衆議院行革特別委員会は19日、独立行政法人個別法にかかわって、各省庁に関連する独法ごとの審議に入りました。
政府は当初、個別法59本についてはすべてを一括して審議するとしていましたが、この間、法案の徹底審議をもとめて議員要請に取り組んできた国公労連の主張も一定反映して、省庁ごとに分けて独法の審議を行うこととなったものです。
11月19日午前 衆議院行革特別委員会
19日午前は、財務省、経済産業省、厚生労働省関係の独立行政法人について、政府の姿勢をただしました。傍聴には、国公労連から8名が参加しました。
【財務省・経済産業省関係】
<大畠章宏議員(民主党)の質問>
評価委員会には労働組合の代表の参加もありうる
- ○大畠
- 独法化に当たっては、何よりも納税者に理解できる制度が必要だ。経済産業省関連では、5つの機関が独法となるが、いったい何が変わったのか、国民にわかるように説明してもらいたい。
- ●茂木俊充・通産政務次官
- 中期目標と中期計画にもとづき、業績評価のもとで業務の効率化をはかる。フレキシブルな組織にして、内外から人材を広く集める。
- ○大畠
- ただ単に独法にすればいいという話ではない。意識の問題だ。通産省として、21世紀の通産行政にむけた戦略をうちだす意思があるのか。
- ●茂木
- 独立行政法人は、将来の産業発展にむけたバックボーンとなる研究ができるように、人材的にも組織的にも期待もてるような機関にしたい。
- ○大畠
- 独法前と後のコストがどう違うのかを、具体的に数字で示せ。
- ●茂木
- 独法化された場合の数字はない。法律ができた上でつめをする。職員の数は変わらないので、それほど変わらないと思われる。
- ○大畠
- それでは何のためにカンバンを変えるのか。新しく組織をつくれば、それに伴って金だけがかかる。独法にする必要はない。なぜ法人化するのか理解できない。役員の登用では、天下りではなく、民間をふくめて、個人の能力がいかせるような役員登用が必要だ。
- ●続・総務庁長官
- 通則法20条の独法の長についてさだめているが、それにしたがえば、当然、外部からの登用も考えられる。主務大臣がふさわしい人を任命する。
- ○大畠
- 評価委員会については、労働組合の代表の参加も必要だ。労働組合の姿も変わり、賃金や労働条件だけでなく、行政の本来あるべき方向についても真剣に考えている。
- ●続
- 法律にもとづいて設置するものであり、適切な人材を任用する。もちろん、必要な有識者であれば、労働組合からも評価委員を任命する。
<中山義活議院(民主党)の質問>
特殊法人への批判をふまえつつ、納税者の立場に立って独立行政法人をつくる
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○中山
- 特殊法人と独立行政法人の違いを明確にすべき。特殊法人も多くの問題点がある。
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●続
- 特殊法人への批判をふまえつつ、納税者の立場に立って独法をつくる。法律の規制によって公営企業ではできないことでも、独法ならばできるようになる。
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○中山
- それならば、国が直接やればよい。あえて法人にするのだから、効率性が求められるべき。採算性は追求しないのか。
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●茂木
- 民間企業としては採算がとれないが、日本の将来にとって必要な研究をやるのが独法だ。あわせて、効率化を目指し、国民の期待に応える。
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○中山
- なぜ国の業務から切り離す必要があるのか、やはりわかりにくい。特殊法人と同じものをつくっても意味がない。柔軟な業務運営がまかされるいっぽうで、議会や主務大臣の監視があるのは矛盾している。
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●続
- 各府省と総務省とで政策評価を行い、ダブルチェックにより評価を示し、国民にわかりやすいものにしたい。
<春名眞章議院(共産党)の質問>
中期計画の評価と個々の研究成果とをリンクさせない
-
○春名
- 通則法第2条では、「公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務」を独法にまかせるとしているが、必要ならば、なぜ国が直接やらないのか。また、法人化すれば、効率的にやれるのか疑問だ。そのことを前提にして、国税庁醸造研究所についてただすが、現在、酒造会社は中小企業が圧倒的な中で、それらの企業を保護するためにどんな施策をとってきたのか。
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●大野功統・大蔵政務次官
- 情報ネットワークの構築や、酒造のコスト削減に関する研究、さらには、杜氏(とうじ)など酒造技術者の後継者育成などをはかり、中小の酒屋を支援している。
-
○春名
- 後継者育成のための講習をやっているが、独立行政法人になれば、効率性が追求されることにより、講習が有料化されるのではないか。そうした面から、効率性だけが全面にでれば、中小企業の切り捨てとなることも懸念される。
-
●大野
- 金がかかることもありうるが、そのようなご意見もふまえて検討する。
-
○春名
- 16の研究機関を統合する産業技術総合研究所について、3年から5年の中期目標にもとづく評価では、スパンの長い基盤研究が軽視されるとの現場からの危惧の声がある。評価した上で必要ないとなれば、真っ先に切り捨てられるのではないか。
