衆院行革特別委で行革関連法案採決を強行
−−自、自、公、社民が賛成 民主、共産が反対

(国公労連「行革闘争ニュース」1999年11月25日付)

 11月24日の衆院行政改革特別委員会で、行革関連法案の採決が強行され、民主、共産両党は反対したものの、自、自、公、社民各党の賛成多数により可決されました。法案は、本日25日の衆院本会議で採決に付される見込みです。なお、自、自、公、社民、民主の賛成により、2項目の附帯決議がされています。

衆院行革特別委・11月24日午後の審議

●内閣府、総務省関係
<民主党・中川正春議員の質問>
中川議員:民営化すべきは民営化するのが民主党の方針。消防研究所は、独占してやらなければならないものがあるのか。民間でもやっている。民営化について検討した後、独法化を決定したのか。
平林自治総括政務次官:消防事態を目的にした研究は民間ではやってくれるところはない。消防研でやるのが有効、有益。
中川議員:アメリカのように中小のベンチャー企業を活用してはどうか。独法化は名前の書き換えに過ぎない。

<民主党・小沢鋭仁議員の質問>
小沢議員:通信総研について。情報通信の唯一の研究機関であり、大変重要で、有効活用すべき。独法になってどのように変わるのか。 小坂郵政総括政務次官:端的に言って、効率的、効果的業務執行が目的。1.弾力的財務、2.柔軟な組織・人事管理、3.目標提示と結果の評価、4.組織運営の透明性の確保、だ。
小沢議員:評価は、専門的事柄であり、インターネットにのせて、専門家の評価を受け入れ、また返していくことが大事。
小坂次官:電子媒体でアクセスできるような形で、評価委員会の評価を公表したい。
小沢議員:独立してやっていくのだから、研究に詳しいだけでなく、経営能力もある理事長、理事を。
小坂次官:独法の長は、一元的に法人を管理し、補佐する理事を選任するので、役割は大事。通則法では、第1に、事務事業に高度の知識・経験を有するもの、第2に適切かつ効率的に運営できるものとなっている。最大限人材が得られるよう、民間人も含め検討する。
小沢議員:通信総研の予算は、230億円だが、民間の感覚では、大変な額だ。そんなに金をかける価値があるのか。
小坂次官:日米比較で言うと、政府の研究予算は、日本が2.4兆円、アメリカが3.6兆円。通信総研では、1テラヘルツの信号発信や2テラバイトのインターネット通信に成功した。これだけでも230億円の価値がある。

