中央公聴会は7日−藤田委員長が公述
 地方公聴会は8日−仙台、津で開催
 10日にも衆院本会議で採決強行の動き

--強行許さない取り組みを飛躍的に強めよう

(国公労連「行革闘争ニュース」1999年6月3日付 第112号)


 衆院行革特別委員会は、7日に中央公聴会(国会で開催)、8日に地方公聴会を仙台市と三重県・津市で開催することを決定しました。7日の中央公聴会には、藤田委員長が公述人として出席します。新聞報道によれば、公聴会の日程が入ったことで、自民党は、9日に委員会採決、10日に衆院本会議採決を強行する動きを強めているとのことで、それを許さない中央・地方の取り組みを飛躍的に強めることが求められます。

<国会議面行動・第6日目>
100人が参加、共同広げ国会闘争の総結集を決意
 国公労連は6月2日、6日目となる衆議院・議員面会所行動を100人の参加で成功させました。この日は、全運輸が20人参加、昨日の全気象13人の参加に続き、多数の結集となりました。
 冒頭、国公労連の松村副委員長が「本日は地方分権の審議がされる。地方事務官の廃止にともない、社民、公明による“地方へ”との圧力が強まっている。対象となる社会保険行政等は、国の事務であり国が一体で統一的に運営すべきだ。地方分権一括法案で、港湾法や水道法など、新ガイドラインを実行するための法改正が密かに準備されている。盗聴法の危険性ともあわせ、悪法の本質を行革との切り口で訴えいこう」と主催者あいさつ。日本共産党の平賀衆議院議員が「国家公務員を25%削減する理由について、太田総務庁長官の説明はいっさいない。党利党略で道理がない。それでいて、自衛隊は聖域になっている。経済諮問会議には財界の代表が入る方向は明らかで、逆立ちしたものだ。廃案に追い込むためにがんばろう」と国会報告をかねてあいさつしました。  続いて、全労連国分事務局次長が「中央省庁再編では内閣機能を強化し、地方分権一括法案は、地方自治を押しつぶすもの。これらは、ガイドラインと一体だ。ガイドラインを発動させないためにも、廃案にむけて奮闘しよう」と述べるとともに、「昨日の座り込みは、全労連、連合、全労協の共同した取り組みとなった。中央・地方で共同をさらに進め、確信をもってたたかおう」と参加者を激励。公務共闘の山口副議長は、「中央省庁再編などの行革は、日本の経済・産業や国のあり方を大企業本位に変えるための国家機構の大改造だ。この攻撃は政府・財界の強さというより、追いつめられた結果だ。いまわきおこる力で行革を許さないためにがんばろう」とあいさつしました。
 全建労の海野副委員長が、「職場では国民と対話しながら、国民本位の公共事業を取り戻すためにがんばっている。行革と公共事業の署名をかき集め、行政研究集会も6月19日におこない、6月議会での自治体請願の取り組みを職場から進める」。全法務の安田副委員長が、「審議では25%削減の根拠は答えられてない。また独立行政法人化の対象を拡大する話もでている。これは到底、受け入れられない。法務の職場は、国民の財産と権利を守るためにがんばっている。増員署名も71万筆を提出し、20年連続の採択をめざしている」とそれぞれ力強い決意を表明、最後に国公労連杉浦中央執行委員が当面の行動提起をおこない、国民の声を国会に届け、国民犠牲の行革をやめさせるために、国会闘争への総結集を呼びかけました。

請願紹介議員85人に
○6月2日確認  行革請願署名紹介議員・追加分
 衆議院
  井上 一成(自由党・近畿ブロック)
  福岡 宗也(民主党・東海ブロック)   計 2人

 参議院
  角田 義一(民主党・群馬)   計 1人

○6月1日現在 紹介議員数

衆議院    51人 参議院    34人 総計  85人
内訳
共産党   26人 共産党   23人 49人
民主党   15人 民主党    4人 19人
社民党    8人 社民党    4人 12人
自由党    2人
2人

