「国の責任で、安心して暮らせる年金制度をつくる東京連絡会(略称:安心年金つくろう東京連絡会)」は1月21日、「輝け!憲法25条、社会保障の再建へ、新たな福祉国家をめざす学習決起集会」(主催:安心年金つくろう東京連絡会、東京地評、年金者組合都本部、東京国公、東京社保協)を東京・南青山会館で開催しました。85人が参加して、新たな福祉国家をめざす立場で熱く論議を交わしました。
主催者あいさつした東京地評の松本事務局長は、「野田政権は『社会保障と税の一体改革』素案を決定し、消費税増税、医療・年金・福祉など社会保障改悪をすすめている。今日の学習決起集会を契機に憲法25条を生かすたたかいをいっそう強めよう」と呼びかけました。
続いて都留文科大学の後藤道夫教授が、「新たな福祉国家を展望する―社会的危機克服の構想」と題して記念講演を行い、図表・データを説明しながら「社会保障と税の一体改革」の問題点と、東日本大震災と原発事故の救援・生活再建の遅れと国の施策の脆弱さを鋭く指摘。「福祉国家とは、①産業別労働運動と国家による労働市場への規制、②国と自治体による社会保障・教育保障を通じて、すべての人々の最低生活保障に責任を持つ国家のことであり、現在の日本は福祉国家ではない。構造改革、地方分権改革でいっそう力を削がれてきた被災地域が、財界・大企業の餌食になっている。賃金引き上げと社会保障の拡充は緊急の課題。政治を変え、労働運動の力で新たな福祉国家をつくろう」と呼びかけました。
年金者組合東京都本部が「年金制度改悪の内容と老後が安心の年金制度を確立するとりくみ」を特別報告し、東京都生活と健康を守る会連合会(都生連)は「生活保護、生存権裁判」を報告、全国税東京地連から「国税庁・2012年度予算案を考察する」を文書で報告しました。
また、分限免職された当事者である全厚生闘争団・東京が「社保庁職員の不当解雇撤回闘争の現局面と勝利めざす活動展開」の報告と決意表明を行い、支援を呼びかけました。JAL不当解雇撤回闘争原告団も支援を訴えました。
最後に、「1.21集会アピール」(下記)を参加者全員で確認しました。
1.21集会アピール
野田政権は、第179臨時国会閉会後の昨年暮れから新春にかけ、国民にさらなる「痛み」を押し付ける「社会保障と税の一体改革」の具体化を進め、1月6日には、「社会保障と税の一体改革」素案を、政府・与党社会保障改革本部において決定しました。
その主な内容は低所得者層ほど負担が強化される消費税増税と、年金給付の切り下げや70歳から74歳までのお年寄りの医療費窓口負担を2割に引き上げるなど、医療・福祉・保育など社会保障制度全般を切り下げ、庶民に「激痛」を与える政策を柱とするものです。
憲法25条を暮らしに活かした新たな社会福祉国家を展望しつつ、野田政権が進める「社会保障と税の一体改革」素案の実施を阻止する課題は、労働者と国民にとって、当面の最大の闘争課題です。
こうした情勢の中、「安心年金つくろう東京連絡会」は本日、学習決起集会「輝け!憲法25条、社会保障の再建へ」を開催しました。
学習決起集会では、新たな社会福祉国家を展望しつつ、社会保障各分野の改悪内容の本質を明らかにし、それへの反撃を旺盛に展開することを決意しました。同時に旧社会保険庁職員525人の分限処分は、国民の年金権を保障する立場からも、その撤回を実現することが重要であることを確認しました。
素案では「社会保障と税の一体改革」とは直接関係ない「政治・行政改革」とい項目を設け、「衆議院議員定数の80人削減と給与臨時特例法案・公務員制度関連法案の早期成立」を謳っていますが、ここには「国会議員も国家公務員も身を削るから、国民も『痛み』を我慢せよ」のメッセ-ジが込められており、議員定数削減と国家公務員賃金削減法案阻止の闘いは、社会保障の切り下げ反対の闘いと一体不可分のものと位置付ける必要があることも明らかになりました。
消費税増税に関わる朝日、読売、日経のアンケート調査でも、消費税増税反対の意見が6割弱にのぼり、私たちの闘い次第で、野田政権が進める「社会保障と税の一体改革」素案を阻止できる展望が広がっています。今春闘期、幅広い国民の連帯、官民の労働者の共同で大きな戦線を築くことが求められています。
「安心年金つくろう東京連絡会」は本日ここに、憲法25条を暮らしに活かした新たな社会福祉国家を展望した運動を旺盛に展開することを決意しました。同時に全ての労働者・国民に、「輝け!憲法25条、社会保障の再建へ」の立場に立った運動への積極的参加を呼びかけるものです。
以上