたい(全気象)、定員純減計画のもとで、一方的な削減が行われようとしているが、職場にそれを受け入れる余地はない。京都市内に三つ職安があって約200名の定員でそのうち10人がメンタル疾患で長期に休んでいる。行政民主化への討論と学習、効果的な対外宣伝が必要不可欠だ(全労働)

 ◇地域住民との共同で運動が広がる(大阪)

自治体リストラによる公民館を守る運動と連帯し、地域住民と共同の運動を広げている。「小さな政府」「小さな自治体」攻撃に反対する大きな住民運動にとりくみたい(大阪国公)

 ◇35議会中11議会で意見書採択(新潟)

県下すべての自治体へ独自に「公共サービス商品化」反対を要請。35議会中11議会で意見書の採択を勝ち取った。要請行動は、郵送による陳情ではなく、直接出向いて請願することに意味があり、成果も得られる(新潟県国公)、構造改革が道民生活を直撃するもとで、二度にわたるキャラバン行動や自治体要請、組織の違いを超えたシンポジウムなどで、構造改革への批判が噴出。公共サービス切り捨て、地方切り捨てを許さない共同が広がっている(北海道国公)

 ◇地域に打って出て攻撃をはねかえそう

北九州市で餓死者が3人。生活保護の相談窓口に警察OBが配置され、生活保護を求める市民を追い返すのが仕事になっている。まさに市民に敵対する仕事だ。政府の行革で私たちの仕事も同じように国民に敵対するものに変質させられようとしている。産別一体の運動で地域に出て、国民に行政民主化を訴えることがいまこそ大切だ(福岡県国公)

 ◇安全・安心の担い手として

パロマのガス器具やシュレッダーの事故の問題など、経産省の所管に関わる事故が多発。背景には企業のモラルハザードがあるが、経産省の国民生活部門の軽視、国民の安全・安心を軽視する規制緩和、そして職場においては定員削減による慢性的な人手不足、短期的な評価を求める姿勢、2〜3年で局間異動を行う弊害などが噴出したものだ。国民の安全・安心のための行政を確立するために奮闘する。公務員攻撃に対する効果的な反撃を工夫し組織すべき(全経済)、構造改革による医療制度の改悪が国民の命を直撃している。「安全・安心」の医療行政の担い手としてのとりくみが必要。また、医療事故と隣合わせの実態の改善と夜間患者10人に看護師1人の配置等を求め、職場の過酷な労働実態を改善し、安心して働き続けられる職場作りと医師・看護師の確保「安全・安心」を形にする増員闘争が必要(全医労)、日航907便裁判闘争で、全運輸は、航空の安全を確保し国民の生命と財産を守るため、責任追及の観点ではなく、再発防止のための原因究明を図るべき航空事故調査のあり方を求め、裁判における最終勝利にむけ、今後とも奮闘する(全運輸)、全建労地理支部では、国土地理院の独立行政法人化阻止の運動をとりくみ、支部ではつくばエクスプレス「つくば駅」にて早朝駅宣で「測量・地図事業はかけがえのない国民の財産です」のパンフレットを用いて宣伝活動にとりくんでいる(全建労)

 ◇大増税、労働法制改悪は許さない

運動方針で提起されている大増税反対の税金パンフの作成協力や、税金学習会の講師派遣など積極的な役割を発揮したい(全国税)、いま法制化が推し進められる労働法制改悪は、法定労働時間の適応除外となる労働者を増加させ、労働者の過労死や過労自殺をますます多く生じさせることになる。また、使用者にとって、労働者を解雇しやすく、都合良く働かせることができるようになる制度である。これらのスケジュールは年内が山場と考える。民間準拠で労働条件の改悪をすすめる人事院の動きを見る「イグゼンプション」制度については、公務職場にも導入が図られる危険がある。今回の労働法制改悪について、国公労連としても全労働者に対する攻撃と受けとめて民間労働者と連携し、とりくみを強化する(全労働)、来年の参議院選挙で、自・公・民の議席を増やすようなことがあったら、憲法改悪は必至の上、国民生活が破壊されてしまう。自・公・民による政治では、一層地方切り捨て、国民生活破壊が進行することを客観的なデータにもとづいた資料を作り、地域から選挙闘争にとりくむ必要がある。そのためにも選挙闘争方針を早い時期に提起して欲しい(青森県国公)

