東京地評は9月20日に「9.20争議支援総行動」を実施し、「大企業は内部留保を被災者と労働者に使え!司法は公正な判決を」など解雇や労働組合つぶしをはじめとする企業による横暴を許さず、すべての争議の早期全面解決を求めました。争議組合や争議団が、当該企業前や中央省庁、東京地裁前などでの行動を終日展開。国公労連もこの行動に結集して東京・首都圏の民間労働者と一緒に声をあげました。
「不当解雇撤回11.2中央総決起集会」への多数の参加を訴え
11時45分からはじまった社保庁職員の分限解雇撤回を求める厚生労働省前要求行動には、JAL原告団や東京争議団が組合旗を携えて集結しました。
主催者あいさつした東京地評の松本事務局長は、「労働者を守る任務を担う厚労省が自らの職員のクビを切るとは断じて許されない。ベテラン職員をすぐ職場に戻すとともに、日本年金機構職員の6割を占める非正規労働者の処遇改善など、厚労省はすべての労働者を守るべきだ。たたかえば必ず展望が開ける。ともに連帯しよう」と呼びかけました。
連帯あいさつした東京国公の植松事務局長は、「安心年金つくろう東京は、駅頭宣伝を15回実施するなど運動を展開している。東京国公は、JAL、民事法務協会、社保庁不当解雇撤回を3大争議として官民共同でたたかっている。すべての争議解決にむけてたたかう」と力強く訴えました。
続いて、年金者組合東京の金子委員長が、「日本年金機構になってベテラン職員が解雇され、非正規職員の不十分な教育での窓口対応の結果、新たな年金相談が年金者組合に寄せられている。国民に大きな不安と被害を与えている実態を厚労省はどう考えているのか」と批判。中野区打越保育園・ピジョンハーツ争議団の荒木さんは、「中野区の指定管理者・ピジョンハーツが運営する打越保育園で、組織ぐるみのいじめ・パワハラと解雇事件が起きている。民間を指導している厚労省が職員を解雇するなら、国民生活のための社会保障と保育は守られない」と訴えました。
決意表明した全厚生闘争団の国枝事務局次長(国公労連中央執行委員)は、「私たちは職場に戻るため、勝ち抜くまで最後までたたかう。11月2日に開催する『社保庁職員不当解雇撤回11・2中央総決起集会』へのご参加をお願いします」と運動への支援を訴えました。
解雇撤回、雇用確保で争議の早期解決を!
社保庁職員の不当解雇の撤回を求め厚労省に要請
厚生労働省前要求行動の後、厚労省に対して社保庁職員の解雇撤回を求めて要請を行いました。要請は東京地評の松本事務局長と東京国公の植松事務局長、年金者組合東京本部の金子委員長、中野区打越保育園・ピジョンハーツ争議団の荒木さん、全厚生闘争団の國枝さんと伊藤さんで行い、厚労省は年金局総務課の武田課長補佐他2名が対応しました。
冒頭、松本事務局長が武田課長補佐に要請書を手渡し、旧社保庁職員の分限免職処分の撤回と雇用の確保、北久保さんの分限免職処分を取り消して身分と権利を回復すること、年金機構について正規職員の増員による業務体制の拡充を求めました。
植松事務局長は、「国家公務員は身分が保障されている、年金の業務は社保庁解体後も継続しており、雇用が守られるはず。農水省の定員純減に対しては省内異動や他省庁への転任で一人の解雇もなかった。本来はこのように処置されるべき。公務員全体が不安にかられている状態だ。現在の年金職場は非常勤職員が多く、混乱や業務の間違いがある。ベテランがやめて十分な経験や研修なしに業務に就いている。525人の職場復帰をさせるように求める」と述べました。金子委員長は、「年金問題の発端は、年金行政が不十分であることや、年金そのものが不十分であることにあり、年金で老後を支えることができないことを放置してきている。こうしたことは政治家が責任をとるべきなのに、労働者にのみ責任を負わせている。解雇は取り消すべき」と発言。ピジョンハーツ争議団の荒木さんは、「厚労省は民間に雇用の安定を指導する立場。社保庁職員への厚労省の対応により民間でも首切りが横行してしまうのではないか不安だ」と述べました。
全厚生闘争団の伊藤さんは「現在行われている裁判では、厚労省の欠員に対しては社保庁職員を優先的に配置する義務はないと主張しているが、道義的責任はないのか。納得がいかない」と発言し、國枝さんは「解雇から2年9ヶ月になり当事者は精神的に不安。争議が早期解決できるよう対応を求める」と訴えました。
要請に対して武田課長補佐は、「人事院の審理は最終段階に来ていると思う。人事院の求釈明に対する回答は行ってきたが、さらなる質問が来た場合は、早期に対応したい」、「従来から処分は適法に行ってきたとの考えに変わりはなく、撤回はできない」、「懲戒処分歴のある者の年金機構の採用については閣議決定上できず、年金機構も決定を遵守している」、「北久保さんの身分と雇用の回復については、厚労省内で検討した結果を本人に伝えている。総務課長より減給分の返金以外の対応はできない旨を説明している」、「年金機構の正規職員の数は閣議決定で決まっている。経験の浅い職員で全てカバーするのが難しいことは認識している。年金機構も承知しており、教育の徹底などよい方向にむかうよう努力している」と回答しました。
この回答に対して植松事務局長が、「トップの幹部・政務官に職場実態を伝えてほしい。雇用確保の道について現在の制度でやれることの追及をしてほしい」と述べて要請を終えました。
以上