いっしょに働くあなたへ

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■あなたも労働組合へ!

いっしょに働くあなたへ
 公務や独立行政法人の職場では毎年定員削減による人減らしがつづいています。長時間・過密労働で心身の健康を害する職員も増加しています。あなたも「なんとかしてほしい」と思っていませんか。
 政権は自民党から民主党に代わりましたが、公務員バッシングはつづいています。社会保険庁の廃止にともなう大量の分限免職(整理解雇)も職場に不安をひろげています。民主党は公務員賃金の引き下げを行い、国の地方出先機関を廃止する「地域主権改革」を推進しようとしています。
 こうしたとき、多数の仲間を結集する労働組合が職場にあれば、当局と対等な関係で話しあうことができます。また、世論に働きかける宣伝もできます。あなたも労働組合に入っていっしょに運動をすすめませんか。希望と誇りをもって国民に奉仕する仕事と働きやすい職場をいっしょにつくりましょう。

■いま、労働組合は…

「使い捨て」される労働者
――労働組合が見直されている

 2010年末に日本航空は165人のパイロットや客室乗務員を解雇しました。整理解雇4要件を無視した不当解雇の撤回を求めてたたかっています。また、大企業から「派遣切り」された派遣労働者たちが労働組合に加入し、三菱電機などの大企業を相手にたたかいに立ち上がっています。これらのたたかいと呼応して、「巨額の内部留保をため込んだ大企業は社会的責任を果たせ」の世論と運動がひろがっています。労働組合には、職場の労働条件の改善とともに「働くルール」の確立、平和で公正な社会の実現などの役割発揮がもとめられています。いまこそ、労働組合の出番です。あなたの加入を心から訴えます。

 ●憲法が保障する労働者の基本的な権利
 日本国憲法は、生存権(第25条)規定に加えて、勤労の権利・義務(第27条)、団結権、団体交渉・行動権(第28条)など労働者の権利を定めています。労働組合法では労働組合活動を保障するとともに、労使対等関係を定めています。労働基準法は、罰則規定を設けて最低労働基準を定めています。同時に、時間外労働の要件などは労働者代表との労使協定の締結を義務づけています。これらの権利は国家公務員の労働者と労働組合にも保障されるべきものです。

 ●国家公務員も労働者
 国家公務員も毎月の賃金を得て生計を維持しているわけですから、民間企業で働く労働者と同じです。同時に、公務員労働者は、国民全体の奉仕者(憲法第15条)として、憲法にもとづいて国民の基本的人権を実現するための行財政や司法を追求する責任をおっています。国公労連はこの2つの任務を実践するために奮闘しています。

■労働組合の役割とは?

 労働者は、働いて賃金を得ないと生活できません。しかし、労働者は使用者に対して圧倒的に不利な存在です。この労使関係を対等なものとするために労働組合がうまれました。労働者の武器である数の力で団結して、自らの要求実現と地位向上をめざすのが労働組合です。労働組合は、職場の一人ひとりの要求を大切にし、話しあうなかで共通した要求をまとめ、その実現のため、みんなで行動する組織です。議論と行動を積みかさねるなかで、要求実現のたたかいは前進します。

■迷っているあなたに

忙しいので、やりたい人がやればいいと思っていませんか?
 人が減らされ、仕事はモーレツに忙しくたいへんです。「組合にかかわる余裕はない。でも、なんとかしてほしい」、おおくの仲間たちの共通した気持ちではないでしょうか。しかし、他人まかせでは労働条件は改善できません。働く人がバラバラでは、定員削減や長時間過密労働に歯どめがかからず、心身の健康さえ破壊されてしまいます。一人ひとりの「なんとかしてほしい」との思いをたばね、具体的な要求をねりあげて運動してこそ、職場を改善することができます。
 各省の当局者を本気にさせて要求実現にむけて動かすためには、どれだけおおくの職場の仲間を結集しているかどうかに影響されます。あなたの加入を心からよびかけます。

■いまの攻撃とは――

 貧困と格差をもたらした「構造改革」路線をストップさせよう
 財界主導の「構造改革」路線は、規制改革を押しすすめ、労働者派遣法等の改悪で「派遣切り」「雇止め」などが横行しています。労働者の賃金は1997年以降下がり続け、貧困と格差がいっそう拡大しています。完全失業率は5%前後で高止まりし、高校生、大学生の就職難も深刻化しています。
 一方、大企業が溜めこんだ内部留保(2010年)は266兆円に及んでいます。
 弱者ほど重い負担になる消費税増税ではなく、大企業や富裕者層への応能負担を求め、労働者の賃上げと雇用の確保、中小企業支援で内需を拡大し景気回復を図るべきです。