<共産党・春名直章議員の質問>
春名議員:統計センターについて、行革会議の最終報告では、独法の対象にあげていない。
持永総務総括政務次官:リストに入っていないのは事実。その可否について、推進本部でも検討し、4月27日の閣議で対象と決定。
春名議員:統計局と統計センターは一体。政府統計は国民の財産だ。国の政策や自治体の施策に欠かせないばかりか、国民各層に広く利用されている。真実性と正確性が何より大切。国民には、申告義務があり、制作者には、守秘義務が課せられている。公権力の行使があって、初めてやれるものだ。
持永次官:統計センターは各省の企画立案まで行う統計調査部と違い、施設等機関で、製表、集計を行う。センターが担っている統計は、幅広く、大きな統計で、他省庁の統計のように民間委託は難しいので、独法として弾力的運営を行う。
春名議員:国が責任を持つべきものをあえて独法化するのは、先に減量化ありきだからだ。撤回する決意はないか。
続総務庁長官:経緯の中で、独法化。心配の点がないよう心する。
春名議員:統計局と統計センターを切り離したが、元々一つの機関。実態は一体。統計センターの資料でも、調査の企画立案から、集計、分析、公表まで一連の流れでやっていると書いてある。そのうち、統計センターの部分だけを分離すると言うが、企画段階から統計センターの職員が関わっている。わざわざ切り離しては、現場に混乱と困難をもたらす。
持永次官:連携は大事。独法後も引き続き密接にやっていく。センターの独法化によって、事務処理分担の見直しも進める。
春名議員:人事・会計はいま一体。これが分離されると仕事ができる。人員はどうなるのか。
持永次官:人員を増やすかどうかは、予算要求において、独法を作った趣旨を踏まえて検討。
春名議員:どういう趣旨か。
持永次官:国が直接やる必要はないが、民間に委ねられないものについて、民間の効率性、透明性を導入する。評価制度や企業会計制度を導入し、行政機関ではできないようなものにする。
春名議員:新たな部署に人を増やすのかどうか。
持永次官:業務の中身で減量化できないか詰める。
春名議員:統計センターは10年で150人減っている。そこに独法化で人を増やさないといけなくなることで、製表部門を減らすのではないか。
持永次官:いまの時点ではない。
春名議員:評価の基準は。
持永次官:統計の正確性、信頼性確保の点から検討する。
春名議員:それは間違いないな。効率性の追求は、信憑性、真実性に関わってくるから。消防研究所は、自治体消防を支えている。国が直接やるべきものだ。
平林自治政務次官:先ほどは民間に持っていった方がいいという意見があった。両方の議論成り立つが、独法化してまったく差し支えがない。
春名議員:研究一覧を見ると地下火災の研究を9年やっている。3年から5年の中期目標では、特別位置づければ別だが、こうした研究が淘汰され兼ねない。
平林次官:研究の期間はそれぞれの研究で設定。中期目標・計画は制度として定めてある。運用の中で上手に案配できる。
春名議員:研究者の意見が反映するか。今回の制度は、主務大臣がまず枠組みを決める。枠がどうなるかで、大きく左右される。そうした研究を排除することのないようにすべき。職員の身分については、中央省庁は同一の職に移行することになっているが、独法は相当の職。統計センターでは具体的にどうなるのか。
持永次官:例えば予算担当の係長は、独法の予算担当の係長相当職に就く。独法では勤務条件は労使協定できめる。勤務条件まで法律で決めない。
春名議員:話し合いの前に切り下げることはしないか。
持永次官:使用者の責任で行う就業規則も職員の半数以上の合意がないといけない。

●文部科学省関係
<民主党・藤林修議員の質問>
藤林議員:13の事務事業が11法人になるが、どういう構想を持っているか。
河村文部総括政務次官:それぞれの事務事業の特性に応じ検討。国立大学は、大学の自主性を尊重し、大学改革の一環として、平成15年度までに検討。9月20日には、当時の有馬文部大臣が検討の基本方向を提示した。それは、国立大学関係者の意見を踏まえ、平成12年度の早い時期に結論を得たい、ということだ。
藤林議員:文部省では、11法人で1555人が独法に移行。本省が3000だから半分以上だ。半分以上が文部省の人事の枠内から出る以上、人事交流の面が相当変わる。
河村次官:必要に応じ、文部科学省と人事交流。
藤林議員:天下り人事とは違うのか。
河村次官:独法では、人員配置、運営の自主性があるが、人事交流はあり得る。公募もあり得るので、適材適所が貫ける。
藤林議員:独法は1つの会社なのか、文部省人事なのか。
河村次官:できる限り民間の意識を持ってやってもらう。国策との関連、教育の専門性等あるが、基本的には民間に近い形。
藤林議員:近代美術館長は前初中局長、科学博物館長は事務次官経験者。こういう人事はご破算になるのか。
河村次官:全くの白紙の中で適材適所を考える。
藤林議員:半分が独法になるから、官房人事課の仕事も半分になるのではないか。
河村次官:人事については直接の関与なくなるが、文部行政全体の関連があり、密接な連携が必要。いままでの人事課の仕事がなくなるわけではない。
藤林議員:独法化で、企画の本体が本来業務に戻る。青年の家だけでも10何カ所をコントロールしていたが、それがなくなる。人事課の仕事は、スリム化できるのでは。
河村次官:そこに狙いがある。
藤林議員:オリンピック青少年センター、青年の家、少年自然の家はいい仕事をしている。有る程度国が見ることは悪くない。現在も青年の家の所長は大学の先生や教育長などだが、独法化でさらに公募をする、給食も民間委託をするとか、もっと民間に近づける方向か。
河村次官:広く人材を求めることもあり得る。オリンピック青少年センターは、青少年教育のナショナルセンターで、国の配慮は必要。長の任命の2つの基準に照らし、適切に業務が行えるような任命を図るべき。
藤林議員:青年の家、少年自然の家は民営化は成り立たない。国がそれなりに応援する必要がある。
河村次官:独立採算だから値上げされるのではという懸念があると聞いている。対象は学生であり、そこでお金を取るということでは、機能しなくなる。一般の方の利用は少し負担してもらうという考えもあるが、常識的には実費の範囲内。独立行政法人は、自主性、弾力性を持ったものとすることであり、運営費は十分配慮していただく。独法化でむしろサービスを国民に広げられるようにする。
藤林議員:ユースホステルの失敗例もあり、下手な値上げでなく、施設もいい、給食もいい、何より施設がやすいという点を維持するべき。青少年教育が目的であるから民業圧迫にならない。独法化で、理事長、理事を増やす、別におくとなると1555人の枠が増えるのか。枠内でやるのか。
河村次官:肥大化は行革に逆行。青年の家の所長と理事長の兼務も検討課題。
藤林議員:評価委員会が省に一つしかなくては、適切な評価ができないのではないか。基準については、まず現場の声を聞き、委員となる有識者は、事務事業を熟知した人を付けるべき。
河村次官:法人関係者の意見聴取は大事。委員の人選もご意見を十分踏まえて人選。
藤林議員:独法化は十分詰められていない。本当に踏み切っていいのか十分な審査を。場合によっては方向転換をすべき。