自民党     1人 1人

公明党     1人 1人

無所属     1人 1人

衆院行革特別委員会・6月2日午後の審議
 6月2日午後の衆議院・行政改革に関する特別委員会の審議の概要は、以下のとおり
(岩國哲人・民主党)(1)男女共同参画社会の実現にむけて、役所においても女性の採用、登用を行っていくことが求められている。(2)省庁再編、地方分権が一緒に議論されることがおかしい。省庁再編は中央集権をめざすものであり、地方分権といいながらちょっぴりの権限しか渡さないし、財源は渡していない。全国知事会のパンフレットでは、地方分権について「権限、財源、人間」とあるが、この法案のどこに財源の規定があるのか、財源なくして分権はない、その点をはっきりさせる必要がある。「3年内に財源について見直す」との条項を入れるべきだ。(3)地方議会の活性化として、議員定数を定めるとあるが、それぞれの自治体にまかせるべきであり、この条項は削除すべきだ。(4)首長の多選禁止の規定を設けるべきだ。これからの市町村長は、大きな権限を持つことになり、首長の任期は制限すべきだ。アメリカの各州では国会議員の任期を定めている。民間でもトップの在職の長期化で弊害がでている。公益性の強い公務ではなおさらのことだ。
 これに対し以下のとおり答弁がありました。
(1)(野田自治大臣)女性の採用、登用について、国が強制すべきものではないが、男女共同参画プランの中で女性の積極的な採用、登用についていっているように性別によらない社会の実現にむけて政府としても努力する。
(2)(太田総務庁長官)中央省庁再編は中央集権にはあたらない。基本法の中でも「地方分権を進める」ことになっており、補助金の統合化など地方の権限を大きくすることになる。(野田自治大臣)組織、財源、全部ワンセットにして整備できればいいのだが、法案ではその中で役割分担にからむ部分について議論をいただいている。財源・税収の問題については、経済活動が前提であり、今はアブノーマルな状況であり、こういう状況で財源の問題を議論することは問題だ。民間が指導する正常な経済状態が回復したときに国・地方の税財源のあり方が出てくる。
(3)(野田自治大臣)自治体に信頼をおいてという点はわかるが、外国でも国法又は州法で議員定数が定められている。今回の法案では、今まで法律で議員定数を定めていたものを、上限を定め定数については条例で定めるとしている。一歩前進している。
(4)(野田自治大臣)公職選挙法10条、11条で被選挙権を定めているが、これを改正し条例で多選禁止を定めるとのことだが、この問題は白地に絵を描くというわけにはいかない。政治的な議論が必要であり、各党で議論を願いたい。
(中桐伸五・民主党)(1)前回の審議でも指摘したとおり、都市計画法第18条3項、4項では、国の都道府県、市町村への関与について、一般的に「国の利害に関する」とされているが、「国の利害にからむ重大な関係がある」というように修正したほうが地方分権の趣旨に沿っている。(2)都市計画法第24条1項、4項に国の「直接執行」の条項が盛り込まれている。地方分権推進計画では「直接執行」について、特に「国民の利益に緊急の必要性」があるとされているが、これと条文の整合性は、また、「国民の利害」ということで表現できないか。「国の利害に重大な関係がある」との表現は、国土利用計画法13条、土地区画整理法3条4項と、広範囲に入っているが法定主義、法令主義からより具体的、明確にすべきだ。(3)「直接執行」の前提条件として、都市計画法第24条2項に、「都市計画審議会の確認を受けた上で」とあるが、確認を受けるのにふさわしい機関なのか。大臣が任命している委員で構成する審議会が、地方で作った都市計画に問題がある場合、建設大臣が「直接執行」するかどうかの係争を取り扱うことがふさわしいといえるのか。こういう事案は、国の利害に重大な関係があり、係争処理委員会の対象にならないか。(4)都道府県にも都市計画審議会があるが、この中に国の機関の職員が入ることになっているが、21世紀にむけて地方分権の時代にこういう通達は廃棄すべきだ。地方の町造りだから地域の人の意見が取り入れられなければならない。
 これに対し政府は以下のとおり答弁しました。
(1)(関谷建設大臣)都市計画法改正法案についての指摘だが、地方公共団体に対する国の公権的な関与を排除するためには、関与の範囲を明確化する必要がある。。特に国でなければならないということだ。国の関与を追加したものではない。条項の中には指摘の趣旨が含まれている。
(2)(関谷建設大臣)「国民の利益に緊急の必要性」という趣旨は、条文の中でも実質的には変わりはない。「直接執行」については、国の政策に重大な支障がある場合のものだ。国民とした場合は個々人的な意味合いもあり、国とした場合とはいささか違うのではないか。
(3)(関谷建設大臣)都市計画審議会の委員は、都市計画にかかわる高度の専門性を有することから、学者、マスコミ、地方公共団体等から幅広く人選している。
(太田総務庁長官)審議会は、第三者的立場、中立的立場にあるべきであり、建設大臣が任命したからといって恣意的になるとはいえない。(野田自治大臣)係争処理委員会の対象になりうるジャンルと考える。
(4)(関谷建設大臣)今回の改正案では、自治事務に整理がされており、通達という手段で国が関与するのは適切ではない。現在の通達は廃止する。
(山本都市局長)通達は廃止するが、政令(最低の基準)は定めさせていただく。都市計画は、国民の財産に伴う重要な問題であり、慎重な対応が必要。現在の政令の内容を基本に考えている。都道府県の意向、実態の調査を行っており、これを積極的に反映する。
(関谷建設大臣)地方の都市計画審議会の委員に国の出先機関の職員が任命されている点については、農業、産業、財政の総合的な行政の専門家として参加しているものと考える。