「地域主権改革」=ナショナルミニマムに対する国の責任放棄
 民主党政権は、「地域のことは地域で決める」と耳障りのいい表現で「地域主権改革」を進めようとしています。しかし、この「地域主権改革」は、「小さな政府」「官から民へ」と称して、国が担うべき公共サービスを地方に丸投げし、地方から民間へと、公共サービスに対する責任の所在を曖昧にして、国民に自己責任を押しつけるものです。
 国の出先機関の原則廃止は、国民のナショナルミニマムに対する国の責任放棄に他なりません。国民の安心・安全な暮らしに欠かせない公共サービスを全国各地で提供している出先機関の存続・拡充こそが求められています。


道州制は地方自治・住民自治の否定
 財界は究極の「構造改革」として「この国のかたち」を変える道州制を狙っています。国の役割を限定し、県は廃止され、国民生活に欠かせない社会保障や教育、労働等の基本的人権は道州(地方政府)や基礎自治体(市町村)に責任転嫁し、財政力によって地域格差が生じて国民に犠牲が押しつけられます。「地域主権改革」の行きつく先は道州制で、民主党政権の「地域主権戦略大綱」(2010年6月閣議決定)では、「道州制の検討も射程に入れる」としています。
 国公労連は、国の責任と地方自治を形骸化する「地域主権改革」と道州制に反対し、憲法を暮らしと行政にいかす国づくりを進めています。


 ■戦後労働組合はどうたたかってきたか

大幅賃上げも勝ちとってきた!
 第2次世界大戦後、制定された日本国憲法では生存権が保障され、労働者の団結権・団体交渉権・団体行動権の労働3権が保障されました。労働者は、全国の職場で労働組合を結成しました。
 1970年代にはベトナム侵略戦争反対、革新自治体確立など、平和と生活重視の春闘をたたかい、1974年にはインフレ反対の国民的なたたかいと結びつけて平均3万円以上の賃上げを実現しました。労働組合に結集して、たたかってこそ労働者の生活と権利は守られ、要求は実現するのです。

公務員労働運動は…
 戦後、公務員労働者もいちはやく労働組合を結成しました。当初は公務員にも労働3権が保障されていました。しかし、1947年、公務員労働組合などが「2・1ゼネスト」でたちあがろうとしたとき、当時、日本を統治していたアメリカ占領軍は、ゼネストを中止させ、その後、公務員から争議権、協約締結権を一方的に剥奪しました。  こうした弾圧にもかかわらず、公務員労働組合は、労働基本権回復の旗を高くかかげ、賃金・労働条件の改善や行政の民主化を実現してきました。

▼私たちの運動で改善されました

2000年以前  完全週休二日制の導入
育児休業・介護休暇の導入
年休の繰越し日数10日から20日へ
災害時における特別休暇の導入
ボランティア休暇の導入などなど
2002年4月 子どもの看護休暇制度導入
育児・介護休業制度の拡充
2003年7月 喫煙対策の指針策定
2005年4月 育児・介護を行う職員の早出・遅出勤務
2007年8月 育児のための短時間勤務制度の施行
自己啓発等休業制度の施行
2009年4月 労働時間短縮(8時間から7時間45分へ)
2010年6月
    10月
育児・介護のための両立支援制度の拡充
期間業務職員制度の導入
2011年4月 非常勤職員の育児・介護のための両立支援制度の拡充

 人事評価制度とは
 任用、給与その他の人事管理は、人事評価にもとづいて行うこととされています。評価制度は、重要な労働条件であり、その基準や評価手続き、フィードバック、苦情処理のしくみなど、公平・公正、透明で納得できる制度でなければなりません。そのためにも、評価基準にもとづく絶対評価、評価結果の全面開示、人材育成への活用、労働組合の参加による苦情処理制度、短期の評価結果を直接的に給与に反映をさせないことなど、評価制度の運用を監視しなければなりません。

 評価制度のチェックポイント
 評価のスタートは期首面談です。ノルマを強制させず、なにを・いつまでに・どの水準が必要なのかが評価者と共有されなければなりません。また、評価結果については、納得できる具体的な説明をもとめましょう。
 苦情への適切な対応と、申し出たものが不利益取扱いをうけないことが明記されています。納得できない場合は、職場の労働組合役員にご相談ください。

 ■雇用・労働条件を守ろう
  私たちはモノではありません!

公務員の身分保障とは
 国家公務員法第75条の規定は、公務員が全体の奉仕者であり、国民の利害関係を調整する役割を担っていることから、不当な圧力によって安定した行政の遂行が妨げられることがないように身分を保障しています。
 これは、民間企業で働く労働者の解雇規制と同じような意味をもっています。民間労働者の場合は、労働契約法第16条により、権利を濫用した解雇は無効ですが、公務員の場合、国家公務員法や人事院規則によって降任や免職される事由が明記されています。

 国家公務員法第75条
 (身分保障)
 職員は、法律又は人事院規則に定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることはない。

 労働契約法第16条
 (解雇)
 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

基本的人権である労働基本権の保障は当然
 労働基本権(団結権、団体交渉権および労働協約締結権、争議権)は、憲法が定める基本的人権であって公務員にも保障しなければなりません。日本では公務員の労働基本権が大幅に制約されていますが、先進諸国では公務員にも認められており、国際労働機関(ILO)は公務員の労働基本権をすみやかに回復するよう日本政府にもとめています。
 国公労連は、基本的人権の代償はありえないことから、労働基本権の完全回復をめざして運動をすすめています。

