社保庁職員の不当解雇は撤回せよ◆「緊急カンパ」は5月末まで延長
(「国公労連速報」2010年4月28日付【社保庁職員不当解雇撤回闘争本部ニュースNo.5】)

【とりくみ:社保庁 分限免職】2010-04-28
 社保庁職員の不当解雇は撤回せよ
 「緊急カンパ」は5月末まで延長
 
 国公労連は3月23日に社保庁不当解雇撤回闘争本部を設置し、職場での「緊急カンパ」のとりくみの強化をはかってきました。4月14日に開いた単組書記長会議では、カンパの集約状況を交流し、とりくみ期限を5月末まで延長して目標の5千万円達成にむけてお互いに奮闘することを確認しました。
 各単組職場で奮闘いただいてきた「緊急カンパ」は、現時点できわめて不十分な集約状況にとどまっています。各地で確立する弁護団の着手金にも届かない状況であり、5月末までのあらためてのとりくみの強化が求められます。
 
 78人が人事院に申し立て、全厚生組合員は39人に
 
 人事院に対して分限免職処分取り消しの申立を行った旧社会保険庁職員は78人となりました。全厚生闘争団は、あらたに加わった北海道や埼玉、東京、大阪を含め以下のとおり39人となっています。
 北海道2、秋田6、埼玉1、東京4、岐阜1、愛知4、京都15、大阪1、香川1、愛媛4
 
 ☆緊急カンパ5千万円の大まかな使い道
 
 (1)弁護団費用 東京をはじめ、北海道、秋田、岐阜、愛知、京都、大阪、香川、愛媛での弁護団の着手金や人事院審理での反論書作成、全国弁護団会議などで、1.5千万円。
 (2)闘争費用 宣伝ビラやリーフの作成、オルグ等で、1.5千万円
 (3)争議団の生活支援で、2千万円。
 
 全厚生闘争団の弁護団の確立すすむ
 
 5月9日の全国弁護団会議にむけて、各地での弁護団の確立がすすんでいます。東京弁護団は、岡村親宣弁護士(東京本郷合同法律事務所)を団長に7人で構成。北海道では北海道合同法律事務所とさっぽろ法律事務所で6名の弁護団を構成する予定です。秋田では第一合同法律事務所を中心に弁護団の確立準備がすすんでいます。愛知では、名古屋北法律事務所と名古屋第一法律事務所、名古屋南部法律事務所、名古屋法律事務所で5人の弁護団を確立しました。岐阜でも岐阜合同法律事務所の2人で構成。大阪は、伊賀・笠松法律事務所ときづかわ共同法律事務所、関西共同法律事務所の3人の弁護団を確立。15人の解雇者を抱える京都では、京都第一法律事務所と京都法律事務所、京都南法律事務所、市民共同法律事務所で10人の弁護団を確立しました。香川でも、岡山合同法律事務所の2人で構成し、愛媛でも弁護団の確立にむけた準備が進められています。
 
 沖縄県国公 那覇年金事務所前で宣伝行動
 分限解雇の撤回と年金機構の体制を確立を求めてマイクで訴え
 
 沖縄県国公は4月26日の早朝、那覇年金事務所前で「社保庁職員の不当解雇撤回闘争にご支援・ご協力をお願いします」のビラを配布し、宣伝カーでの訴えを行いました。
 この宣伝身動は、前日の普天間基地の返還、国外・県外移設を求める「県民大会」にも参加した開建労や全通信、全気象の仲間8人で行い、国公労連の川村副委員長も参加しました。川村副委員長と県国公の仲里事務局長がマイクを握り、分限解雇の不当性や経験者の雇用による年金機構の体制確立を訴えました。沖縄には全厚生組織はありませんが、出勤した大半の職員がビラを受け取って庁舎に入っていきました。
 
 厚生労働省が「答弁書」を提出
 雇用責任はタナあげし、「分限免職は適法」と強弁
 
 厚生労働省は4月15日に全厚生組合員二人の審査請求にかかる「答弁書」を提出しました。しかし、以下のとおり、解雇された職員の事情などは考慮せず、使用者としての雇用責任は棚上げにした形式的、紋切り型の内容となっています。今後、弁護団と協議・検討して「反論書」を提出します。
 「答弁書」では、分限免職にあたっては「民間企業の整理解雇の四要件を援用する必要はない」とし、「機構及び協会の採用、厚生労働省への配置転換については、それぞれの組織が設定した採用基準に基づいて採用行為が行われたものであり、妥当なもの」、「結果的に一部の者が本件処分の対象となったもの」と強弁しています。
 社保庁は廃止であり、本来全員が分限免職処分となり得るが、年金機構、けんぽ協会、厚生労働省や他省庁等への配置転換、官民人材交流センターによる斡旋など、「多用な方法により分限免職回避にむけたとりくみが行われた」とし、「本件処分については、公正性及び平等性が担保されたもので適法なもの」としています。
 平等取り扱い原則にかかわっては、閣議決定した年金機構の基本方針で「分限免職回避に向けての努力」を行うこととされたことから、「社会保険庁の職員の配置転換にあたってこの仕組みは活用されなかった」としています。また、二重処分については、「制度の趣旨、目的の異なるものであることから、懲戒処分と分限処分は、別の処分である」としています。
 
以上