<共産党・吉井英勝議員の質問>
吉井英勝(共産):巨大店舗の出店により、地元商店街はシャッター通りとなり、空き地もめだつ。こんな状況が全国の地方都市で見られ、高齢者の生活が困難となり、毎日の暮らしにも影響が出、地域社会が崩壊している。巨大店舗の進出について、地方自治体が条例で規制をしようとすると、立地法第13条で条例による規制が困難になる。アメリカのバークレーやシヤトル等では小売店舗の数や売場面積等から巨大店舗の出店を条例で規制している。99年5月3日の日米首脳の声明によると、この種の規制をすべきでないとしているが、アメリカは国内ではバークレーのように規制を認めていながら、日本にとやかく言うのは許されない。立地法第13条は削除すべきである。
自治大臣:地方自治法に基づく条例制定はあくまでも法律の範囲内で行うべきである。立地法13条は大店舗の出店を自由にしようというものであり第13条をとりはらうことはできない。
吉井議員:ドイツ・フランス・イギリス等では経済的・社会的規制により大型店舗の出店規制が強められている。これらの国に対して規制をすべきだとアメリカが要求した事実があるか。
外務大臣:英・仏・独で規制が強められていること、それに対してアメリカが規制を強めるよう要求した事実は聞いていない。
吉井議員:国際的なスタンダードな規制をしようとすると、立地法の13条にひっかる。たとえば、13条の規定する需給関係という観点でなく、特定の市街化地域に「小売業活性化地域」と言う網をかぶせて、特定の規模の小売店舗しか認めないという条例をつくることは可能か。
通産大臣:大型店舗の規制が先にあるのではなく、どういう町作りを進めるのかということから、結果として大型店舗の出店が押さえられた、ということであればそれは可能である。
吉井議員:自治事務には、代執行はありえないとしながら、個別法の中に裁判抜きの直接執行の規定がある矛盾ではないか。
自治大臣:国の利害に重大な利害のある場合で、緊急な必要な場合であり、限定的な場合を想定している。これは、地方分権委員会の勧告に基づくものである。
吉井議員:都市計画法第24条はどのように発動されるのか。
建設大臣:都市計画審議会の確認を得て直接執行を行うこととなる。
吉井議員:建築基準法第17条の直接執行の規定もある。このような規定はいずれも地方分権の精神に反するものであり削除すべきである。
自治大臣:いずれも国の利益に重大な影響のある場合である。お認め願いたい。