-
●茂木
- 様々な研究があり、それに費やす時間もまちまちだ。したがって、個々の研究と、3年から5年という評価期間をリンクさせることにはならない。
-
○春名
- 独法の製品評価技術基盤機構では、化学兵器の査察など、国策にもかかわる極めて公共性の高い業務を担当する。国が直接やるべきではないのか。
-
●茂木
- やっている仕事は、極めて定型的なもの。効率性こそ求められる。だから、独法として切り離した。
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○春名
- 化学兵器の査察などそんな軽々しい仕事ではない。国の責任放棄だ。独法化されて人が減らされないとの保障はあるのか。
-
●茂木
- あくまでも必要な業務に対して何人の職員を配置するかだ。増やす減らすではなく、適正配置が基本だ。
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○春名
- 独法化の発想が、行政の減量化を出発点にしているところに最大の問題点がある。効率化が、利用者への負担増とならないことは当然のことだ。
【厚生労働省関係】
<瀬古由起子議員(共産党)の質問>
独立行政法人によるサービスの低下は、あってはならない
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○瀬古
- 国立健康・栄養研究所は、国民の栄養調査など行ってきた。長期間を要する地味な研究だが、国民にとって必要不可欠である。今まで果たしてきた役割について説明いただきたい。
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●堺宣道・厚生省総務審議官
- 国立健康・栄養研究所は、大正9年に世界で初めて国立研究所として設立された、歴史のある研究所である。国の食品栄養に大切な研究をやっている。
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○瀬古
- 保育園や学校の献立にも影響する。日本の食糧政策、外交政策にもつながる大切な業務だが、独法になったも継続されるのか。
-
●堺
- 国民栄養調査は、国が主体となって行う重要な調査である。独立行政法人化されても、行わせることができるように、法律の条項に入れたところである。
-
○瀬古
- 独立行政法人では、効率を求められて、研究を手抜きするとか出てこないのか。
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●堺
- 基礎的研究は大切なものであり、引き続き続けられる。
○瀬古 独立行政法人化することで、仕事はどの点で前進するのか。
-
●瀬古
- 独立行政法人は、効率を追求するため、自主的・自発的な運営ができる制度だが、民間との共同研究などで、研究費の自主的な確保ができるようになっている。検査手数料も直接入るようにした。
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○瀬古
- どれだけ手数料収入があるのか。
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●堺
- 昨年度は、国庫に2040万円が入った。
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○瀬古
- 収入の2040万円を上げるには、どうやって稼ぐのか。
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●堺
- それは独立行政法人の努力にかかっている。
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○瀬古
- もっともっと稼げと言われたらどうなるのかだ。例えば、今の成人の必要ビタミン量を10rにするか15rにするかで、企業はもうけが違ってくる。必要量を15rとした場合、食物から10rしか取れなければ、残り5rをビタミン剤で補うことになる。そこに共同研究などで薬剤メーカーとのゆ着が生まれるのではないか。
-
●堺
- そういうことは、あってはならないことだ。そういうことの努力ではなく、決して中心線をずらすものではない。
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○瀬古
- 独立行政法人化で、自主的な財源が入ってくるようになると言われた。独立行政法人で収益を上げるということでは、公平さは担保されるのか。
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●堺
- それは、大切なことである。公共性の見地から確実に実施されるべき業務であり、政府の予算が確保されている。それ以外に自主的な財源も確保できると述べただけだ。
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○瀬古
- 危険性を否定しないのですね。必要な業務に対して予算はちゃんと確保されるのか。
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●堺
- 公共性の見地から必要とされるものについて予算を確保するすることになる。
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○瀬古
- 途中で打ちきるようなことはないと保障するか。
