社会保険庁の廃止にともなって分限免職された職員らが昨年1月18日に人事院に不服申し立てを提出して1年。国公労連は1月18日の昼休みに「不当解雇は撤回せよ!不当処分取り消しの判定を行え1・18人事院前要求行動」(主催・国公労連社保庁不当解雇撤回闘争本部)を行いました。寒風吹くなかの要求行動には、各単組をはじめ、全労連や民間労組、公務労組連、全厚生闘争団を含めて約150人が結集しました。
日航CCU原告団も不当解雇撤回を訴える
主催者あいさつした国公労連の川村副委員長は、他省庁の改廃・再編では省庁間で人員の配転がされたにもかかわらず、社保庁職員はなぜ配転から排除されるのかと批判。「育休や病休中の職員や全く処分を受けていない職員が分限解雇されるなど、分限免職の基準が示されていないことは大問題だ。人事院の公平審理が、北海道で2月2日、埼玉の2月22日を皮切りに全国でいよいよスタートする。第2次集団提訴の準備も進めており、この1年が正念場だ」と現局面の状況を報告し、不当解雇撤回を求める運動への支援を呼びかけました。
激励と連帯に駆けつけた全労連の大黒議長は、「日航労働者の解雇と社保庁職員の分限免職の問題の本質は一緒だ。政府・厚生労働省は、公務・民間での解雇権の乱用は許されないことを示すべきだ。全国的なたたかいを広げよう」とあいさつしました。
JMIU(全日本金属情報機器労働組合)の三木書記長は、経労委報告や2011年春闘にふれ、「財界は労働者のささやかな要求を拒絶した。このままでは日本経済に明るい未来がない」と批判、「菅首相は雇用が大事というなら、社保庁の職員、日航の労働者を職場に戻すべきだ」と力強く訴えました。
昨年の12月31日、日本航空から整理解雇された日航CCU(キャビンクルーユニオン)原告団の石賀事務局次長は、「明日19日に、日本航空が強行した整理解雇は違法・不当であるとして、日航労働者146名が東京地裁に提訴する。空の安全、国民のための公共サービスをめざして、日本と世界の労働者と連帯して、職場復帰を求めてたたかう」と決意を表明し、ともにたたかう連帯のあいさつを行いました。
続いて、弁護団報告として社保庁不当解雇撤回弁護団の中川弁護士が、「2月から人事院の公平審理が始まる。公平審理で、社保庁廃止に伴い厚労省がいかに違法な分限免職を行ってきたかを明らかにし追及していく。この闘争に勝利して、自治体も含めた公務員攻撃に楔(くさび)を打ち込もう」と、社保庁職員不当解雇の問題点を指摘しました。
続いて、全厚生闘争団の国枝さん(国公労連中央執行委員)が決意表明。「日本年金機構は欠員を抱えているのに、理由もなく私たちのクビを切った。『職場に戻してほしい』との切実な思いで人事院に不服申し立てをして1年がたった。当事者として懸命に不当解雇闘争をたたかっている。ご支援とご協力をお願いします」と職場復帰にむけてたたかう決意と運動への支援を訴えました。
最後に、全厚生の杉浦書記長がシュプレヒコールの音頭をとり、団結がんばろうで行動を締めくくりました。
迅速・公正な判定を求める要請署名を人事院に提出
国公労連は人事院前での要求行動の終了後、人事院に対して総裁あての「社保庁職員の雇用と身分の確保を求める要請署名」3400筆を提出し、迅速・公正な判定を要請しました。人事院への要請は、国公労連本部の上田執行委員と全厚生闘争団の飯塚・杉浦両副団長、当事者の國枝さん(国公労連中執)、伊藤さん(東京)の5人で行い、人事院側は井上主任職員団体調査官が対応しました。
署名を手渡したあと、全厚生の杉浦書記長からは「社保庁が解体され民営化されても、年金の組織がなくなったわけではない。基準がない中での指名解雇・分限免職は人権無視であり断じて許されない。社保庁不当解雇問題の本質をしっかり見抜いて、口頭審理で事実を明らかにせよ」と強く主張。参加した当事者も、「愛知などでは人事院公平審理の日程が厚労省の都合で先延ばしされ、まだ日程が決まっていない。仕事が決まっていない当事者の苦しみをふまえ、迅速・公平に審理してほしい」と怒りをぶつけました。
これに対し井上主任職員団体調査官は、当事者の発言に理解を示しつつも、「早期に解決するよう、公平局に伝える」との回答にとどまりました。最後に、「人事院前行動では民間の仲間から、不当解雇撤回を求める訴えが強調された。いま世間の注目を集めており、期待も高まっている。本日の当事者の訴えを、公平審理担当部局に必ず伝えてほしい」と訴えて、要請を終了しました。
以上