<公明党改革クラブ・石井啓一議員の質問>
石井議員:定数削減計画について伺いたい。基本法に10年10%削減の規定があり、25%の閣議決定がある。10年10%はいつから始まり、そのベースとなる定員はいつの数字か。郵政公社や独立行政法人移行と定員との関係はどうか。 総務庁長官:平成12年末の84万6000人が移行までの間は削減の対象となる。移行後は定員管理の対象からはずれることになる。
石井議員:84万6000人から郵政の30万人を引くと55万となりこの25%は,13万7000人となる。これから独立行政法人に移行する7万人を引くと実質の削減数は6万7000人となる。たとえば、国立大学等が独立行政法人になると、ここに13万5000人いる。そうすると25%削減といのは、独立行政法人化の進み具合によることとなる。
総務庁長官:そのとおりである。ただ、独立行政法人化というのは、職員にとっては定員削減より厳しい話である。
石井議員:そうすると25%削減というのは、管理された削減ではなく、宣伝のための数字ではないか。 総務庁長官:25%は閣議決定された数字であり。小渕内閣の責任である。
石井議員:印刷局・造幣局の経営形態をめぐって、5月31日に労使協議が行われたが、十分納得のいく協議が行われなかったと聞いている。労使双方納得のいく話し合いが行われるべきである。
大蔵大臣:私も官房長官も労組の幹部と何回となく話し合ってきた。35年続いた経営形態を変えるのであるから、多少の異論はあるかもしれないが、独立行政法人はやむなし、身分は国家公務員、平成15年前半移行、安定的な雇用関係の維持等で一定の決着をみた。
石井議員:独立法人の役員には積極的に民間人を登用すべきである。天下りの受け皿にならないように、半数は民間人に。
総務庁長官:民間人を含めて適材適所で考えたい。
石井議員:独立法人に行く国家公務員の身分保障を確保すべきである。現在の国家公務員が、3〜5年で民間人になるのはふさわしくない。個人の業績は数値化しにくく評価が困難である。
総務庁長官:雇用の確保は十分に留意したい。業績評価はすでに民間でやっているし、公務制度調査会の審議もその方向で進んでいる。
石井議員:金融監督庁の特命大臣は他の大臣との兼務は可能か。また、財務大臣との兼務はすべきでないと考える。
大蔵大臣・官房長官・金融監督庁長官:兼務は可能であるが、総理大臣の任命事項であり、大臣の総数にかかわることでもあるので、回答できない。

<石垣一夫(公明・改革)議員の質疑・要旨>
○住民の意向を行政に反映させていくために住民参加の拡大が必要条件と思うが、どうか。
●(野田自治大臣)地方公共団体の自主性を高め、充実強化のために大きな意味をもつ。地方分権推進計画にもとづき、図っていく。
○住民の行政参加の方法として直接請求制度があり、首長、議会の解散などの請求もあるが、そのためには有権者の3分の1の署名が必要になるが、条件が厳しいのではないか。また、住民投票制度も住民参加のポイントと思うが、どうか。
●(野田自治大臣)直接請求制度は、煩雑で活用しにくい。首長のリコールは有権者の3分の1。人口の多いところでは、なかなか署名が集まりにくい。必要署名数の緩和、署名収集手続きの緩和を検討していく。住民投票制度は、任意に条例で制定し、かなりの自治体で条例制定されている。法律上、制度化の声もある。地方分権推進計画でも検討することになっている。
○条例の改廃の直接請求には、住民の50分の1以上の署名と厳しい制限がある。住民投票条例の今後の方向として、新しい仕組みをつくるチャンスだと思うが、どうか。
●(野田自治大臣)住民投票は、住民の意向を行政に反映させる有力な手段。その他にも、情報公開などもある。いろいろな工夫、手法を駆使してやっていくことが大切だ。法的な面でも精力的に検討したい。
○自治体行政の透明性、公平性にとって情報公開は重要だ。3300の自治体のうち、521の市区町村が制定している。制度の推進については、どう考えるか。
●(野田自治大臣)今後、地方分権を推進していくが、自己責任の範囲の拡大にともなって、自ら住民によるチェックが大切。情報公開の推進がなお一層大事であり、自治省も必要な助言をおこなっているが、自治体も積極的に対応していただきたい。
○都市計画法の改正で、国や都道府県の関与の視点を明確にし、国の関与が形を変えて入っている。地方分権にとって、どう考えるか。
●(関谷建設大臣)今回の都市計画制度に関する論議は、国の関与をいかに排除するかから始まった。改正案では、決して形のちがった国の関与があるということはない。また、そうならないように指導していきたい。
○充分、答弁があったので、一応了解する。下水道の事業計画で現行法では、建設大臣、都道府県知事の認可が必要だが、どう考えるか。
●(関谷建設大臣)下水道は大事な事業だ。管理のあり方は、国民生活にとって、重要な影響を及ぼす。その事業計画の策定にあたっては、市町村と別の調整が必要であり認可がいる。
○児童扶養手当法の改正、都道府県から市と福祉事務所を置く町村に移るが、財源措置、体制は大丈夫か?
●これまで4分の3を国が負担し、4分の1を県が負担していた。県だけの負担から、県、市と福祉事務所を持つ町村負担になる。交付金の算定基礎に入れ、負担増にならないようにする。
○文部省は、塾を認める方針に転換したのか?
●(有馬文部大臣)入試対策ばかりの塾はどうかと思うが、そろばんや補習的な塾は必ずしも否定すべきでなく、大いに共同できると思う。その塾への社会の評価により判断する。生涯学習は、小中高、大学で終わるのではない。国や地方公共団体だけでなく、様々な民営団体でおこうなうことが必要。
○文化財保護は大事な問題だが?工事にともなう埋蔵物文化財の調査に当たっての費用負担の紛争が起きないようにしなければならいと思うが?
●(有馬大臣)費用負担は、工事の実施者に負担を求めるが、それに支障を来さないようにする。保護の面では、自治体に国庫補助を行ってきたが、必要な予算は確保できるようにする。