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●堺
- 中期目標によって定める中期計画で予算を上げ、主務大臣が財務大臣と協議する。予算は確保するよう努力していきたい。
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○瀬古
- 国立病院・療養所が、独立行政法人対象になっているが、4万7千人にも及ぶ。これまでの国立病院・療養所の評価を伺いたい。
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●川村博江・国立病院部長
- 国立病院・療養所は、戦後の病院不足の中で、大きな役割を果たした。その後も、中心的な役割を果たしてきている。病床数比では、30%から5%というように、他の医療機関が充実してきたこともあり、国がやるべきことに特化している。危機管理的なことや国際的なことモデル的なこと。地方や民間ではできないことや政策医療を行ってきた。
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○瀬古
- 国立として残す6病院と独立行政法人にする病院の振り分け基準はあるのか。
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●川村
- 残すのは、特に研究的なウエイトが高いものである。国の企画に関わる部分に近い。また、高度医療技術者の養成などは、国立として残し、それ以外は独立行政法人にした。
現在、政策医療のネットワークを構築している。国立がんセンターとか国立高度専門医療センターは、特に研究的ウエイトが高い。独立行政法人になったものも国の政策医療を担うものに変わりはない。
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○瀬古
- 結核患者が増えている。厚生省も非常事態宣言を出さなくてはならないほどの事態となっている。なぜ、結核病棟を抱える多くの病院が、国立病院に位置づけられなかったのか。
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●川村
- 現在、再編成計画において、政策医療を充実強化しようとしている。結核病棟については、都道府県ごと1か所に集約することで、体制の強化を図りたい。
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○瀬古
- なぜ、結核は国立病院に入らないのか。
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●川村
- 国立高度専門医療センターは、今までの医療センターを整理した。結核など、その他の疾患については、疾患ごとに、また臓器ごとにでは、17分野あるので今から新たにナショナルセンターを造るのは難しい。ナショナルセンターに準じた施設として臨床施設を位置づけたい。
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○瀬古
- 現在、結核病床を各県1か所に集約し、どんどん減らしている。大阪では、稼働率がいつも100%近くあり、緊急入院すべき患者さんが入れないでいる。むしろ、もっともっと拡充しなくてはならないのに減らしている。非常事態宣言まで出しているのに、設けられないでは許せない。
アメリカでも結核患者が増えており、国が金も人も付けてやっている。独立行政法人になったらなおさら本来の役割を果たせない。
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●川村
- 独立行政法人にしたために、サービスが低下するようなことは、あってはならない。むしろ、独立行政法人化することにより、サービスが向上する。今よりももっとフレキシブルな運営ができることに期待していただきたい。
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○瀬古
- 今までの答弁には、なぜ独立行政法人にするのかの説明がない。国立病院・療養所は国民の宝である。
<深田 肇議院(社民党)の質問>
労組出身者でも、有識者であれば、評価委員会の委員になることを妨げない
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○深田
- 国民は、独立行政法人ができることでのメリットやなぜ独立行政法人にするのか分かっていない。国会議員の我々ですら分からないのだから。
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●続・総務庁長官
- 先生もなぜ作るのかは、承知だと思う。今、それぞれの省の研究所や事業は、まず国民の利益を優先し、こういうものは独立行政法人化すべきのルールによって独立行政法人化する。そして、3年ないし5年間の目標を示して、それに基づいて、予算の大枠が決まる。今まで鉛筆の1本まで査定されていたが、3年で100億円と決まれば、自主的な判断で配分できる。次の年度に繰り越すこともできる。予算の面でメリットがある。人の面でも、忙しい時期に人も雇える。組織の改廃もできる。メリットがいろいろある。
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○深田
- それでは、独立行政法人対象の研究機関で具体のメリットを伺いたい。
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●大野由利子・厚生政務次官