 ◆労働条件改善、働くルール、民主的公務員制度の確立
  −−地域の民間の仲間と共同して展望を開く

 ◇「夢の年収400万時代」人事院前行動だけでは

転職雑誌で「夢の年収400万」とされる時代。ここを払拭する運動でなければ支配者側の分断支配に乗せられてしまう。地方の労働者の賃金をどう上げていくか、それが私たちの賃上げにつながる。民間の春闘を自分たちのこととしてたたかう必要がある。人事院前の行動だけでは結局自分のことしか考えていないことになる。全建労は全労連の統一要請書提出行動にとりくみ、建設関連の中小企業に働く労働者のみならず、中小企業経営者とも共同を広げている(全建労)

 ◇民間の仲間とともに

7月20日に人事院九州事務局包囲行動にとりくんだ。500人の仲間を結集し、そのうち100人は民間の仲間。賃下げの比較企業規模見直しは許せないが、たたかったからこそ大幅賃下げを阻止できたのではないか(九州ブロック)、7・19官民共同総行動を750人の参加で成功させた。「近畿1万人のタペストリー」でアピールし、地元商店街からも共感を呼んだ(近畿ブロック)、青森県は全国で一番低い最低賃金で608円。その最賃での生活体験を県労連に結集してとりくみ、各報道機関からの取材が相次ぎ反響が大きかった。最賃の引き上げの答申で2円の引き上げとなったが、引き続き官民一体となったとりくみを強化する(青森県国公)、労働基本権回復の大きなチャンスを迎える情勢の中、人職として人事院のあり方について検討していきたい(人事院職組)、労働基本権回復のとりくみ強化を。権利学習を旺盛に展開する(全運輸、全建労)、今回の人勧では、勧告直前の7月段階になってはじめて人事院がこのような重大な検討事項を示すといった不誠実な対応などの経過もあったが、職場段階での学習、意思統一が十分ではなかったのではないか(全労働)、今後の賃金闘争のあり方を確立するための国公労連全国活動者会議を開催すべきでは(福岡県国公、全運輸)、06人勧での比較企業規模の見直しは許されるものではない。今後、賃金闘争を行う中で、要求の組み立て追及が難しくなっているが、交渉などでは配分なども明らかにさせながら運動をすすめるべき。また、賃金要求アンケートを取り組むにあたり現給補償額の取り扱いについて疑問も出ている。明確にすべき(全通信)、九州人事院に昨年の「給与構造見直し」に今も納得していないと独自要求を掲げた。早急に回復するとは考えていないが、これ以上の「格差拡大」には反対である。人勧期闘争において九州人事院は比較企業規模を50人以上に引き下げることを説明しなかった。本院が国公本部に回答したことは地方人事院でも回答するよう働きかけをして欲しい(九州ブロック)、全運輸独自で非常勤職員へのアンケート調査を実施。雇い止め解消や劣悪な労働条件の改善を求める声が非常に多い。非常勤職員の劣悪な労働条件を放置しておいて国公労働者の労働条件改善はない。産別のとりくみ強化が不可欠だ(全運輸)、休息時間の廃止に伴う新たな勤務時間制度導入によって職場に発生した深刻な影響が出ている。所定労働時間の短縮に向けとりくみを強化したい(全労働)、来年3月の非常勤職員の雇い止めを許さないたたかい進める。この間、病院長の判断で再度採用することも可能であるとの回答を引き出している。全医労の組合員の約1割が非正規労働者。非典型労働者の組織化推進方針に積極的に応えていきたい(全医労)、週所定労働時間は、公務が40時間に対して民間が38時間53分。勤務時間延長に対する職場の不満と所定労働時間短縮の要求にこたえたとりくみ強化を(福岡県国公)、メンタル疾患で長期に休む職員が増えている。裁判所当局は現職死亡の原因について職場に説明しないケースが増えている。ここ3年間でメンタル疾患が増えた企業は6割。成果主義賃金のもと、職場の助け合いがなくなり、メンタル疾患が増えているのではないか(全司法)