<社民党・濱田健一議員の質問>
濱田議員:教育行政の分権についてどう進めるのか?学習指導要領改正で、地方、学校の裁量を大きくするため、大綱化、弾力化するというが、地方教育委員会のしばりはまだまだ大きく、法令による文部省のしばりも強い。文部省設置法では、5条17項で、になっていて、ハシの上げ下げまで助言、指導することになっていて、それを根拠に、地方教育委員会、学校が対応させられている。文部科学技術省設置法案では、削除整理されている。文部省として大綱化、弾力化を文部省としてどう指導するのか?
有馬文部大臣:「必要な助言、指導、援助を行う」というものを、「求めることが出来る」と変える。文部省は、教育水準の確保、機会均等の保障の観点から、大綱的基準を示していく。学習指導要領は、今も大綱的だが、今後、各学校が創意工夫できるようにすることが重要だ。文部省は、必要な専門的、技術的指導、助言を行い、ハシの上げ下ろしまで言うことはしない。
濱田議員:文部省設置法と同じ文言の組織令も変えるのか? 小野文部省官房長:法改正を踏まえ、検討する。
濱田議員:地方教育行政法48条の「指導、助言、援助する」を、「出来る」と変えるのは相当受ける印象が違う。運用も含めた改革を。
有馬大臣:県、市町村、学校の創意工夫は極めて重要。教育課程については、基準は國が示すものの、大綱的なものにする、指導資料についても、不可欠なものに限定、国の行う研修も各県のリーダー要請や喫緊の課題に限定する。
濱田議員:改正される地教行法48条3項で、文部省は必要な指導が出来ることになっている。指導で、何でも文部省の考えが通るようになる心配がある。一定の用件、制限をしているのか? 御手洗教育助成局長:地方自治法改正で、各大臣は必要な指導が出来るとしたものにあわせた。
濱田議員:現場、地教委が求めるのにしたがって、指導、助言することが大事だ。
有馬大臣:おっしゃるとおり。
濱田議員:指示、命令と、指導、助言の峻別を図るべきだ。強制にわたっては性格が変わる。
有馬大臣:主体性、積極性を持ってもらうのが大事で、過度の制限でなく、情報提供に重点を置き、法律違反の是正に重点を置く。指導等の意義について認識を深め、意識改革をすることが大事ということは十分認識している。
濱田議員:地教行法49条改正は、現場を大切にする現れだと認識しているが?
有馬大臣:地域の実情に応じた教育が行えるよう見直す。昨年9月の中教審答申は、責任関係の明確化、地域の実情に応じた教育、地方、学校の裁量の拡大、文部省の関与を一覧的に示すことの見直しを提言している。学校についても、評議員会などの創設を提言している。
濱田議員:学校管理規則は、管理統制手段として使われてきた。保護者や住民の意向を反映するものにする必要がある。管理規則を、支援、援助に変えるえる必要がある。教育委員会がすべて決めるのでなく、学校が判断できるよう権限移譲をする必要がある。
有馬大臣:今後の教育は、学校だけでなく、地域社会、過程、保護者の協力により、自主的に動いていく必要がある。
濱田議員:学校管理規則は細かいが、教職員が実際に何をしているかが分からない。具体的に分かるように書くべき。
有馬大臣:地域社会によく理解できるようにする。あり方について中教審答申を踏まえ、それぞれの団体で検討している。
濱田議員:財源の充実について、指導性を発揮してもらいたい。国の教育条件整備の役割は重要だ。市町村にも教職員の給与を分担させようという動きもあるが、全体の水準維持のため、原稿の教員給与の国の補助制度を維持すべき。
有馬大臣:教育は国家100年の計。教育支援はしっかり守っていく。義務教育教員の給与の2分の1補助は優れた制度。国と地方の費用負担の見直しを行っているが、補助制度の根幹は維持していく。
濱田議員:子どもの琴線に触れる教育をするためには、子どもの実状をよく把握しないといけない。60人学級から40人学級へと、変えてきたが、今後30人、25人としていかなければならない。義務教育第6次定数改善終了前に、きちっとした見直しをする必要がある。
有馬大臣:中教審会長の時も心配していた問題。先進諸国並みの学級定員にすると書かせた。財源問題もあり慎重に検討しているが、チームティーチングを増やすなど、工夫していく。
濱田議員:教科書の採択地域の規模を小さくすべきではないか?
有馬大臣:行革委員会意見を踏まえ、採択地域の小規模化を積極的につとめていく。
濱田議員:文部省へ国民の意見を反映するため、政策評価制度を強化すべきだ。
有馬大臣:広く国民の声を集めることは大事。モニターやホームページを活用する。審議会を通じ、幅広い方々の意見を聞いていく。客観的、合理的な政策評価方法を研究していく。
濱田議員:10年、15年勤続した場合、研修休暇が必要ではないか。
有馬大臣:一定期間大学院に行くとか、様々な経験をしてもらえる新たな研修休業を、教員養成審議会が答申している。関係省庁と協議し、具体的あり方を検討する。