- 厚生省管轄では、国立健康・栄養研究所が独立行政法人になる。確実に実施すべき事業ではあるが、必ずしも国が実施すべきものではないが、民間では実施されない恐れがあるものを実施するものである。
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●長勢甚遠・労働政務次官
- 労働省では2つの研究所を独立行政法人にする。公共上確実に実施されるべきであるが、自立性を持って柔軟に実施されるべきものである。
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○深田
- 独立行政法人に変えなければならない理由がない。あえて理由を言えば、必ずしも国がやらなくても良いということぐらいだ。独立行政法人は、民間みたいにノルマ与えてがちがちでやるのでもないし、独立行政法人にする理由が分からない。
次に、独立行政法人では、理事や監事ができるが、天下りに利用されるのではないか。天下り人事は禁止すると言って欲しいがどうか。
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●大野
- 必要以上の関与は避けるべきだ。理事や監事は、主務大臣や法人の長が自らの責任で任命する。監事の一人は外部から来てもらうのが良いのではないか。また、理事は理事長が選ぶようになっている。
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●長勢
- 厚生政務次官が言ったことと同じである。自由な立場で選ぶべきである。
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○深田
- 天下りはダメ。国民の不審をまねく。
次に、附帯決議にもあるように、職員の労働条件について、しっかりやって欲しい。関係職員団体とも十分話し合うようになっているが、この場でも約束して欲しい。
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●続
- 行革基本法第41条(労働関係への配慮)のとおりやっていきたい。
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○深田
- 次に、評価委員会について、評価委員会は良いこともあるが、バッサリ切ることもある。
評価委員会の委員は、どのような人から選ぶように考えているのか。
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●長勢
- 評価委員会は、独立行政法人通則法により、外部委員によって構成することになっているが、今で段階でどのような人とまでは考えていない。これからだ。
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●大野
- これからである。
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○深田
- 評価委員会は、そこで働くものにとっても大切な機関である。現場で働いている者の意見を十分聞いてもらって、職員組合も参加できるなシステムにしてもらいたい。行革担当大臣から全省庁に指導してもらいたい。
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●続
- 運営については、職員団体と協議して運営していく。また、労働組合出身者でも、有識者であれば、委員になることを妨げるものではない。
<金田誠一議員(民主党)の質問>
許認可という公権力の行使を伴うので、民間には任せられない
- ○金田
- 独立行政法人国立健康・栄養研究所法案の附則第8条で、栄養改善法の改正が行われている。民間の研究所もいろいろあるのに、国民栄養調査をなぜ国立健康・栄養研究所だけに特定するのか。
- ●大野由利子・厚生政務次官
- 国立健康・栄養研究所には、国が行う栄養調査などを実施させている。何を食べているのかなど、国民のプライバシーに関するものを調査することになる。また、食品の許可という公権力を行使することなども伴うので独立行政法人となった。
- ○金田
- 現在、国立健康・栄養研究所は、栄養の改善に関する業務を行っているが、栄養改善法に基づいて業務を行っているのではない。厚生省設置法の所掌事務でやっている。栄養研究所で業務をやらせると位置づけられているわけではない。他の研究所もあるわけで、それらの研究所にやらせようと思えばできるようになっているはずだ。
- ●大野
- 附則第8条に「大臣は事務の全部又は一部を行わせることができる」とあるが、ご指摘のように、現在の法律では、他の研究所に行わせることもできる。
- ○金田
- 集計その他の業務を、他の研究所に行わせることができるのですね。では、食品の特別用途表示の試験も、この研究所に特定されていると思うが。
- ●大野
- 特定されている。
- ○金田
- これも同じように、現在の設置法では、特定されていない。しかし、今回法改正で特定している。評価ができる機関ならどこでも良いのではないか。アウトソーシングできるものは、アウトソーシングすべきだ。行革の精神からいって逆行するのではないか。
- ●大野
- 民間の試験機関に任せたら、信頼できる結果を出すのか疑問である。また、許認可という公権力の行使を伴うので、民間には任せられない。
- ○金田
- 現在、特定されていないのに、どさくさに紛れて特定するのはなぜか。
- ●大野
- 今までは、厚生省の一機関だったので、大臣の命令でやっていたが、今回別組織になるので、法体系上位置づけた。
- ○金田
