人事院判定を待たずに分限解雇の撤回を◆全労連社保不当解雇撤回対策会議が厚労省に要請
(「国公労連速報」2012年4月24日付【社保庁職員不当解雇撤回闘争ニュースNo.58】)

【とりくみ:社保庁 分限免職】2012-04-24
 4月18日の厚労省前昼休み要求行動終了後、全労連社保庁不当解雇撤回対策会議のメンバーと国公労連、全厚生闘争団当事者の総勢10名で、厚労省に対し分限免職の撤回を求める要請を行いました。厚労省は年金局総務課の武田課長補佐以下2名が対応しました。
 厚生労働大臣に対する「旧社保庁職員の分限免職撤回、雇用確保を求める要請書」を武田補佐に手渡した全労連の根本副議長は、「人事院審理の中で、分限免職の不当性は明確になった。判定を待つことなく厚労省が自主的に判断し解雇を撤回すべきだ。また、懲戒処分が取り消された北久保さんの雇用問題を解決すべき」と要請の趣旨を強調しました。
 国公労連の川村副委員長は「残務整理の113名分の暫定定員を活用しなかったのは分限回避の責任放棄だ。この点からも早期解決の決断を」、秋田労連の佐々木議長は「転任手続きで不公正があった。優秀な職員が落とされている」、香川労連の堤議長は「綾さんの裁判の国側書面を見たが、綾さんがバッシングで病気になり転任されず解雇され、離婚にまで至ったことを『知らない』の冷たいひと言に怒りを感じる」、京都総評の吉岡さんは「厚労省は当事者の責任で北久保さんの雇用問題を解決せよ」、自治労連の平野さんは「分限免職は必要なかった。同じ事象が地方に波及している。直ちに撤回を」、全労連の高山組織部長、当事者の伊藤さんと北久保さんも「解雇撤回、早期解決を」と発言しました。
 要請に対して武田課長補佐は、「分限免職は人事院や裁判で争っており自主的な撤回はできない。北久保さんの件については十分検討して2月に全厚生に回答した」とまったく誠意を示さず、参加者は「厚労省は自らの責任で解決すべき。分限免職を撤回するとともに、北久保さんの雇用問題を速やかに解決せよ」と再度強調し要請を終わりました。
 
 
 4.18第77回栄総行動で人事院・厚生局に要請
 迅速・公平な審理を求め中部人事院事務局に要請
 
 愛知の第77回栄総行動が4月18日に行われ、社保庁職員不当解雇撤回のとりくみとして、人事院中部事務局に迅速・公平な審理を求めるとともに、東海北陸厚生局に対して社保庁職員の解雇撤回と年金機構の体制確保を求める要請を行いました。
 人事院中部事務局と東海北陸厚生局には全国一般愛知地方本部の志水委員長を要請団長として9名で望みました。
 人事院中部事務局への要請には浅川専門官が対応しました。要請の趣旨を述べた上で志水委員長は、「公務員は労働三権を持たず、一方的に首を切られるのはおかしい。また、2年以上も審理が続いている。当事者の生活保障もなく、病気の人もいる。迅速な対応を」と述べました。
 全法務中部地本の土屋書記長は「人事院で追加証人尋問が行われたのは一歩前進。公務全体が注視している」、全厚生中部社保支部の宮田書記長は「懲戒処分歴のある人が年金機構に採用しないという閣議決定が問題。厚生局への転任手続きもいい加減だ。こうしたおかしいことを迅速に判定すればよい」、名古屋地域連絡協議会の竹内さんは「懲戒処分が終わっているのに、閣議決定で引きずるのは恣意的行為が含まれているとしかいえない」、名古屋市職員労働組合の中切さんは「名古屋市では民間委託をしても職員の首切りはせず、市役所で受け入れてきている。組織の廃止で首切りするのは疑問。こうしたことがまかり通るなら、公務に魅力を感じない」、全厚生の高松さんは「年金記録問題で現場職員はひどい扱いを受けた。そのなかでの首切りはひどい」、全労働東海地協の大谷事務局長は「首切り状態が長期化して苦痛は深刻。引き続き雇用するのが一番。多方面の意見をくみ入れてまっとうな判定を」、全厚生闘争団の國枝事務局次長は「JAL裁判などで使用者の言うことしか聞かない判決が目立っている。人事院の判定も批判の対象となることの覚悟を持って公正な判定をしてほしい」と参加者がそれぞれ発言しました。
 浅川専門官は、「要請内容を本院に伝える」、「迅速に判定を出せるよう人事院は考えている。他の事情によって伸びているのが現状」と回答し、要請内容に理解を示しました。
 
 
 解雇撤回と年金機構の体制確保を求め東海北陸厚生局に要請
 
 東海北陸厚生局への要請には品田総務課長をはじめ3名が対応。全国一般の志水委員長が要請の趣旨を説明し、「525名の分限免職は不当な解雇ではないか。公務に労働三権が無いなかでの解雇はひどい。解雇を撤回してほしい」と発言しました。
 これに対して品田総務課長は、「要請については本省に伝える」、「機構の体制の拡充については年金機構の対応であり、厚生局でもできることの対応は行う」「懲戒処分者を年金機構は採用しないという閣議決定の見直しについては、今行われている人事院審理ではっきりするのではないか」「社保庁から厚労省非常勤職員に移った職員の雇用については、引き続き雇用できるよう要望する」と回答しました。
 全法務の土屋さんは「年金機構も問題があり、指導監督が必要ではないか。解決策として分限免職者の採用もあるのではないか」、全労働の大谷さんは「国民サービスのため一刻も早く処分を撤回し、職場に戻せ。国で行う業務は委託ではなく国が直接行うべき」、名古屋市職員労働組合の中切さんは「文書で出した要請に対しては文書で回答すべき。上申の結果どう回答されるのか確認したい」、全厚生闘争団の國枝さんは「2月末に行われた追加証人尋問で、113名の残務整理枠としての3カ月の雇用を使わなかったこと、厚生局への配置転換手続きがいい加減なものであったことなどが明らかになった。このような実態を踏まえると、判定が出る前に解雇は撤回すべきではないか。愛知からもそのような声が上がっていることを本省に伝えてほしい」と、それぞれ発言し要請しました。
 
以上