<自由党・鰐淵俊之議員の質問>
鰐淵議員:総理の生活空間倍増プランに基づく地域戦略プランが1216市町村から465出されていると聞くが?
関谷国土庁長官:複数の市町村単位で、自らテーマを選定し、個性的で誇りが持てる地域作りの計画を立てている。県を超えた広域的なものも9つある。非常に画期的だ。
鰐淵議員:政令指定都市、中核市に加え、20万人以上の市を特例市とする方向だ。その一方で、中核市は、人口30万人以上、面積100平方キロ以上となっているが、政令指定都市にも特例市にもない面積の基準があるのはなぜか?
鈴木自治省行政局長:面積は、1.行政需要のまとまり、2.固定資産など財政面、3.大都市周辺の小さな都市については県がやる方が効率的だからだ。面積要件は、合併促進効果がある。
鰐淵議員:人口50万以上いるのに面積がわずかに足りずに中核市になれない市が、相模原など3市ある。自らの責任でやれる力がある。基準はゆるめられないか?
鈴木局長:30〜50万人の市で15、50万人以上の市で3つある。中核市の定着状況を踏まえ、検討。
鰐淵議員:県から市町村への権限移譲についての分権推進委の6次勧告が見送られた。国から県知事への権限移譲は、圧倒的に多いのに、県知事から市町村長への以上は圧倒的に少ない。再度議論する場を設けるべき。
鈴木局長:特例市、中核市には移譲。条例による移譲もありうる。今後とも一層の推進に取り組む。
鰐淵議員:道州制と市町村の2層にすべき。介護、産廃など1自治体では出来ない。合併のインセンティブを設けるべき。
鈴木局長:合併推進にあたっての都道府県の役割は大きい。県が合併のパターンを示す、そのため自治省がガイドラインを示す。


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