 ■労働協約締結権が認められないのは日本だけ

 ●許されない不当な分限免職(解雇)
 労働者の解雇は、生活の糧をえる手段をなくすものであり、重大な問題です。そのため、解雇は①人員削減の必要性、②解雇回避努力、③人選の合理性、④労働者との十分な協議の4要件を満たしていなければ、労働契約法第16条に反し、無効とされています。公務員も労働者であり、免職は法律や人事院規則に定める事由に該当しないかぎりおこなうことができません。
 厚生労働省は2009年12月末に525人もの社会保険庁職員の分限免職処分(解雇)を強行しました。
 しかし、業務は日本年金機構に大半が移行しており、人員削減の必要性がないばかりか、解雇を回避する努力もまともに行っていません。人選の合理性もなく、職員との十分な協議も行われていません。不当・違法な解雇は撤回させなくてはなりません。

 ●争議権含む労働基本権の全面回復を
 民主党政府は、協約締結権を回復させ、人事院勧告制度を廃止して、労使交渉で賃金を決定できる自律的労使関係制度を措置しようとしています。  国公労連は、争議権を含む労働基本権の完全回復こそが民主的公務員制度確立のための中心課題であり、公正・中立で能率的な公務・公共サービスを提供するため、憲法とILO基準にそった権利の確立を求めています。

 ■独立行政法人の職場では――

 独立行政法人とは
 独立行政法人は、国家公務員の定員を削減するための一つの手法として2001年の省庁再編時に設立されました。国の機関から移行した試験研究機関や国立病院、特殊法人から移行した日本育英会(現・日本学生支援機構)など、現在103の法人があります。
 独立行政法人の財政の基盤である国からの運営費交付金は、毎年効率化係数によって削減され、年をおうごとに運営に支障をきたし、行政サービスの提供が困難になってきています。

 ●独法の「抜本的な見直し」は、国民生活や社会経済の安定をそこなう
 政府は、独立行政法人を「天下りや無駄使いの温床」と決めつけて、予算の財源を確保するために、すべての事務・事業の「事業仕分け」を行い、廃止や縮小、民営化を進めています。あわせて、独立行政法人の制度や組織の改廃等も進めようとしています。
 独立行政法人は、国民生活や社会経済の安定・向上のための公共性の高い事務・事業を行い、国民の安心・安全を支えています。「事業仕分け」の手法による見直しでは、公共性の高い行政サービスが切り捨てられてしまいます。

 ●独法の事務・事業は国の責任で存続を
 国公労連は、「公共の見地から確実に実施されることが必要な事務・事業であって、民間に委ねた場合には必ずしも実施されない恐れがあるもの」(独立行政法人通則法)を担っている、独立行政法人の事務・事業の存続・拡充を国の責任で行うことを求めています。

 ■非常勤のなかまは

非常勤職員の現状
 いまや、国の機関で働く非常勤職員は全体で14万人を超えるまでになっています。非常勤職員はフルタイムでも短時間勤務でも国家公務員法、人事院規則が適用される一般職国家公務員です。正規職員と同じように職務専念義務や守秘義務が課せられています。しかし、処遇は正規職員と大きく違い劣悪です。同一省庁の職場ごとでも違いがあります。
 私たち国公労連は、こうした非常勤職員の処遇改善と正規職員との均等待遇の実現をめざしています。

 ●官製ワーキングプアなくすため公契約法の制定を
 公務の職場には非常勤職員だけでなく、委託・派遣など様々な形態の労働者が増大しています。
 業務委託や市場化テストの競争入札によって激しい価格競争が広がり、労働者の賃金がダンピングされ、生活するのがやっとの「官製ワーキングプア」といわれる労働者が急増しています。
 国公労連は、同じ職場で働く仲間として、均等待遇の実現は当然だと考えます。業務委託や市場化テストなどで賃金や労働条件を不当に切下げさせないために、公契約法(公共事業の水準と賃金等の確保)制定に向けた運動にとりくんでいます。
 地方自治体では、千葉県の野田市(2009年)を皮きりに神奈川県・川崎市、相模原市、東京都・多摩市(いずれも2011年)で公契約条例が制定されるなど運動が前進しています。

 期間業務職員とは
 期間業務職員とは、年度内任期の非常勤職員のことです。公募によらない任期更新は連続2回が限度で、退職手当が通算され、共済組合にも加入できます。

 非常勤の育児休業、育児時間、介護休暇
 ●育児休業は、子が1歳に達するまで(特例として1歳2カ月、1歳6カ月まで)。
 ●育児時間は、子が3歳に達するまで(1日2時間以内)。
 ●介護休暇は、連続する93日の期間内において必要と認められる期間が取得できます。