 ◆組織拡大・強化に向けて
  −−非常勤の仲間の組織化は労働組合の信頼回復運動

 ◇非常勤職員の仲間が組合活動を活性化

非常勤職員の組織化は、四つの地本で38名の仲間を組織化。四国地本では非常勤の仲間の新入組合員教室を開催。非常勤の仲間が、勤通大憲法コースを受講し集団学習に参加したり、青年部の役員をするなど組合活動を活性化している。しかし、まだ全支部のとりくみとなっていない。非常勤の仲間に対する見方が、同じ職場に働く労働者ではなく使用者の立場のようになっていることを払拭する必要がある。全地本での非常勤職員の組織化と関連労働者の組織拡大を進める(全港建)

 ◇職場の信頼関係広げ組織拡大

三重支部が組織率4割から6割へ組織を拡大。4割に落ち込んだときは、組合を解消しようとの声も出るほどだったが、執行部の誠実さに信頼寄せ結集した仲間が、機関紙を発行し手渡しながら対話を広げ信頼関係を築いた。信頼関係ができれば職場の不満や要求が執行部に多く寄せられ、その一つひとつの要求に丁寧に応えることで、いっそう組合への信頼と結集が高まり、組織拡大につながっている(全司法)、県国公への未結集組織の解消をはかる必要がある。各単組本部は指導強化を(茨城県国公)、職場実態にそぐわない運動提起は組合員との信頼関係を損なう。職場の組合員一人ひとりに目を向けた運動提起や、とりくみの重点化、効率化をはかるべき。対話にもとづく信頼関係の構築で、日常活動を活性化して未加入者、非常勤職員の組織拡大を進める。北海道ではハローワークの相談員を更新回数だけで雇い止めにしない通達を出させ、働き続けられる道を開いた。健康診断も正職員と同じく全員実施を実現した(全労働)

 ◇誰を信じていいかわからない相談者に徹底的に寄り添う

国公一般は、国公職場で働くすべての労働者(正職員、非常勤職員、派遣職員、請負職員など)を視野に入れた運動を展開。この1年間の労働相談は、ほぼすべての省庁から47件寄せられ、二桁の組織拡大につながった。劣悪な労働条件、パワハラ・セクハラ、退職・休職強要などにより、誰を信じていいかわからない状況で相談に訪れる。「とことん話を聞いて、徹底的に寄り添う」「組合員を裏切らない」という活動スタイルで、労働組合の信頼回復運動を展開している(国公一般)、近畿では、30周年記念事業のとりくみが、組合活動の活性化につながった。しかし国公全体のとりくみの到達は不十分。きちんとした総括を(近畿ブロック、兵庫県国公)

 ◇地域での奮闘が決定的

現在、京都左京地区労働組合協議会の議長をしている。その中で感じることは、国公労働者が地域の労働運動に参加していないことである。政府・財界からの攻撃によって公務員賃金は悪化の一途を辿っており行政も「官から民へ」で、国民生活に深刻な影響を及ぼしている。そうした中で公務員労働者と民間労働者、国民の共同は急務。それを成し遂げるためには国公労働者が地域の労働運動、住民運動に全力で参加することが求められている(近畿ブロック)


●総括答弁

 さらに地域に目を向け共同を広げあらゆるとりくみを組織拡大に  

 積極的に補強・実践する立場からの発言で、提起した方針が豊かに補強されたこと、歴史の転換点にふさわしい大会として、たたかいの意思統一が図られたことをまず確認したいと思います。
 
