|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
6月11日午前、参議院本会議が開かれ10日衆議院本会議で可決した中央省庁改革関連法案の趣旨説明と各党代表質問がおこなわれました。 法案の趣旨説明は太田総務庁長官がおこない、鹿熊安正(自民)、寺崎昭久(民主)、弘友和夫(公明)、吉川春子(共産)、清水澄子(社民)、水野誠一(参議院の会)の各議員が代表質問にたちました。これに対し、小渕総理、太田総務庁長官らが答弁しました。 「富国有徳」を繰り返す小渕総理 21世紀にむかって日本のめざす方向や小渕内閣のビジョンについて各党が質したのに対し、小渕総理は絶えず富国有徳の理念を説き、「自由かつ公正な社会が富国有徳の社会であり、行革に積極的に取り組む」姿勢を明らかにするとともに、内閣機能の強化で政治主導を確立することを強調しました。さらに、有識者による「21世紀の日本の構想懇談会」を発足させて議論していることを述べ、その結果も得て「時代時代に応じて不断に見直していく」ことも示しました。鹿熊議員が、総理のめざす富国有徳と経済戦略会議の報告との関係を質問したのに対し、経済戦略会議報告がもっぱら経済面からの報告と述べ、富国有徳は広い立場で述べたもので「共通した面と違う面がある」と答弁しました。弘友議員が経済戦略会議の実行について、各省庁が前向きに受けとめているのが半数程度であるのをどうするかと質問。小渕総理は、「難しいと受けとめているものでも、さらに検討していく」と経済戦略会議の報告を具体化する意欲を示しました。 「25%の純減めざし、最大限努力する」(小渕総理) 10年間で25%の定員削減について質問が集中しましたが、質問内容は各党の立場を鮮明に示しました。鹿熊議員は、「25%を純減とするために、考えられる限りのあらゆるスリム化が必要だが、どのように実現するつもりか」と質問。寺崎議員は、「25%削減の公約は一種のまやかしではないか。独立行政法人を内数にいれては、行政コストの軽減につながらない。25%は、純減なのか否か」と質問。吉川議員は、「スリム化は、国民生活のスリム化だ。その一方で重点化とは企業、ゼネコン奉仕の重点化ではないか。独法化は民営化、廃止の第一歩ではないのか」と質問。清水議員は、「定削が行政サービスの切り捨てにつながることはないのか」と質問しました。小渕総理、太田総務庁長官は「定削の10年間で25%は、自・自連立の合意にもとづき4月27日に閣議決定した。この方針に沿って定削を実施する。10年間で10%の定削、独立行政法人化のいっそうの定削、増員を徹底して抑制する。25%の純減をめざして、最大限努力する」「地方支分部局の整理及び合理化は定削の正否のカギを握る」と答弁。さらに「行政サービスの水準、国家公務員の雇用問題にも配慮する」と述べました。 国民不在の経済財政諮問会議を追及(共産) 内閣府に置かれる経済財政諮問会議(その答申)について弘友議員が「各省庁が尊重義務の規定が必要ではないか」と質問したのに対し、太田総務庁長官は、「答申や意見を総理が閣議において発議し、閣議決定で内閣の方針にする。尊重義務は規定しない」と答弁。吉川議員が、「経済財政諮問会議の4人の有識者を総理が任命し、重要な政策決定権を与えることになる。行政改革会議が国民不在の行革を推進したのと同様ではないか」と質問したのに対し、「そのご懸念には、およばない」と答弁しました。 各党の質問の中で、小渕総理は、行革のこれからの手続きでは、「総合的、計画的に進めていく。規制緩和も進め、特殊法人は整理・合理化を推進し、その中で独立行政法人化も検討する」と答弁。行政評価にかかわっては、「行政評価のシステムを着実に構築・実施し、その分析、検討してすみやかに法整備(行政評価法)をおこなう」と答弁。環境省の体制については、「環境省の発足時に充実・強化をはかる」と答弁。参議院での十分な審議の要求に対し、「21世紀にふさわしい中央省庁の姿をつくるもの。すみやかに成立させていただきたい」と答弁しました。 議面集会に60人、新たな決意で闘おう 国公労連は6月11日、1日目の参議院議員面会所行動を60人の参加で成功させました。 まず、国公労連藤田委員長が「会期末を間近に控え、盗聴法や中央省庁等改革法案など重要法案が参議院段階で審議される。我々もその一翼を担って闘っていきたい」と主催者あいさつを行い。続いて参議院本会議で代表質問を終えたばかりの、日本共産党の吉川春子参議院議員が国会情勢報告をかねて「今日から参議院での審議がはじまった。週明け月曜日には13時から特別委員会で審議入りする。内閣機能の強化と行政のスリム化の両面からこの国の形を変えようとしている。この国の形とは平和な国、最低限度の生活を保障する国、ではないかと総理にただした。民主党の代表は、本当に25%の削減をするのかと質問。社民党の代表は、25%削減とは純減なのかと質問していた。地方分権一括法は475本、中央省庁等改革関連法案は17本。本来なら何年もかけて審議すべきものを、一括して一つの委員会に放り込んで、しかも短期間で上げようとしている。会期末にこんな重要法案が来ること自体がおかしい。これまで参議院では、重要法案は最低20日間の審議を保障することを確認してきている。この様な会期末での審議は、参議院の自殺行為だ。国民の運動がどのようなテンポで盛り上がるのかがカギだ。