国民のくらしを守るのは国の責任◆出先機関の廃止許すな!5.25院内集会を開催
(「国公労連速報」2012年5月28日付)

【とりくみ:地域主権改革 道州制】2012-05-28
 国公労連は5月25日、衆議院第2議員会館で出先機関の廃止をとりまく状況や問題への認識を共有するともに、廃止を許さない共同のとりくみの発展へつなげていくための院内集会を開催しました。集会には、全国各地から約70名が参加。また、マスコミ8社の取材がありました。
 開会の冒頭、主催者を代表してあいさつに立った国公労連の宮垣委員長は、午前中に提訴した「公務員賃下げ違憲訴訟」にも触れながら、「国家公務員の数はこの10年間で約80万人から約30万人に減少している。これは、主要先進国の中でも最も少ない数」、「地域主権改革は、民主的な制度をひっくりかえし、国の責任を地方へ丸なげする」と指摘し、「国の出先機関の廃止を許さない動きが、全国の約1/3の市町村長が集う『地方を守る会』や民主党・自民党の議員連盟結成などにつながっている。今こそ共同のとりくみの発展へつなげていこう」と呼びかけました。
 集会には3名の国会議員が激励にかけつけていただき、民主党の沓掛哲男衆議院議員からは「地域主権という名は、うつくしく聞こえるが中身は国が滅びるものだ」「野田総理のあせりが見える。皆さんとともに頑張っていきたい」と述べ、日本共産党の塩川哲也衆議院議員からは「大震災で出先機関のはたした役割がみとめられているのに、なぜ移管をする必要があるのか」「例えば環境省の出先移譲に関わって、推進する側と開発する側が同じ権限をもったら原発と同じ問題がおこりかねない」と指摘しました。最後に民主党の小泉俊明衆議院議員から「関東直下型地震や東海・東南海・南海の3連動地震も懸念されている中、出先機関の廃止ではなく拡充・強化が必要だ」「独法についても、民営化すれば良いと言うのはおかしい。大間違いのことはやめるべきだ」と述べました。
 続いて、午前中からとりくんだ、ブロック国公国会請願署名の紹介議員要請行動について報告があり、近畿ブロックからは「『関西広域連合の動きは、拙速であり地域には見えていない。しっかり議論をしていくべき』などの各党派の議員から発言があった」「近畿は議論が先行しているので、引き続き市町村長や国会議員要請に頑張っていく」と発言があり、東北ブロックからは「気仙沼では合同庁舎が被災し、仮設事務所で業務を行っている。地元からは震災を機に国の機関が気仙沼からでていくのではと不安視しているが、それだけ身近な存在と感じている」など懇談の様子が報告されました。
 その後、決意表明として、国土交通労組の高津副委員長から「地域主権改革のねらいは、ナショナルミニマムの破壊である。また、建設国債の地方へのつけ回しが危惧される」と述べ、「地域住民の安全を身近で守る、出先事務所や出張所がなくなれば意味が無くなってしまう」と訴え、全労働の津川書記次長からは「ハローワーク特区について、埼玉県と佐賀県それぞれの知事が地元住民のことを本当に考えているか疑問。労働行政は、国の責任で行う必要がある」と決意を述べました。  集会の最後、閉会あいさつに立った国公労連の岩崎副委員長からは、「現場からの声を国会や地方議会に働きかけてきた結果、共感が大きく広がってきた。本日を機にさらにたたかいを強化していこう」と呼びかけ、団結ガンバロウで集会を終えました。
 
 
 ★集会に寄せられたメッセージ
 
 石川知裕 衆議院議員(新党大地・真民主)
 出先機関の廃止の反対運動をされている皆様に心より敬意を表します。今後も災害が心配されるなか、地方と中央が一致して日本国民の安全と安心を確保することが必要であり、東日本大震災の復興に向けて重要な役割を担っている出先機関を廃止すべきではありません。
 大震災からの復興が喫緊の課題である今、国の出先機関廃止に反対し、私も国政を担う一員として国に働きかけて参りたい。
 本日の院内集会の盛会を祈念し、私、石川ともひろのメッセージと致します。
 
 また、道休誠一郎衆議院議員(民主党)、山下芳生参議院議員(日本共産党)は秘書の方に出席いただきました。
 
 紹介議員要請に奮闘
 
 院内集会に先立ち、各ブロック国公事務局長と29県国公から参加のなかまが、ブロック国公毎にとりくんでいる国会請願署名の紹介議員要請を展開しました。本日お昼までの集約では、北海道は大門実紀史参議と紙智子参議(ともに共産)、東北ブロックは高橋千鶴子衆議(共産)、中部ブロックが望月義夫衆議(自民)、佐々木憲昭衆議(共産)、中国ブロックは浜田和幸参議(国民)、四国ブロックは大野功統衆議(自民)と小川淳也衆議(民主)、九州ブロックは北村誠吾衆議(自民)、中島隆利衆議(社民)、川村秀三郎衆議(民主)、小里泰弘衆議と徳田毅衆議(ともに自民)、沖縄は糸数慶子参議(無所属)が紹介議員を快諾しています。
 紹介議員に対する署名の最終的な持ち込みは6月11日(月)に行います。署名の集約を含め、今週・来週での押し上げに注力しましょう。
 
以上