<民主党・近藤昭一議員の質問>
近藤議員:行革は、必要のないものをなくし、必要なものもぜい肉を落とすこと。独法化は、独立採算で、効率化を図ることだと思う。団体を独法化する尺度は。
河村次官:文部省は、たくさんの研究所、博物館を持っている。独法は、明確な効率化の目標を持つが、業務の自主性、自律性拡大で一層の効率化を図るもの。博物館、美術館について、サービスの質の向上を慎重に考えた。
近藤議員:効率化は有り体に言えば、収支がプラスだということだろうが、それだけではない価値判断がある。
河村次官:博物館、美術館の独法化のメリットは、組織、人員の配置の弾力化ができること。国から運営費がきて、営利追求ではない。運営費は税金であるから、効率的な運営が求められる。国の関与を最小限にして、サービスも民間に近いようにする。会場にきてもらえるサービスをするなど、独法化は活性化につながる。
近藤議員:行革や、独法化の目的は、国民をより幸福にすることにある。いろいろな催しをすることで文化的要求に応える。展覧会は収支がともなうが、人気や景気に左右され、計算通りにいかない場合もある。その際の赤字を埋める方法は。
河村次官:危惧はあると思うが、評価委員会はまとめて1年間を評価する。国民の税金の使い方の点でどうかと思われることはさけなければならない。
近藤議員:知られていない作家の展覧会やった場合について、評価委員会できちんとした価値判断を持ってもらわないと問題が出る。博物館、美術館は独法にふさわしい組織ではない。
 科技庁について、試験研究機関は基礎研究を進めている。独法化のメリットは。
斉藤科技庁総括政務次官:科学技術創造立国にむけ、システムを直す絶好の機会。行政機関としての硬直性が研究を阻害。自主性、柔軟性を持てるようにする。
近藤議員:自主性、柔軟性が担保できるのか。不採算による収支の締め付けはないのか。
斉藤次官:独立採算が前提でなく、国として所要の措置をする。研究機関は基本的業務として、基礎研究を行うこととしており、財政措置も執る。
近藤議員:財政的にフォローしてもらいたい。自主性、柔軟性の点で、これまで民間との協力がしにくかったと聞くが。
斉藤次官:産官学の協力は不可欠。独法化で非常にしやすくなる。長の裁量で多様な協力形態が可能で、成果の帰属、指揮の使途の柔軟化により、大いに民間と協力できる。
近藤議員:長のその決定は国に報告するのか。
斉藤次官:業務内と判断すれば長の裁量で決定。現実には、報告、相談があるだろうが。
近藤議員:株式会社を作ることはどうか。
斉藤次官:新しい技術を普及するためなら、可能。国家公務員であり、制約はあるが、新しい知見を技術化することは、全体への奉仕とも言える。そういう方向で検討。
近藤議員:金材研と無機材研の統合のメリットは。
斉藤次官:以前はまったく違った分野だったが、最近は、分子レベル、原子レベルの研究となり、区分が大きな意味を持たなくなった。材料研究としては同じ。中核研究所として設立する。
近藤議員:放医研の独法化で、今回のJCO事故のような事態ではどうなるのか。
斉藤次官:原子力防災上の重要性があり、関係行政機関の長、地方自治体の要請で緊急医療を行う。