 ◇新聞意見広告運動で平和の願いを形に

 当面の焦点である教育基本法の改悪法案は、教育の目的を「人格の完成」から根本的に転換して「愛国心」を強要し、「戦争する国」を支える人づくりをめざすものです。
この企みを粉砕するカギは、その本質や狙いを知らせ、世論で包囲することです。そのために、全国キャラバンや網の目行動に全国で結集するとともに、組合員一人ひとりの力を寄せ合い、周辺労働者や家族を含めて平和への願いを形にする運動として、「新聞意見広告」運動を必ず成功させることを意思統一したいと思います。
同時に、勤通大・憲法特別コースの全員終了など引き続き学習を強めながら、これらのとりくみを職場・地域の「9条の会」結成につなげましょう。
 「9条の会」は、9条改憲反対の一点で組合員だけでなくOB、管理職、非組合員など広範な人々を対象に、活動スタイルも労働組合的な画一的なものではない、それぞれの実情をふまえた自由で参加して楽しいものにすることに留意し、全国津々浦々にネットワークを張り巡らせましょう。

 ◇地域労働者や市民とともに

 消費税率引き上げも含む増税の突破口に総人件費削減が位置づけられ、これまでのルールや価値観、理念といったものを無視して数値目標の達成が競われています。
 これにとどまらず、既に経済財政諮問会議の民間議員は、(1)行革推進法を出発点にして2011年度以降も定員純減、(2)市場化テストの聖域なき本格導入、(3)地方支分部局における本省とは異なる給与体系の導入などを提言し、年金制度の一元化に伴う退職年金と手当の「見直し」法案が、人事院の調査をふまえて来年の通常国会に提出されようとしています。
 こうした局面で私たちは何に依拠し、どうたたかうのか。公務と公務員の役割、範囲「見直し」がすすめられているとき、公務の公共性を確認し、行政第一線から実態を検証して、それにもとづき国民のみなさんに問題を提起することが求められています。
自らの労働条件課題、要求を声高に叫ぶだけでなく、「構造改革」による格差拡大や、社会的弱者と地方切り捨てを許さないとりくみと一体的に展開することが重要です。
 そのためにも、従来以上に産別結集と統一闘争を強めること。職場を基礎にしながらも職場闘争のみにならず、地域の労働者や市民とともに運動の発展を追求しましょう。

 ◇真の労働組合の確立を

日本国憲法とともに誕生した公務員労働運動の過程は、権力機構の激しい弾圧、当局の組織破壊・分裂攻撃、免職を含む大量の懲戒処分などが繰り返されてきました。
今日、嵐のような攻撃のもとで、ともすると運動への確信が揺らいだり、国家公務員を志した初心、働きがいや生き甲斐までも失いかねない事態が進行しています。
 人間が粗末に扱われ、個別管理が強められ、格差が拡大する社会とそれを反映した職場のなかで、人と人とのつながり、絆が今ほど求められている時はないと思います。
 憲法に規定された「全体の奉仕者」として、「公共の福祉の実現」「国民の権利保障」を目的に行う公務、行政サービスを守り、労働条件を改善するためにも職場に真の労働組合を確立しましょう。

 ◇組合員の悩みや要求 誠実に向き合おう

 そして、行政関連法人や外郭団体などを含むすべての労働者を視野に、職場の多数派形成をめざしながら、組合員一人ひとりとの信頼関係を構築するため、悩みや要求に誠実に向き合い、その解決に向けてともに考え、行動する姿勢が改めて重要になっています。
そのためにも、最も身近な「非典型」労働者との連帯、組織化は大前提です。それもできずに、民間労働者や国民との共同が前進するはずがありません。
 あらゆるとりくみを組織拡大に結びつけ、来年の大会では増勢に転じ、団結が強化されたことを確認しあえるよう、国公労連中央執行委員会も方針実践の先頭に立って奮闘する決意を表明します。 

 ◆財政方針
  −−効率的な運用で各会費据え置き


 2005年度の財政執行率は、効率執行に努めた結果、予算比93・7%となり、約3990万円繰越となりました。
 2006年度予算は、月額会費(640円)、年会費(250円)、闘争会費(500円)を据え置き。全労連組織拡大基金は昨年と同額を特別会費に上乗せすることとしました。
 支出では、方針具体化を財政面から支えるため必要な経費は確保すると共に前年実績を踏まえた調整や、経常経費での削減の措置をとりました。
 ブロック・県国公専従役員の人件費、活動補償など特定目的の支出をおこなう特別会計は、「不利益遡及」裁判闘争特会は廃止し、10会計設けています。
 これらの会計決算報告及び会計監査報告は拍手により承認され、2006年度財政方針案は満場一致で可決されました。