盗聴法では、世論の盛り上がりもあり、議運で審議方法を巡って10日間何度も話し合い、委員会審議に入らせなかった。特別委員会を作って審議せよが我々の要求だが、一定民主的な審議が出来るようになったので、法務委員会で審議を行うこととなった。悪法を易々と通さないためにも、もっともっと世論を盛り上げてもらいたい」と激励のあいさつをしました。 続いて、全労連・国分事務局次長から「5・21国民大集会の1点一致方式が、この盗聴法でも広がってきている。大いに頑張ろう」とあいさつ。公務共闘・新堰事務局次長(全教)から「ガイドライン法が通って、中央省庁等改革関連法はそれを推進する体制を作り、地方分権一括法は、自治体・住民を動員しようとする法案だ。また、戦争をする国としてふさわしい、日の丸、君が代法案を提出してきた。戦争準備の法案を粉砕しよう」と激励のあいさつを述べた。引き続き、単組を代表して全通産の加藤書記長から「職場の内外から闘っていきたい」と、全厚生杉下委員長から「連日議面行動に結集してきた。今朝の朝日新聞でも、与野党の強い関心は、地方事務官問題だ。自治労の主力部隊である社会保険事務所の組織問題に政治が振り回され、超法規的ともいえる措置が盛り込まれた。政治とは何なのか、政党とは何なのか強い怒りを抱いている。展望を見いだして、全国の仲間とともに全力を上げて闘っていきたい」と決意表明しました。最後に国公労連の小田川書記次長から「盗聴法、行革法、日の丸・君が代法案を軸に参議院での国会審議が動いていく。議面行動に多くの仲間を結集し、国会内の状況を広く外に広げて欲しい。参議院で成立を許さない闘いに全力を上げて闘うことを確認し合いたいと」と呼びかけました。 地方分権一括法も衆院を通過 11日午後1時から行われた衆議院本会議で、地方分権一括法案が、自民、自由、公明、社民各党の賛成により可決されました。 <日本共産党・春名直章議員の討論> 政府案に反対、5会派共同提出の修正案に反対の立場から討論を行う。 日本の法律の3分の1にも及ぶ475本の法案を、慎重な審議を求める強い声があるにもかかわらず拙速に採決しようとしていることに厳しく抗議する。 政府案は、地方分権とは名ばかりで、国民の期待を裏切るものであり、地方自治体に権限と財源を渡さないばかりか、国の関与と統制を強めるもの。 1)政府案は、地方分権とは名ばかりで国の関与と統制を強めるもの。法案では、国による是正の要求を明示、すべての大臣から是正要求ができるとされている。そのうえ、個別法では代執行ができる旨の規定が盛り込まれている。建築基準法では、「国の利害に重大な関係」があるということで国の関与を認めている。 2)地方分権の名のもとにアメリカの戦争に加担するもの。国の直接執行制度で国民の財産権(憲法29条)を侵害するもの。 3)自治体リストラ推進のリストラ法案ともいえる。法定定数より少ない地方議員の定数をさらに削減することや市町村合併を一方的に進めるもの。必置規定の緩和で福祉事務所の人数を削減しているなど、住民が主人公の地方自治をないがしろにするもの。 4)国による統制、通達行政が温存されている。 以上のように政府案は、憲法に明記された地方自治の形骸化をもたらすものであり反対。また、5会派提出の共同修正案は、これらの重大な点に修正を加えていないことから反対する。 <自由民主党・鰐淵俊之> 地方分権法一括法案に賛成の立場で討論する。 中央集権型の行政は、明治維新以来及び戦後の我が国の高度成長に貢献してきた。しかし、今日では制度疲労を起こし弊害となり、活力低下の一因となっている。 地方分権一括法は、国と地方公共団体の役割を明確にし、対等の関係を築き、行政体制を地方分権型へ変革しようとするものだ。具体的には以下の点があげられる。 1 地方自治体の独立性、自主性を阻害するものとされてきた、機関委任事務の制度を廃止することは画期的なこと。それに伴い関係する職員の身分の取扱いについて、与野党間の協議が行われたが、その経過について説明する。 厚生省の共済組合に、関係職員の新たな共済組合を創設する。 機関委任事務制度の廃止に伴い、7年間の経過措置を設け、事務所の所在する地域の地方公務員の職員団体のメンバーでいることができる。 という点について所要の修正を行う。 2 この法律は、新しい国と地方のルールを確立するものであり、地方自治体の自主性を高める第一歩と評価できる。 3 国から地方への権限移譲が行われることである。 4 必置規定の廃止、緩和が行われる。 最後に、地方分権を推進するためにも市町村合併は必要不可欠である。そのことを申し上げて賛成討論を終わる。
行革請願署名紹介議員一覧(6月11日現在)
○ 紹介議員約束者
衆議院(公報による確認者) 1 東中 光雄(共産党・比例近畿) 2−605 党国対副委員長 不破 哲三( 〃 ・比例東京) 1−736 党委員長 松本 善明( 〃 ・比例東北) 1−401 行革特別委員会委員 山原健二郎( 〃 ・高知1区) 1−621 寺前 巌( 〃 ・京都3区) 2−706 中島 武敏( 〃 ・比例東京) 2−707 藤田 スミ( 〃 ・比例近畿) 1−402 金子 満広( 〃 ・比例北関東) 1−731 党副委員長 辻 第一( 〃 ・比例近畿) 2−511 10 20 30 40 50 59
参議院(公報による確認者)
10 20 30 40 |