<共産党・石井郁子議員の質問>
石井議員:国立文化財研究所の独法化は、文化財保護の分野での国の責任の放棄。
河村次官:貴重な国民の財産である文化財の保護と活用を進める。その一翼を国立文化財研究所が担っている。独法でも役割、業務の変更はない。
石井議員:3年から5年の中期目標とそれに対する業績の評価がされる。中期目標はできる限り数値化するとされているが、どう考えているのか。
河村次官:中期目標については、業務の性格を配慮すると4月27日の閣議決定で言われている。調査研究の適性を踏まえ検討。
石井議員:研究の芽を摘むようなことがあってはならない。3年から5年の評価を機械的にやられては、芽を摘んでしまう。奈良文化財研究所は、平城京の30%を40年以上発掘しているが、そういう中で年輪年代測定法を確立。これは17年間かかって実現。考古学界に革命をもたらした。こういうことは国立研だからできること。
河村次官:長期の研究は必要。一概に3年から5年で成果があったかで評価はしない。ポイントは、長期間の間の3年間から5年間でも評価をする。柔軟に対応し、調査研究が活性化するよう、中期目標も工夫する。
石井議員:効率性は、研究機関では無理が生じる。財政問題では、例えば奈文研の自治体職員等への研修はいままで無料だったが、講習料を取ることになるのか。
近藤文化庁次長:東京、奈良が1法人となることで、統合し連携を強化することで質の向上と効率化を図るが、基本的に業務は引き継ぐ。
石井議員:予算が縮小されないか心配だ。
河村次官:独法化で後退しては意味がない。交付金は配慮する。
石井議員:博物館、美術館の独法化について、学術会議総会で決議がされている。その中で、必要な予算、人員の確保を強調している。イギリスのエージェンシーの中には、文化関係は入っていない。文化関係機関を行政のスリム化として扱うのは無理がある。
河村次官:文部省として、各方面の意見を聞き独法化と決定。きちっと行政を推進できるようご協力を。
石井議員:国立大学の独法化は重要段階。蓮見国大協会長は、通則法の問題点は明らかで、賛成反対以前の問題であり、教育研究の問題点解決策たり得ないと指摘している。
河村次官:21世紀へ向けての大きな転換点。責任ある対応で、個性化、自律化を図り、切磋琢磨する中で世界に冠たる大学としていく。それが可能になる条件を整備する。国大協会長は、通則法をそのまま適用するのは問題、高等教育改革、財政環境の展望、を言われているが、文部省の考えに反しているものとは思っていない。
石井議員:文部省は平成15年までに結論を出すとしてきたものを、平成12年度の早い時期に結論を出すというのは混乱を広げる。白紙に戻す考えはないか。
河村次官:平成15年までに詳細な制度設計をする。そのため、早い段階から協議し、関係者の理解を得ることが必要。基本方向を早く決めることが、大学改革につながる。独法化は活性化につながるので、各大学で真剣に議論していただいている。

●総括質疑
<民主党・樽床伸二議員の質問>
樽床議員:審議はまだ不十分。行革はこれで進むのか、今回限りにならないか。
続長官:行政のスリム化に真剣に取り組む。
樽床議員:独法評価委員会は、主務省で完結する。総務省の評価委員会が、全体統括すべき。
続長官:ダブルチェックのために総務省に委員会を置き、国民の期待に応えたい。
樽床議員:独法の中でも民営化できるものは民営化すべき。
続長官:国民が監視しており、独法は目標への努力を行う。国会の監視により、不断の見直しを行う。
樽床議員:独法へは、財投からの投入はないだろうな。
続長官:ない。
樽床議員:農水省関係は11法人もあるなど数が多い。統合できるところは統合すべき。
続長官:当然のことだ。
樽床議員:独法で民間と競わせてみて、民営化はどこが可能かチェックせよ。
続長官:主務大臣が中期目標を定め、それに向かって業務を推進する。民間との比較で非効率なものは、国民、国会の監視がある。
樽床議員:主務大臣を統括する総務大臣の役割は重大だ。各大臣の尻をたたくように。
続長官:仕組みは、まず主務大臣が評価し、それを総務省の評価委員会が評価し、しかるべき決定する仕組み。
樽床議員:リーダシップを発揮せよ。そうでなければ国会として厳しいチェックを行う。