- 信頼足り得る機関が出てくれば、そこにやらせるべきだ。行革の理念に反するのではないか。法律に書き込むと、他の機関や民間が参入できない。義務づける発想自体を疑う。なぜ、独立行政法人にやらせなくてはならないのか。他の機関では信頼性ないのか。
- ●大野
- 公権力行使の一環として、検査の結果で許可を出す。その食品を国民が食べることによって健康に影響を与える。そこには、大臣として責任が持てるようにということで、今回研究所を特定した。
- ○金田
- それは、一定の技術レベルのみ決めれば足りるのではないか。他の研究機関をなぜ排除するのか。ダイオキシンなどの微量な物質でも民間試験研究機関で十分できている時代に、なぜ、特定の独立行政法人に決めてしまうのか。
- ●大野
- ご指摘も一理あるが、特別用途食品許可の認識が違う。特別用途表示の食品を国民は毎日食べ続けることになるので、厳密にも厳密を重ねないといけない。また、食べた影響も評価しないといけない。これは、何を食べているのかというプライベートにも関わることである。
同じ技術レベルを持ったところがないと言っているのではない。そのレベルを誰が評価するのかもある。また、プライベートもある。厳密にも厳密を重ねるべきだ。
- ○金田
- 特定の研究機関として位置づけるのは、そもそも法律論としてよいのかだ。アウトソーシングや民営化など、基本的な原理があるべきである。理念としてすれ違っている。是非、検討していただきたい。
次に、厚生省には、他にも実施部門多々ある。試験研究機関もまだある。この健康・栄養研究所は44名の小さな研究所だが、なぜ独立行政法人化の対象になったのか。厚生省としても独立行政法人に何か出さないといけないということで、この研究所を出したのではないのか。小さなところでも、外に出されると、人事管理部門などを別に作らなければならない。幾つか一緒に独立行政法人化して、共同で管理するなどの検討は行ったのか。
- ●大野
- 国立病院は、平成16年度に独立行政法人に移行する。その他の研究機関もあるが、これらは、正に厚生省の政策決定の機関であし、感染症研究所は危機管理のために必要である。
- ○金田
- 一応全部検討していると思うが、その報告書はあるのか。
- ●大野
- まとめて報告書にしたものはありません。
11月19日午後 衆議院行革特別委員会
19日午後の衆議院行革特別委員会は、午後1時から3時まで石井紘基(民主)、平賀高成(共産)各委員による、主に国土交通省関係の質疑がなされた。傍聴は、各単組・国公労連本部7人が参加した。
【国土交通省関係】
肥大化した行政のなかで、最低限の仕事だけを国がやる
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石井委員;
- 独立行政法人は公法によって設立する行政機関ではないのか。
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内閣審議官;
- 行政機関ではない。通則法及び個別法によって設立される法人である。行政機関そのものではないが、近いものである。
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続総務庁長官;
- 質問に往生している。公的機関に近いものである。同時に限りなく民間の手法を取り入れる。
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石井委員;
- 答弁に矛盾がある。独立行政法人は、独立採算でやっていくのか。
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持永政務次官;
- 国の実施事務を独立行政法人にするものである。したがって、必ずしも独立採算ではない。
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石井委員;
- 独立行政法人の職員は、公務員なのかそうではないのか。特定独立行政法人と言われるものが国家公務員だが、総定員法の枠から外れるとはどういうことなのか。
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持永次官;
- 必要と認める場合は、国家公務員の身分を与えるものである。総定員法の枠からは外れるが、25%削減の対象としている。
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石井委員;
- 採用はどうなるのか。それぞれの独立行政法人となるのか。
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持永次官;
- 長は主務大臣が任命するが。それ以外の職員は独立行政法人の長である。
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内閣審議官;
- 選考の裁量の幅が一般行政機関より広い。特定行政法人に採用された者は国家公務員の身分をもつものである。
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石井委員;
- 国家公務員の身分を持つが、国家公務員ではないとはどういうことか。長官におたずねしたい。
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続長官;
- 内容として、総定員法の枠から外れ、労働基本権についても国家公務員ではないということだ。法律上は、国家公務員の身分を与えるということだ。
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石井委員;