 ◆国公共済会
  −−加入格差解消のための方針確立

 国公共済会2005年度事業・活動報告および2006年度事業・活動方針案、新年度役員候補が提案され、いずれも承認・採択されました。
 2006年6月末現在、国公共済会に加入している実組合員は1年前に比べ1383人増の3万3060人であり、加入率は組合員総数対比34・9%、掛金収入は1億7千6百万円増の16億9千万円にと、着実に推移したことが報告されました。
 1年間に支払われた給付金は4883件、9億2千万円となり昨年度より1億7千万円増加しました。
 以上の結果、剰余金として3億9千万円余を計上することができました。このうち、1億4千万円を個人還元金として加入者に返すことを確認しました。各職場には9月末に返金する予定です。
来年度は、単組間と単組内での加入率較差を解消するため、国公共済会と単組本部が協力して具体的な加入拡大方針を確立し実践することを確認しました。

 ◆第52回定期大会で可決・承認された議案

 第52回定期大会に提出された議案・報告はすべて可決・承認されました。以下、可決・承認された議案・報告です。
(1)2005年度闘争総括および2006年度運動方針、2006年度秋期年末闘争方針
(2)2005年度会計決算報告、2005年度剰余金処分
(3)2005年度会計監査報告
(4)2006年度財政方針、一般会計・特別会計予算
(5)国公共済会2005年度事業・活動報告及び2006年度事業・活動方針、国公共済会2006年度役員体制、規約改正

◆最優秀賞に愛知県国公
  −−2005年度ブロック・県国公機関紙コンクール審査結果

★最優秀賞
  「国公愛知」(愛知県国公)

★優秀賞
  「北海道国公ニュース」(北海道国公)
  「国公宮崎」(宮崎県国公)

★努力賞
  「県国公ニュース」(千葉県国公)
  「県国公デスク」(山口県国公)
  「国公労大阪」(大阪国公)
  「東海道かわら版」(静岡県国公)
  「宮城国公」(宮城県国公)
  「長野県国公」(長野県国公)
  「東海ブロック国公」(東海ブロック国公)

◆来賓

 全労連議長・坂内三夫氏、公務労組連絡会副議長・駒場忠親氏、日本共産党参議院議員・吉川春子氏、国公労連顧問弁護団・岡村親宣氏、行財政総合研究所理事長・永山利和氏

◆メッセージ(敬称略)

【労働組合】 自治労連、全教、日高教、郵産労、日本医労連、全日赤、特殊法人労連、水資労、国会職連、国交省管理職ユニオン、民放労連、出版労連、全印総連、繊維産労、全労連・全国一般、生協労連、建交労、自交総連、国労、航空安全会議、通信労組、全港湾、全信労、銀行労連、銀行労連、全損保、中退共労組、年金者組合
【民主団体等】 働くもののいのちと健康を守る全国センター、労働総研、自治体問題研究所、治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟、消費税をなくす全国の会、じん肺闘争東京連絡会・全国じん肺原告団連絡会議・全国じん肺弁護団連絡会議、全国公害患者の会連合会、自由法曹団、国民救援会、日本母親大会、婦団連、新婦人、民青同盟、全商連、民医連、農民連、平和委員会、原水協、被団協、原発問題連絡センター、非核の政府を求める会、安保破棄中央実行委員会、日中友好協会、AALA、全国革新懇、うたごえ協議会、音楽センター、労教協、日本労協連、革新都政をつくる会、労働共済連、全労済、税理士・山岸房雄、労金協会、労金新橋支店、平和電気、アルファ・デザイン、日本機関紙協会、きかんし、陽光堂印刷、教宣文化社

 ◆大会宣言


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