<共産党・平賀高成議員の質問>
平賀議員:独法は、減量化、効率化が目的で、アウトソーシングとして考えられてのではないか。
続長官:いろいろな議論がある。この国のあり様をすばらしい方向に持っていくための一つの手段。効率化と、サービスの低下をさせないという二律背反の統一を図る。そのための知恵を出す余地は、独法でできる。
平賀議員:行革会議最終報告は、外庁と独法で効率化を徹底と書いてある。 続長官:効率化は当然だ、税金の使い方として。同時に、サービスの維持を図る。この二律背反にうまく答えるのが独法。
平賀議員:最終報告に書いてあることを長官は認めない。評価はできるだけ数字で行うことになっている。採算の悪い基礎研究や医療を軽視することにつながる。長官は、独法化することで国の責任がより果たせると言ったが、どうして国から切り離して国の責任が果たせるのか。
続長官:独法で、予算の柔軟性、人事の柔軟性、組織の柔軟性が得られる。大局観を持って運営するならご指摘の懸念はない。
平賀議員:独法化の対象の3つの基準を示したが、業務の内容に基づき具体的に検討すべき。対象決定に当たって、カンカンガクガクの議論があったと長官は言うが、その資料はないのか。
続長官:私は10月5日に就任したので、それ以前の資料は手元にない。カンカンガクガクの議論は当然あったと思う。
平賀議員:国家百年の大計を立てるというなら、89事務事業がどういう状況で、なぜ独法化なのか示すべき。
続長官:各省協議したことは当然考えられる。まとまった資料は手元にない。
平賀議員:続長官の会派の議員が前国会で質問した際、太田前長官は資料は出せると言った。
続長官:まとまった資料として出せるものはない。
平賀議員:納得できない。独法化は民営化の道筋であり、絶対に認められない。

●討論
<民主党・古賀一成議員>
 法案に反対。実質的な行革が進まない。独法については、十分な審議、検討が尽くされていない。水曜日に審議入りし、1週間で採決。行政官庁の不祥事が相次いでおり、介護保険をめぐる迷走がある。こうしたことを繰り返さないよう、立法府としてのチェック機能を果たすため、十分な審議が必要だ。前国会では、行革により、機能的、戦略的に変えるという点があいまいだった。反対の第1、独法は、民営化にほど遠く、疑似特殊法人だ。行政改革によるスリム化で、財政を再建するというイメージがない。第2、法人の選定基準、理由がなく、59法人職員のモラール(士気)へのインセンティブが出るのか疑問。第3、定員問題で、身分は国家公務員でありながら、定員削減25%にカウントし、国家公務員の定員からはずれる、つまり国家公務員でなくなる。これはまやかし。

<共産党・春名直章議員>
 法案に反対。中央省庁等改革関係施行法案は、国民生活分野を削減し、大企業奉仕分野を温存する省庁改革のためである。無駄をなくす国民の願いに逆行。独法関連法案は、国が自ら主体となって、直接実施すべきものを国から切り離して責任放棄するもの。1法案当たり10分の審議時間しかなかった。これは国会の審議権の否定。与党に厳しく抗議する。

<附帯決議>
国立公文書館法の一部を改正する法律案等独立行政法人個別法関係59法律案に対する附帯決議
 政府は、右各法律の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺漏なきを期すべきである。
1.独立行政法人の長の選任においては、自律的、効率的に運営を行うという制度の趣旨を踏まえ、広く内外から適切な人材を得るよう配慮すること。
1.外部有識者のうちから任命される独立行政法人評価委員会の委員については、民間からの任命を積極的に進め、客観性、中立性を担保できる体制とすること。


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