- 独立行政法人の予算はどうなるのか。役員はどうか。省庁出身者の数など天下り先にならない保障はないのか。
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持永次官;
- 3〜5年の中期計画にもとづく予算の総枠を大蔵省に出す。債務負担行為になる。運営交付金は渡しきりの交付金である。また、役員は天下り先とならないように運営していく。保障は法律としてはないが、できるだけ民間から適材適所で登用していく。
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石井委員;
- 企画と実施で分けるが、独立行政法人の一つの根拠であるが、民間との区分はしっかりしなければならない。本来、独立行政法人の仕事は、行政機関であり行政でやらなければならない仕事である。
私は国家公務員の数は多いとは思わない。25%削減というが国家公務員は今はそんなに多いと考えているのか。国家公務員の数を減らすことが活力ある日本にしていくことなのか。そうとは思わない。
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続長官;
- 民、国民の声は、官から民へ、中央から地方へである。肥大化した行政の中で、最低限の仕事だけ国がやる。独立行政法人等、国民の大多数がそれを望んでいる。
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石井委員;
- 福祉・教育、社会を支える行政マンが多いとは国民は思っていいない。行政の中身を変えることだ。省庁を減らした、それが行政改革ならばチャンチャラおかしい話だ。
評価が得られなければ休止・廃止もあり得る
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平賀委員;
- 59の個別法案に大きな問題がある。86の独立行政法人化には反対である。対象となる事務事業を独立行政法人化しなければならない理由はどこにあるのか。
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続長官;
- より活性化させ、もっと国民に期待に応える。予算に縛られ、がんじがらめが例えば今までの研究機関であった。より自由になる。
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平賀委員;
- なぜ86の事務事業が対象となるのか。
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続長官;
- 基本法の方針にもとづいたものである。
平賀委員;
- 国から切り離して、必ず行政サービスの低下につながる。国土技術政策総合研究所が新設されるが、どういうことか。どういうことをするのか。
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続長官;
- 国家行政の企画立案は本省、実施部門は独立行政法人と仕分けをしたものである。仕分けを純化する。そのために国土技術総合研究所を新設する。
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平賀委員;
- 試験研究機関をなぜ独立行政法人化するのか。
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続長官;
- さらに活性化させるものである。目標年次を3〜5年に定めて目標達成にむけいっしょうけんめいに仕事をする。それを評価し国民に公開する。国民の評価をいただくことになる。
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平賀委員;
- 採算コスト重視の方向にすすむのではないか。
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続長官;
- その面はなきにしもあらずだが、活性化がすすむことを期待している。
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平賀委員;
- 海技大学校、海員学校、運輸省所轄の国立の学校で、大きな役割を担っている。なぜ、文部省所管でなく運輸省なのか。
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中馬政務次官;
- 海員養成の観点から、運輸省が所管するべきである。
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平賀委員;
- その目的の中で、いま日本船員の大幅な減少。運輸省はその歯止めの政策をしているのか。
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中馬次官;
- 海技大学校、海員学校の形態は独立行政法人になるが、国の責任で船員養成を行っていく。
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平賀委員;
- 中期目標は担当する大臣の一方的な決定なのか、長は修正を求めることができるのか。
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続長官;
- 求められるのは効率化だけでなく、サービスの向上も含まれる。修正は当然求めることができると考える。評価が得られなければ休止・廃止もあり得る。また、国民の期待に応えれば大きくなる。
(以 上)
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